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読んだ本の感想あれこれ。
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41ZorI0HAYL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年3月
 

朝日新聞のルポルタージュ連載記事の書籍化。
福島原発事故による放射能汚染は、なぜこれほど多くの被害者を生んだのか。
政府、官僚、東京電力、そして住民。それぞれに迫った、
気鋭の取材記者たちの真実のリポート。



                         (学研パブリッシングHPより)



副題の明かされなかった福島原発事故の真実というののが凄くインパクトありますが、
本書で読んだ内容には、驚くことばかり。
なぜ、こんなに大事なことを知らせなかったのか!?
怒りが沸いて来ました。

これを知ったところでどうなる?とも思いますが、知らないでいるより知った方が、今後のための対策が打てると思うし、ある程度の覚悟も持てるんじゃないかな?

原発事故の起こったあの日、福島の人たちはどうやって避難していたのか?も体験談で知り、想像以上の苦労があったことを知り、今も尚、苦労されている現状が少しでも解消されることを願うばかり。

またあの日の官邸の様子もリアルに描いていた。
あのとき、首相だった菅さんには、いろいろな厳しい指摘も多いけれど、あれが出来る限りのことだったんだと思えた。
言葉の一部だけを捉えて批判されてしまう官僚だけど、こういう流れのなかでの発言だったのか?とあの頃のメディアの報道を振り返りながら考えさせられた。


こういう書は、多くの人が読むべきだと思う。

特別チ-ムをつくって、取材を続けている特別報道部のチ-ムの皆さんには、どこかで圧力がかかっているでしょうけど、屈しないで真実を伝え続けるという信念を貫き通していただきたいなと思う。


本書で一番驚いたのは、
SPEEDIというシステムの存在。
政府が130億円を投じて開発したシステムで、放出された放射性物質が、どう広がっていくのか、風向きや風速、地形を計算し飛ぶ範囲を予測するシステム。

あの日、その予測結果が全く、活かされなかったことが一番の問題。
官邸の中枢部はそのシステムの存在すら知らなかったという。

政府がお金を投じたのに、その存在を知らなかったってどういうこと!?

これから、時間が経てば、内部被爆の被害がどんどん出てきそうで怖い。


特別報道部による真実の追究を今後も追っていかなきゃ!
と思ったら、第二弾が既に刊行されていました。
そちらも読んでみようと思います。


                                       ★★★★★


 
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51sLII2L5tL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2010年9月


さまざまな職業人の生き方を伝記を通して学ぶシリーズ。偉人たちの業績とそれにいたるまでの過程での希望や情熱、ときには欲を描く。

[主要目次]
1 スーパースターをめざす生き方=野口英世(医学者)
2 リーダーシップをふるう生き方=北里柴三郎(医学者)
3 男女の壁をこえる生き方=荻野吟子(産婦人科・小児科医)
4 地道さをつらぬく生き方=山極勝三郎(医学者)
5 町医者にこだわる生き方=荻野久作(産婦人科医・医学者)
6 自己犠牲という生き方=永井隆(放射線科医)
7 献身で社会を変える生き方=フロレンス・ナイチンゲール(看護師)
特別編 ヒューマニズムにかける生き方=国境なき医師団(NGO)
ほか


                                     (ぺりかん社HPより)


看護師という職業柄、ここに登場の偉人たちは、名前だけは知っていました。
けれど、「へ~こういう人だったんだぁ~」と知ることも多く、自分のなかで持っていた偉人のイメ-ジがちょっと変わったひともいたのが面白かった。

最初の野口英世は、誰でも知っている偉人ですが・・・・・お金の苦労をしていて、外国に渡る費用をなんとか用立ててもらったのに、一晩で大金を使い果たすという信じられない放蕩ぶりには驚いた。

ほかにもオギノ式開発の荻野久作の夫婦仲の良さとか、ナイチンゲ-ルの人生後半は様子とか、知らなかった情報も得ることが出来た。

医師といっても患者さんに向き合う臨床医もいれば、人とは殆ど接することなく研究に明け暮れる医師もいる。
しかし、思いは、病気で苦しむ人を助けたいという信念は共通していた。

そして、自己が犠牲になろうとも目的に向かって歩み続ける姿勢は、感動した。

これは一応、児童書らしい。
なのでとても分かりやすい。
  

文章を要約したようなイラスト(漫画)も面白かった!
著者が書いているのかな?

ほかのお仕事話の話もまた読ませてもらおうかな?


★★★
20120418103305.jpg   発行年月:1995年2月


   妹を連れて命がけの旅に出た。

   幼い兄妹は雪に閉ざされた村を出て零下30℃、
        150kmの道のりを2週間かけて歩き通す過酷で幸福な旅に出た


                 
                          (本の帯文より)


新聞の文芸紹介で載っていて気になったので図書館で借りてみました。
この表紙の表題と写真もインパクト大!


確かにこれは凄い本でした!!
著者は、冒険家であり写真家であり作家でもある。

15年ほど前(1994年現在)にザンスカ-ルを訪れたときに出会った一家との温かい交流はいまも続いているという。

ザンスカ-ルって何処?
インドの最北部ジャンム-・カシュミ-ル州にある標高3500~7000mの高地だそうです。
夏季は快適な暮らしだけれど、冬季は、マイナス30℃までになりザンスカ-ル河は凍る場所。


本書では、そんな凍った河沿いに歩いた旅の様子が多くの写真とともに綴られる。
写真はどれも綺麗だけれど、そこに人間が一緒に写っていることが信じられないような厳しい状況。
凍った河に沿って歩くと言っても、とても危険な場所が多くて、当時まだ11歳の兄・モトゥプと8歳の妹・ディスキットがよくこんな険しい場所を2週間も泣き言ひとつ言わずに歩き通したことに驚く。

表紙の写真は、旅の途中、夜に炊く枯れ枝を集める作業をディスキットが大人たちと同じように行っている写真。
でも、この夜、狼がキャンプに近づいてきたときには怖くて泣いたとか。

それでも夜は皆で洞窟に会話をしながら楽しい時間を過ごす。
食事は、乾燥した空気と寒さから身を守るため、バタ-と塩の入った紅茶をたくさん飲み大麦を料理したもの


lこの書を読んで写真を見ていると、彼らの暮らしに比べたら恵まれている環境で、のほほんと暮らしている自分が、なんだか恥ずかしくなる。

巻末には、紹介された写真が再び小さく白黒で載り、詳しい解説がついている。
モトゥプの顔もとても精悍!

村を離れて兄妹は学校で真面目に勉強し、とても優秀で、二人とも目標を持っている。

今現在は、既にその目標を達成しているだろうか?
ちょっと彼らのその後が気になるところ。


★★★★★

 
 
41a9KnRKtQL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年10月


これも、健啖。読書の快楽を味わい尽くす!
ドゥマゴ文学賞受賞から5年、食と生活のエッセイストとして活躍する著者が、読書の魔力をがぶり味わい尽くした名随筆。獅子文六、池部良、沢村貞子…昭和から平成へ全103冊の芳醇をご賞味あれ。

                 
                 
      

                                          (集英社HPより)


第一章 贅沢してもいいですか?

食のエッセイを多く書いている著者だそうで、美味しそうなものがあれこれ登場しますが、太宰治が食いしん坊で大食漢だったのは知らなかったなぁ~。

値段も見ずに本を買う。しかもいっぺんに何冊も。そんなとき、神様に問うてみるのが
贅沢してもいいですか?

なるほど、なるほど・・・


第二章 わたし、おののいたんです

いろいろな作家さんの本が登場してきます。
どれも名前は知ってるけれど・・・書物は読んだことない方ばかり。
宇能鴻一郎、池部良、獅子文六、沢村貞子など。


沢村さんの「わたしの献立日記」は、興味あるなぁ~。
いつか読んでみよう!



第三章 すがれる

まず、「すがれる」って何?と思って調べたら・・・・
末枯れる・・・・・盛りが過ぎて衰えはじめる    とありました。


ひとつ言葉を覚えたな。


しかし、「野蛮な読書」とは、また巧い表現だな。

日々の生活を送るなかで、本で読んだことが、ふと浮かんでくるなんて、わたしには殆どないことで・・・・
これを野蛮というのなら、わたしの読書は、なんと例えたらよいだろう??


食に関する著者のエッセイもちょっと興味あるので、
そのうち読んでみたい。


                                         ★★★★

 
51H3QZKKKJL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2003年7月


死体のにおい、戦場の音……。

戦争の本質は、今も昔も変わらない。

「ミスター・ネルソン」女の子はまばたきもせず、わたしをまっすぐに見つめると、たずねました。
それは、わたしにとって運命的な質問でした。
「あなたは、人を殺しましたか?」
だれかにおなかをなぐられたような感じがしました。
わたしの体はこわばり、重くなり、教室の床にめりこんでいくような気がしました。----本文より


                                      (講談社HPより)



衝撃的な表題!
著者のネルソン氏は、1965年18歳で海兵隊に志願し、沖縄で1ヶ月の訓練の後、ベトナムの戦場へ向かった。
19歳でベトナムから帰還するまでの体験を綴っている。

表題の質問「あなたは人を殺しましたか?」の質問は、帰還後、温かく迎えてくれると思っていた家族の反応に戸惑い、無気力になりホ-ムレスとなったネルソン氏。
そんな彼の前に、高校の同級生で小学校教師をしているダイアンが現われる。
彼女は、ネルソン氏に戦争の話を子どもたちにして欲しいと依頼。
そして、子ども達をまえにしたときに投げかけられた言葉。


ストレ-トなこの質問に対して、ネルソン氏は、何も飾らない言葉で答え、自らの意志で人を殺したことを子どもたちに話す。
ネルソン氏の話を聞いて、涙を流しながら優しく触れてくれた少女。
責めているのではなく、赦すわけでもなく、ネルソン氏の心の痛みに同調したのかな?
そんな少女の態度にネルソン氏も多少は救われたのかも。

戦争の恐ろしさは、今までもいろいろな書物で読んだけれど、ネルソン氏の話を読んで普通の感覚を持った人が戦場という場所では人間が持っている感情を麻痺されてしまうことが一番恐ろしいことだと思った。


ネルソン氏が言うように、日本には憲法第9条がある。
「戦争をしない」と謳っている憲法。
アメリカの支配下のなかで掲げられた条文かもしれないけど、この憲法はとても大切なものだと思った。

どこの国も攻めることをしない国ですと謳っているのだから・・・・・。

世界中の国がこのような意識で他の国に武力攻撃をしないことが守られたらいいのにな。

子どもが読んでもわかりやすい本です。
たくさんの子どもたちに読んで欲しい本だと思った!


                                        ★★★★★
 
 
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