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読んだ本の感想あれこれ。
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4171Wr3PN5L__SX230_.jpg    発行年月:2012年10月
 


    「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。
    誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。
    その原因は……
    デビュー作で山本周五郎賞を受賞した実力派作家が「家族」を描く、
    待望の第3作。表題作書き下ろし。


                          (朝日新聞社出版HPより)



表題作ともう一編「キャッチアンドリリ-ス」が収められていました。

表題作のほうは、30歳目前で、一緒に住んでいた男性・向井くんが出て行かれた沙登子が主人公。
イラストを描く仕事をしているが生活は、ギリギリ。
向井くんは、高校時代の同級生で、3年前にバイト先のサンドイッチ屋さんに買い物に来て再会。
それから、沙登子の暮らしが経済的に苦しいのを見かねて一緒に住まわせてもらう形で同居生活がスタ-トした。
向井くんはサラリ-マンで、沙登子へ結婚をほのめかすが、沙登子自身は、その気持ちに
同意できないものがあり・・・・向井くんは出て行ってしまったというところかな?

それから、沙登子のちょっと複雑な家庭環境が語られる。
母親は沙登子が中学生になった頃、出て行った。
父親は浮気を繰り返していて・・・・母親が居なくなってからは父親の姉が母親代わりで育ててくれた。
しかし、伯母のことが煩わしく、20歳で沙登子は家を出て独立。
その後、伯母が亡くなり、弟も家を出た。

伯母の死後、母親の居場所がわかり、再会したのが3年前。
ちょうど、向井くんと暮らし始めた頃というわけですね・・・。

向井くんが家を出てから一人で母親とその再婚相手の暮らす家を訪ねていく沙登子。
母親の再婚相手の男性は気さくで良い感じ。
沙登子の訪問も歓迎してくれて。

母親の家に泊まり、翌日、母親の姉妹たちに一緒に会いに行き、楽しそうな会話のなかで
母親の妹・克子おばさんの言う言葉が印象的だった。
気象予報士の勉強中というおばさん。
クラウドクラスタ-とは、積乱雲のかたまりだそうです。
その下は、突風が吹いたり、豪雨が降ったり・・・・。
沙登子の母親のことを「お姉さんみたいだと思ったよ」と。

自分を捨てて出て行った母親だけど、沙登子は、これからも母親として慕い続けていけそうだな~。
再会出来てよかった。よかった。
向井くんとの関係がちょっと気になるけど・・・・


二編目は、両親が離婚した二人の小学生の話を交互に語る。
同じ塾に通い、マンションが向かい同士。
お互いの境遇が似ていることで、気持ちを共有したり・・・。
こどもって案外冷静な目で見てるものだな。
それぞれにこの先、楽しいことが沢山待っている人生を送れたらいいな・・・。


ササッと読めた作品二編でしたが
それぞれ、良かった!


                                       ★★★★
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