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読んだ本の感想あれこれ。
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61vWeP1u6qL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年10月

彼女の本当の名前とは何か?圧巻の物語世界

ふたつの小説が、フォークナーの「野性の棕櫚」のように、交互に語られていく。
第一の小説「彼女の本当の名前」は、崩壊してしまったあとの、近未来の世界で生き残ったふたりの十代の男女が主人公。少年の名前はオサム、少女は「ギギ」と少年から呼ばれている。彼女は言葉を話すことができないが、その分、感覚が優れている。ふたりは、「アトム」と呼ばれる煙草などの稀少品をほかの食べ物と交換するために、住処にしていたビルの廃墟から、「耕す人」が棲息する冬の山のなかへと分け入っていく。結局、「耕す人」は見つからず、ふたりは遭難するも、猟師の老人に命を助けられる。狩りに出て、食料を自足する生活。しかし、ある日、老人が熊との格闘の末、命を落とす。ふたりはさらに生き延びるために、小集落を訪れるが、ある理由から、都市部へ戻る決意をするが・・・。
 第二の小説「愛についてなお語るべきこと」は、旅先で消息を絶った息子・理を捜すためにタイの地を訪れた小説家・辻村に、一夜を共にした現地の謎の美女、そして彼女の同伴者の日本人カメラマンが絡み、ロード・ノベルのようにして話が進んでいく。しかし、ある日、原因不明のウィルスの猛威により、事態は急転する。
第一の小説は、第二の小説で描かれる世界が「Xデー」を迎えたあとの様子を描いているようにも読める。また、第二の小説で登場する小説家が、その後に描いた小説内小説のようなものとしても読むことができるなど、互いにリンクしています。


                                      (小学館HPより)


全く異なる二つの話が、少しずつリンクしていることに気づく。

1つ目の話は近未来の荒廃した世界を二人で行き抜く少年とギギの話。
少年の名前が「オサム」年齢は15歳くらい。


タイに行ったきり、音信不通の息子「理」を探してタイを訪れた小説家・辻村の話。


リンクしているけれど・・・・「オサム」と「理」は、同一人物ではないでしょう。
年齢からして・・・・。

それでも、少年が体験することと辻村が体験していくことは、どこか似ている。
出会っていく人々も。


表題は、「愛について、なお語るべきこと」だけれど、ストレ-トな恋愛小説ではなく
もっと大きな生きていくことに直結していくような「愛」について語られていたような気がした。

著者の哲学的な考えに基づいた物語のようにも感じた。


現代社会のなかに起きたテロ事件や新型インフルエンザの流行、原発事故などを想像させるようなものも出てきて、今の時代のあとが、ここでの少年とギギの暮らす世界を描いているのか?と考えるとちょっと怖くもなった。

やや難解だけれど、自分なりの解釈をしながら楽しめた作品です。


                                          ★★★★



 

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