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読んだ本の感想あれこれ。
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41y9-6lAk0L__SX230_.jpg   発行年月:2012年3月


   結婚詐欺師を通して描く男女の業と性(さが)


   結婚願望を捨てきれない女、
   現状に満足しない女に巧みに入り込む結婚詐欺師・古海。
   だが、彼の心にも埋められない闇があった……。
   父・井上光晴の同名小説にオマージュを捧げる長編小説。


  
                                           (角川書店HPより)


表題から想像していたかんじとは、全く別物の物語。
結婚詐欺師・古海健児(うるみけんじ)は、名前を変え、いろいろな女性に近づく。
その詐欺行為を操っている千石るり子との関係もナンだか意味あり。

騙される女性たち
柊亜佐子
・・・学習塾の事務員。エッセイ教室で知り合う。マンションの頭金を騙し取られる。
円地マユリ・・・クラブ歌手。ワインの会で知り合う。
七戸鈴子・・・津軽の豪農の娘。
穂原鳩子・・・家事代行サ-ビスの会社勤務。古海と知り合い、夫に離婚してほしいと告げ別れる。
間宮千種・・・古海に騙されたあと、実家に帰郷。
初音・・・古海の妻。古海の裏の顔を知らない。

一応、メモを取りながら読んだので、漏れはないと思うけど・・沢山の女性が騙される。
騙されたことに気づく者。気づかない者。気づいてても信じたいと思っている者。いろいろ・・・。

しかし、こんなに沢山の女性を一時とはいえ虜にするんだから、古海という男には魅力があるんだろうな~。
宝石鑑定士を名乗り、結婚を匂わせて女性からお金を騙し取る。
女性達は、優しい言葉で自分を愛してくれる(演技だけど)古海に心を許してしまう。

結婚詐欺なんて、引っかかる方も悪いでしょ?なんて今まで思って来たけど、
騙されてしまう気持ちも、わからなくはないな・・・なんて思ってしまった。

マメなんだなぁ~詐欺師・古海は。
女性の敵だけど、古海に幸せな思いをさせてもらっている女性達は不幸とは言い難い部分もあるし・・・・。

騙された女性たちのなかでも鳩子の話が一番、面白かった。
夫に古海の存在を告げ、離婚はしたけれど、その夫からは離婚を告げたときひどい暴力を受けていて、そんな思いまでしながらの古海のことを想ったのに、騙されていたことに気づき、詐欺の片棒を担いでいる千石るり子のことも追い詰める。けれど、優しかった古海のことを憎み切れないかんじ。

また古海の妻・初音もちょっと曲者っぽい。
可愛い妻を演じているかんじで、古海もまた騙されている部分がある。

ここに出て来る人たちのこの後がとても気になる終わり方。
なかなか面白かった!

荒野さんのお父さん、井上光晴さんの書いた「結婚」も気になるなぁ~。


★★★★
 
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