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読んだ本の感想あれこれ。
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51sr1IzLmuL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年7月

何のために生きているの? 「カトン先生」がカントの道徳論を指南する。
のび太のままではいられない!?

そう、「よいこと」ってのは、自分が心の底からほんとうに望んでいることなんだ。でも、弱いと自分が望んでいることも言えなくなる。仲間外れにされるのがこわいから、全部他人の意見に合わせる。ぼく(わたし)はこれでいいんだ、と言い聞かせても、じっと自分自身の声を聞いてごらん。「これでいいわけない!」っていう小さな叫び声が聞こえてくるだろう? なぜなら、それはきみのほんとうに望んでいることではないからだ。


                                    (講談社HPより)



15歳の子どもたちを前に、カトン先生が道徳論を述べる。
途中、子どもたちからも質問があり、それにも丁寧に答えてくれる。

1章 なぜ、死んではいけないの?
2章 なぜ、ウソをついてはいけないの?
3章 なぜ、人に親切にしなければならないの?
4章 なぜ、勉強しなければならないの?
5章 なんのために、生きてるの?


もっもらしい回答なら出来るけど、改めて考えると難しい問題ばかり。
カトン先生の言葉
テツガクとは、ぼくたちの考える前提、生きる前提をかたちづくっている枠を完全にとっぱらって、ゼロから徹底的に考えること

あたりまえだと思うことを、ごまかさないで「なぜなんだろう?」と考えつづけること

だそうです。


わかりやすく書かれているけど、すごく深い内容で、何度も繰り返して読みたくなる。
勉強させていただきました!というかんじ。



★★★★★
 
 
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61c0Qa6fU6L.jpg 発行年月:2010年8月

原発がクリーンエネルギーとして脚光を浴びるなか、世界各地で続発する大地震。いま日本を巨大地震が襲えば、原発はメルトダウンという最悪の事故を引き起こし、首都圏崩壊、日本全土が廃墟と化すおそれが高い。高速増殖炉もんじゅ再開、プルサーマル運転、高レベル廃棄物処分場など、原発推進がもたらす未来に警告を発する。


                         (ダイヤモンド社HPより)



読みながら恐怖感でいっぱいになってしまった!

この書が3.11の東日本大震災以前に発行されている事が一番怖い。
なぜなら・・・ここに書かれているとおりのことが、実際に起きてしまったから。

只、単に原子炉の事故が怖いということだけでなく、事故をひこ起こす要因になる大地震が、今の日本にはいつまた起きても不思議でない状況にあるという脅威も述べている。
阪神大震災が起きたということは、それに連動して地盤の変動も起きていて、続けてまた別の箇所で大震災が起きる可能性が大だと。

そして・・・・・それは起きてしまった!

この書では、東海地震から浜岡原発の引き起こす震災をシュミレ-ション化した物語も書いていて、そのリアルな描写は、東海地方に暮らす自分にとっては本当に怖かった!
日本のほぼ真ん中であるこの地で原発震災が起きれば、それは大都市圏の崩壊にも繋がっていく。

ああ~、そうして考えると、菅内閣が浜岡原発の全原子炉の運転停止を決めたことは、なんと大きな業績だろうか!!
このまま再開されることがないように・・・。


著者は、この書を震災前に書いて、結構辛辣に電力会社だったり、そこに雇われているような地質学者や地震学者を批判している。
さぞ、大きな圧力が著者を脅かしていたのではないか?
それでも伝えなければならないと書いたものかと思うと、感動する。


でも、これを読んで自分に出来ることは、なにかあるのか?

ず~んと重たい気持ちになってしまった。
でも、同時に読んで良かったとも思った。
上手く言葉に出来ないけど・・・・。



★★★★

    
    
 
51yzECRl8kL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月


電信柱が突き出た家に住むミドリさんの正体は!?
屋根から電信柱が突き出た不思議な家。そこに住む97歳の元気なおばあちゃん、ミドリさん。27歳の著者は、謎多きこの家とミドリさんにひかれ、電信柱のお屋敷に通うようになる。そして…。


                      (集英社HPより)



新聞に紹介されていて・・・これは面白そう!!と図書館で借りて読みました。

すごく面白かった!!
まず、この家にビックリ!
なんで、家の屋根からコンクリ-トの電信柱が出てるのぉ~!?


正にこの本の著者もこの家のそばを自転車で通るたびに気になっていたとか。
そして、大学進学で故郷を去るまえに、その家に勇気を出して訪ねてみたのが、その家の家主である木村ミドリさんとの出会いだそう。

当時、著者は17歳でミドリさんは87歳。
それから焼く10年の時を経て、本が出来たというわけで、二人はもう年の離れた友人というかんじ。

家の写真も冒頭に何枚かあるけど、すごくモダン。
ミドリさんもとてもお洒落なんだとビックリ!

カラクリ屋敷というとおり、家の中にはびっくりな仕掛けが沢山ある様子。
誰に見せるためでもなく、そこに住む人のために造られているカラクリ。

お屋敷になぜ、電信柱?の謎も段々に明かされるけど、その経緯も実にユニ-ク。
ミドリさんの亡くなったご主人もまたユニ-クな人だったんだなぁ~。

お屋敷のルーツとともに語られるミドリさんの生い立ちも実に興味深かった。
ミドリさんのル-ツを調べる為にミドリさんの両親がいた新潟~その後両親が移民として渡った北海道にまで足を運び地道に調査する著者の根性にも驚いた!
そして、関係する人たちに会える奇跡にような経緯もまた凄い!


現在、ミドリさんは97歳だそう。
まだまだ元気だとか。


楽しい書でした!!

開高健ノンフィクション賞次点だそうだけど、優勝作はなんだっけ??
これを凌ぐ作品があったのなら、そちらも読んでみたい。



★★★★★
 
 
8ca7a617.jpg発行年月:2010年10月


『怖い絵』の著者が描く王族たちの光と影
アン・ブーリン、マルガリータ・テレサ、イワン雷帝…ほか、ヨーロッパの歴史に名を刻んだ王や王妃たちの波瀾万丈な一生を、独自の視点でたどる。肖像画など関連絵画のカラー図版多数掲載。

                        (集英社HPより)



以前、「怖い絵3」を読んだときも過去のヨ-ロッパの歴史を絵画を交えて解説する中野さんの話が面白く、また今の常識で考えたら、とんでもなく非道なことが日常的に行なわれていた事実に驚愕しました。
本書もまたそれに並んで恐ろしいヨ-ロッパの国々の王室の歴史が書かれていて、
今の時代の日本と言う平和な国の一国民として生きている日々がとても幸福なことだと再認識しました。

本書は5つの章に分けられています。

<第1章 メアリ-・スチュア-ト>
スコットランド王ジェ-ムズ五世とマリ-・ド・ギ-ズの長女。
スコットランド王女。
エリザベス一世と覇権争いの末、完敗。
長い幽閉生活の末、斬首の刑に処せられる。


<第2章  マルガリ-タ・テレサ>
スペイン王フェリペ四世の王女。
神聖ロ-マ帝国皇帝レオポルト一世の皇妃。
母親の弟である叔父レオポルト一世の元にただ跡継ぎを生むという目的のためだけとも思える結婚。
16歳で男児を出産するが赤子は1年で亡くなり、続いて18歳で女児。19歳で再び男児を死産。
21歳で女児を出産するが母子共に命を落とす。
若すぎる肉体に度重なる子作りは命取りとなった。


<第3章  イワン雷帝と七人の妃>
モスクワ公国大公。
ロシアの初代ツァ-リ。(ツァ-リとは英語のキングと同意)
次々と跡取りを生ませるため結婚。
しかし暴君で息子の嫁にささいなことで腹を立て妊娠中の嫁を叩きのめし、胎児を殺し、またそれに怒った未来の跡取りでもある息子と口論の末、撲殺してしまう。


<第4章  ゾフィア・ドロテア>
ハノ-ヴァ-選皇侯兼イングランド王ジョ-ジ一世の妻。
名ばかりの王女。
冷酷な王により長く幽閉生活を強いられ病死。
死後は公式な葬儀は無用との王の命令で鉛の棺に入れられ城の地下墓地に埋葬。


<第5章   アン・ブ-リン>
イングランド王ヘンリ-八世の二番目の王妃。
エリザベス一世の生母。
王に最初は愛されたが、女児(のちのエリザベス一世)しか生めず、その後流産し、跡継ぎの男児が欲しい王から非道な扱いをされるようになり最期は斬首の刑に処せられる。


わかり易い家系図やその時代に描かれ残っている絵画などもカラ-で載っていたりと
読みやすかった。
知らない事が多い世界史もいっぱいで今回も勉強になりました。


恐ろしいけど、とても面白かった!

★★★★
 
85a10806.jpg発行年月:2010年5月


18人の作家の読書歴などをインタビュ-形式で訊ね、それを1冊にまとめた書。

柳 広司/畠中 恵/道尾秀介/有川 浩/乙一/米澤穂信/
高野秀行/宮田珠己/近藤史恵/宮本昌孝/小地真理子/
貴志祐介/阿部和重/モリ・ノリオ/坂木 司/中村 航/
中島京子/豊島ミホ



それぞれの作家さんへのインタビュ-形式。
「小さいときは、どんな本を読んでいましたか?」で、自分も同じ本を読んでいた!と思うと嬉しくなったり・・・。
ラブコメを書かせたら、一番でしょう!と思っている有川さんが幼少期に読んでいたという
「シ-トン動物記」や「赤毛のアン」「大草原の小さな家」などは、自分も読んでいたので、
おぉ~!!と思いました(^^)


読書歴以外では作家さんが作家を目指して物語を書くようになった経緯は、とても気になっていたので、それらもなかなか興味深く読みました。

米澤穂信さんは、書店員だったそうで、デビュ-作の「氷菓」が出た頃も本屋さんで働いていて自分の本に「カバ-をおつけしますか?」なんて聞いていたそう。

恋愛小説で楽しませてくれる小地真理子さんは、三島由紀夫の本はかなり前から読み続けていて、自決をリアルタイムで体験したときには、かなりショックだったとか。


いろいろな情報が満載の嬉しい本でした(^^)


Web 本の雑誌のHP上で、ほかの作家さんの読書道も読めるようなので
時間のあるときに、またそちらも読んでみよう!


★★★
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