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   発行年月:2012年11月

  生涯に1度しか書けなかった家族の物語

  亡き父が遺した日記には娘への愛、家族との不仲、
  そして恋人との魂の交流が記されていた。
  生と死、家族を問い直す入魂の感動作


                          (文藝春秋HPより)



主人公の三國衿子は、離婚して一人暮らし。
文芸誌の出版の仕事をしている。

衿子の父・泰造は衿子がまだ幼いときに他の女性と家庭を持つために出て行った。
その後は母親と二人暮らしをしていたが、母親は現在、認知症を患い施設入所中。

父は新しい家庭を持ち、そちらでも娘が二人。
成人し、それぞれ家庭を持っている。

父はパ-キンソン病を患い手足の自由が利かず、施設入所。
そして亡くなった。

物語は、亡くなった後の葬儀の場面から、父が生前、交流のあった人たちの存在を知り
泰造の知らなかった一面を少しずつ知ることになる。

晩年は病気のため、殆ど話すことはなかった泰造。
しかし、話さなかったけれど、いろいろなことを考え、生きることの情熱も失ってなかったと知る。
娘としては、複雑な心境になるような事実も出てくるけれど、そんな風に生き抜いたのだと知れたのは嬉しいことなのかもしれない。

再婚後の生活のなかで、ほかに大事に想う女性の存在があったり・・・
短歌の会で親交を深めた女性との友情があったり・・・

自分は幼いときに父から捨てられたのだけど、自分のことを最後まで気に掛けてほかの二人の娘より深い愛情を感じていてくれたと知る遺された手紙の文面はジ~ンとした。

短歌を通じて知り合った女性と交わす手紙のなかに詠まれている歌も素敵だった!

そして巻末の著者のことばで、泰造の詠んだ歌は小池さんのお父様が実際に詠んだ歌だそうで
なんだか感動した!

この物語は、小池さんのお父様がモデルなんですかね?


読み応え十分の物語でした!


 

★★★★★

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