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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年6月

"結婚式を変えた女たち 生い立ちも性格も体つきも対照的な女子高の同級生、玖美と窓子。花嫁衣装に魅せられた二人の夢は、太平洋戦争が終わったらファッション関係の仕事に携わること。しかし、やっと訪れた戦後の日本社会には、女性が働くことへの偏見、封建的な因習がはびこっていた……。 世界中の女性に愛されるウエディングドレスを制作し、国際的なファッションデザイナーとして活躍する佐倉玖美。草分け的な婚礼貸衣装業を展開し、結婚式のひとつのスタイルを築いた服飾研究家の田代窓子。戦中から戦後の高度成長期。東京、京都、姫路、パリそして大阪を舞台に、この国にブライダルビジネスを根付かせた奇跡の歩み。二人の少女の「夢」と「自立」をめぐるレジスタンスを鮮やかに描くビルドゥングスロマン。"

                    (幻冬舎HPより)




田代窓子は、和装の世界を生き、やがて花嫁の婚礼衣装の貸し出し業を展開。
佐倉玖美は、母親と洋裁学校設立、その後パリに渡りファッションを学び国際的な
ブライダルファッションデザイナーになる。


佐倉玖美は、桂由美さんかな?と想像しながら読みました。
やはり予想通りだったみたい。

着物の貸衣装業を展開したのは実際は誰でしょう?


でも女学校の友人がそれぞれ別の土地で、和装、洋装と違うものに関わりながら
それぞれが花嫁衣裳に行きついたのは、素敵。
今は多くの人が利用する貸衣装。
洋装も和装もどちらも結婚式で着るのは珍しくない時代。
こんな人たちの苦労があって、今の結婚式の衣装はわたしたちに提供されるように
なったんだなぁ~。


二人が思い出話形式で語る物語。
ラスト、ウエディングドレスで1人居た女性の登場も物語をうまく締めていたかんじ。



                          ★★★
 
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発行年月:2015年10月

森のイスキア・佐藤初女さんとの15年にわたる交流の中で、田口ランディさんが体験した「気づき」と「変化」とは--。「自分」という檻から解放されていく魂の軌跡。感涙のエッセイ。2014年11月に行われた佐藤初女さんと田口ランディさんの対談「深き森の語らい」も収録。

                  (中央公論新社HPより




青森県弘前市の岩木山の麓にある小さな三角屋根の家。
そこに佐藤初女さんという優しいおかあさんがいて、お料理をつくって
食べさせてくれる。
心に苦しみを抱えた人が訪れる。

初女さんは、特別なことはしないという。
丁寧につくった食事を食べて貰い、相手の話をただ静かに聞くのだと。
話を聞きながら特にアドバイスのようなものはしないのだと。
解決する力は本人が持っていると信じているから・・・。


初女さんの物の考え方は共感したり、「なるほど~」と気づかされたり
巻末のランディさんとの対談は素晴らしい。


初女さんが素晴らしい人であることがよくわかった。
そして、ランディさんの生い立ちに驚いた!
家族のことを語っていたが、なかなか壮絶で息を飲んだ。
淡々と過ぎたことだと言う風に書いていたけれど。
読みながらかなりショックを受けた。


ランディさんの本はこれからも読み続けるし、過去の未読の本も順番に
読んでいこうと思う。

そして初女さんの数多くある著書も読みたい!

調べたら・・・・なんと今年の2月1日に94歳で逝去されていたことを知り
これまたビックリ!
ご冥福をお祈り致します。


素敵な本でした!


                       ★★★★★



発行年月:2016年2月

奇想天外なユーモアあふれ、不思議な幻想の世界も描く。また知性と少女性をもあわせもつ児童文学作家、高 楼方子の珠玉のエッセイ。旅先で、日々の暮らしで、本や映画のなかで出会った印象深い〈おばあさん〉たちを拠りどころに、遠い日の光景や様々な思いをユ ニークな視点で綴る。深く心に沁み入る話から、思わず笑える話まで、多彩な短編集を読むようなおもしろさ。出てくる本や映画は、ぜひとも読んだり見たりしたくなる、世界が広がるエッセイ集です。偕成社ホームページで2012年から2年にわたり連載したものの単行本化。

                  (偕成社HPより



高楼さんのいままで出会った老嬢さんの物語。
ポルトガルやイタリアで出会った、おばあさんたちもチャーミングだったなぁ~。

ナポリの杖を左右に振りながら交通量の多い道路を横断する、おばあさん。
オレンジの木の下でオレンジ売りをする、おばあさん。

また映画や本のなかの印象深い、おばあさんたちの話も面白かった!

いじわるばあさんが好きというのも共感。
またその絵が本当に長谷川町子さんの絵に似ていて、ビックリ!

「夕映えの道」は本と映画、両方、知らなかったので、本を読んで映画も
見てみたい!!と強く思ったのでメモ!


そして、おばあさんの絵がどれも可愛い(#^.^#)

愛される可愛いおばあさんになりたいなぁ~と思える本でした。



                      ★★★★
 



発行年月:2015年11月


 奈良時代、二度も皇位についた偉大な女帝がいた。著者渾身の本格歴史小説。

「女に天皇は務まらない」と言われながら、民のため、国のため、平和の世のために生きた孝謙称徳帝。遣唐使を派遣し、仲麻呂ら逆臣の内乱を鎮め、道鏡を引き立て、隼人を傍に置いた。一人の人間として、女性としての人生も求めた女帝の真の姿とは。突然の死と秘められた愛の謎を和気広虫ら女官たちが解き明かす、感動の歴史大作。

                  (新潮社HPより)





物語は、女帝・孝謙称徳が崩御するところから始まる。
崩御の前、気がかりだったのは、かつて信頼していた女官・広虫のこと。

女帝のあとの帝は誰にするか?の後継者問題に巻き込まれての流罪。
弟の清麻呂もまた同じ罪を追う。

崩御後、都に戻ることが赦された姉と弟。
広虫は、都に自分と弟と同じような、姉・澪と弟・日麻呂も共に都に連れていく。


女帝を最期まで側で仕えた女官の由利とも再会した広虫は、由利から女帝の
最期の話を聞く。
そこには、自分が知らない女帝の苦悩があったと知る。



権力争いって昔は、命懸けだったんですね~。
怖い怖い。

しかし、この時代の話は、よく知らないことばかり。
でも、やはり藤原氏の力は絶大だったんだぁ~と改めて知りましたが。

読み応えあり面白かった!



                       ★★★★




発行年月:2015年10月


 未来への光と希望に満ちた、少年リクの勇気と成長の物語

宇都宮から福島へ転校した小学校5年生の少年リク。引っ越した町には、人影がなかった。道路にも、校庭にも誰もいない。外で遊びたい。思いっきり自転車でかっ飛ばしたい。そんなリクが白の王国で出会ったのは、リクを対等な人間として扱ってくれる優しい大人たち、山で生きる野生の動物、そして……

                  (キノブックスHPより)



3.11後に医師の父と福島県に引っ越した10歳の佐藤陸。
横浜の叔母さんは陸まで引っ越すことに反対した。
「わざわざ死ににいくようなものよ」と。


転校先では歓迎され、担任の岩本先生も優しくて良い先生。
最初に手渡されたのが線量バッジ。放射線の線量を常時チェックする。

子ども達は明るくしている。
大人たちが怒っていて、愚痴っているのをみて。
自分たちが明るく振る舞わい怒りを鎮めようと無意識に感じている。
だから、実際、とても疲れる。


ひとつひとつの文章が、胸にささる。
福島で暮らす人たちの心のなかに抱えたものが伝わってくるようで・・・・。


そして、冬休み、リクは北海道への5泊6日の自然体験ツアーに参加する。
リクが最年長で4年生、3年生、2年生、1年生と各一人ずつ。
北海道では、大村さんという家で皆がホームスティ。

大村家にはおじさん、おばさんの他、司法試験を受けるため勉強中の洋一がいる。
大村家の人たちがとても温かい。
他の北海道の人たちの接し方にもリクは居心地の良さを感じる。

未来が不安とか放射能が怖いとか一言も言わず、子どもたちに同情もとくになく
がんばれも言わない。対等に扱ってくれるのがうれしい。


そして、北海道の山のなかで、自然の動物たちを見る。
夜、夢の中に知らない男の子が出てきてとても楽しく遊ぶ。
男の子と一緒に不思議な生き物がいる。「トンチ」というらしい。


リクが色々なことを経験しながら、成長していく姿がいい。
ファンタジックな部分もすてき。

福島の話って知っていて読んだけれど、今まで読んだその類の本とは違う。
特に何かを教えるものではなく、福島という地で暮らしている人たちの
ことを遠くから応援したくなる物語。


子どもにも読みやすい本だと思います。
多くの人に読んでほしいな。
                         

                         ★★★★★


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