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読んだ本の感想あれこれ。
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51IVYx2yY9L__SX230_.jpg   発行年月:2007年3月


   直木賞作家がおくる、暗黒の少女小説。


   ある午後、あたしはひたすら山を登っていた。
   そこにあるはずの、あってほしくない「あるもの」に出逢うために--
   子供という絶望の季節を生き延びようとあがく魂を描く、
   直木賞作家の初期傑作。


                                        (角川書店HPより)


桜庭作品のちょっと前の作品。
本作品は2004年に富士見ミステリ-文庫より刊行されたと解説がありました。
その後、角川書店でも発売されているという珍しい経緯を取る作品。
↑の解説文は角川書店のHPより借りました。



長女が図書館から借りて、「一気読みの面白さ」と言うし、未読だったので読んでみた次第。

なるほど・・・・おもしろいというとちょっと語弊ががあるけれど、凄い本だった!

中学2年生の少女2人が主な人物。
山田なぎさのクラスに転校してきた風変わりな海野藻屑。
藻屑の父親はかつて有名なバンドのメンバ-で、ルックスもよく人気があった。
藻屑も綺麗な顔をしていて、お金持ちらしく持ち物は全て有名ブランドの物。
けれど、あまりにも不可解な言動なので、最初こそ皆が取り囲んだけれど、そのうち誰も近づかなくなる。
そんな藻屑を最初から遠巻きに冷静に見ていた、山田なぎさ。

藻屑がなぎさに接近し、疎ましく思いつつも次第に一緒に行動する二人。

二人の少女には、共通するものがあった。

藻屑は父親から虐待を受けている。
なぎさは、父親を亡くし、母親と兄との3人暮らしだけど兄は引きこもりでパ-トで働く母親に代わり家事をこなす毎日。

少女たちの家庭環境は過酷。

風変わりな奇行とも思われる行動をする藻屑だけど、追い込まれた環境のなかにいたことを思うと切なくて哀れでなんだかとても愛おしい。
痛めつけられても父親のことが大好きだと言う。


そして冒頭の新聞記事の事件は起きてしまう。
最初から起きてしまう悲劇を予告されているので、辛い。

けれど、なぎさの周辺では、ちょっと良い変化があったことが救いかな?

担任教師にも好感が持てたし。


衝撃的な物語だったなぁ~。

この表題が物語を読んだあとだと、たまらなく切なくかんじる。


★★★★★
 
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