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Kiss.jpg発行年月:2010年9月


唇を重ねると、千の言葉が渦巻いた。そこに嘘はなかった。名手にしか描けない恋と愛、そして人生。

そのとき、感じた。一糸まとわぬ男を、彼の秘めていたものを。決して若くはなかった。この先のことなど、なにもわからず、なにひとつ決まっていなかった。でも、どんな交歓より、つながり合え、どんな未来より、身をまかせられた。甘く、とろけるばかりでない深みと味わい。あられもない、男と女の交わりと営みを描く九つの恋愛短篇。

                                             (新潮社HPより)

この表紙がいい。
明るいだけの恋じゃない、何か重いものを背負った恋人たちの物語を読む前から予感させてくれた。

9つの恋愛。
それもそれぞれ、そこに登場する恋人たちが愛おしくなるかんじだった。
切ない恋や悲しい結末を迎える恋もあったけど・・・それが不幸かなんて断定出来ない。
第三者には理解出来ない、幸福の瞬間があったのだろう。


どれも印象深いけど・・・
特に好きなのは「猫壷」かな?
今、付き合っている女性の前に付き合っていた女性・佳奈から急に呼び出される・慎二。
二人が一緒に暮らしていたときに飼っていた猫の遺骨をしばらく預かって欲しいというお願いで、それを受け入れる慎二。
猫の骨壷を部屋に置いた環境が慎二にいろいろな思いを抱かせていく話。

女性が語る話が多いなかで、この話は男性の慎二が語る。
そんな事もあって、印象に強く残っているのかも。


ラストの「オンブラ・マイ・フ」も好き。
不倫関係にありながら心中した男女の女性・多美子が死んでいる身で生きてきた34年間を繰り返し繰り返し見つめなおす旅を続けているという話。
でも最後は、安らかな眠りにおちていくようで、ホッとした。

過ちだらけだと第三者は言うでしょうけど、多美子自身も苦しんだのだし赦してあげてもいいんじゃないかな?と思って読んでいたので・・・。


多くの経験を積んだ大人だからこそ書ける恋愛小説でしょうね。

Kissという表題も意味が深いかも。

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