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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年3月


「鬼であり続けるのは、なかなかに骨が折れる」
鬼が出ると噂の安義橋(あぎのはし)を渡ることになった太郎暮房(たろうくれふさ)。恐る恐る橋を進むと、艶やかな髪と白い肌を持つ見目麗しい女が立っていた。女は太郎暮房を呼び止め、思いがけないことを口にする。(「安義橋秘聞」)
髪結いの夫婦に拾われ、幼いころから主人の性の相手をさせられていた早陀女(さだめ)。九つを過ぎたころ、剃刀を持ち、髪結いをするようになる。あるとき手が滑り、客の耳を傷つけてしまう。とっさに指に取った血を舐めると、得も言われぬ恍惚感に包まれ……(「血舐め茨木」)

                 (光文社HPより)



8つの話。元になっているのは伊勢物語、今昔物語、御伽草子。

それぞれの話には鬼となるしかなかった者たちのことが書かれていて
怖いというよりは、そうなってしまう過程が恐ろしい。

最初の話<第一話 鬼一口>は生まれたとき母親が亡くなりそのため、父親に
疎まれながら成長し綺麗な顔立ちであることから、男色の寺の僧に売られ
逃げ出すが結局、同じような苦行が待っていた。
が、今の主人にはそういう趣味はなく、やっと苦行から解放。
そして主人の娘の姫といつしか互いに好意を抱くようになり姫と共に
逃げる。
夜、やっと見つめた小屋で姫を休ませ、自分は外で見張りをしていたが夜が
明けると何故か、姫は亡くなっていた。
哀しみにくれているところに、追手が来て、姫を置いて行きたくない
気持ちから首だけを切り落とし、それと共に逃れる。

このほかにも色々な事情で鬼となった者たちの話が続き、
最後の章でそれらがひとつの場所に逃れて暮らす地の場面が出てくる。


最初の話の男は後に酒呑童子という名の鬼になり世間から恐れられていたというが
今は、その者も亡く、名前を継いだものがその場所のリーダーとなっている。

世間では生きられなくなった者たちを匿う形で・・・。
だが、そこにも終わりが・・・・



少し、読み難さはあったものの、興味深く読んだ。
結構、生々しい描写もあり、ゾッとしたり、ソワソワしたり・・・・。

このシリーズ、面白いなぁ~。



                      ★★★★
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