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読んだ本の感想あれこれ。
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f3a5415b.jpg   発行年月:2011年5月

  あなたの見ている現実は、本当にその通りのものですか?


  1987年10月。江上紗子はこの路地で消えた。
  あの日少女に何があったのか。
  拉致か、神隠しか、それともアブダクションか。
  UFO伝説の残る北陸の小さな町を舞台に過去と未来、
  現実と非現実が交錯する最高傑作長編!


                                        (角川書店HPより)


よくわからないものが続々登場で、なんだかすごく不安な気持ちになりながら読みました。
女子中学生の神隠し事件、UFO目撃、コックリさん、キツネ憑き、幽体離脱、宇宙人による連れ去り体験・・・・など自分が体験したことがないものがてんこ盛り。
この物語は、どこに向かっているのだろ???

でも、話の展開は面白い(笑えるものではないけれど・・・・)ので、惹き込まれて読みました。

舞台は能登半島のとある田舎町。
そこで、少女がある日、姿を消す。
両親は捜索願のビラをあちらこちらに貼り捜索もされるが、一向に手がかり無く年月が過ぎていく。

そこで育った高木は、「マアジナル社」で発行する月刊誌「マアジナル」の編集に関わる。

その会社は、まさにマ-ジナルな領域のテ-マを扱うオカルト系の出版社。

そういう類のものには、全く興味がなかった高木だが、地元で以前、女子中学生が失踪。
その少女とは、知り合いだった。
彼女を含めた近所の友達6人である日、UFOを見に行っている。
再び、過去のことになっていたことを編集者として調査し始める。

物語は17年前の過去に戻り、その日一緒に行動したメンバ-のことが綴られる。
そして、再び現在に・・・と話が交錯しながら進んでいく。

そういえば、自分が小中学生の頃にもUFOとか超能力とかよくわからない世界のことがテレビでも放送されていたなぁ~。
ホント?うそでしょ?と両方の気持ちが代わる代わる起きたりして・・・。


自分が体験しないことは簡単に信じられないけど、全部嘘とは言い切れない。
わけがわからないけれど、なんとなくそれを体験した人の言葉は信じられるかも?

物語の最後は、モヤモヤしていたいろいろなわからないことが、わからないなりに安心出来る結末になって、ホッとした。

これは好き嫌いが分かれるかも?
わたしは、結構、こういうの好きですが・・・。


                                        ★★★★


 
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51-o9VRV37L__SX230_.jpg   発行年月:2010年3月


   創薬化学を専攻する大学院生・研人のもとに
   死んだ父からのメールが届く。
   傭兵・イエーガーは不治の病を患う息子のために、
   コンゴ潜入の任務を引き受ける。
   二人の人生が交錯するとき、驚愕の真実が明らかになる-----。


                             (角川書店HPより)


凄いスケ-ルの大きな物語だった!
ハリウッド映画の原作を読んでいるような気分にもなった。

日本の薬学を研究する大学院生の古賀健人の話とアフリカのコンゴでの極秘作戦に参加するジョナサン・イエ-ガ-との話が交互に語られながら話は進む。

健人は、突然亡くなった父から生前、送ったであろうメ-ルを受け取る。
それには、不治の病である肺胞上皮細胞硬化症の特効薬を作ることを引き受けて欲しいと。
研究者としての使命のようなものを感じ、それに没頭する健人。
しかし、背後にはそれを阻止しようとする大きな力もあり、自らも危険な状況に置かれる。

イエ-ガ-は、特殊部隊出身で難病に苦しむ息子のために膨大な治療費確保が目的で極秘任務に加わった。
当初目的がはっきりしなかった作戦だが、新種のウイルスに感染した少数民族集団とアメリカ人の人類学者、そして「ヌ-ス」と名づけられた3歳時の抹殺が課せられた目的だとわかる。


交互に語られる物語も面白いけど、それらが繋がっていく終盤も良かった。

自分たちと違うものは脅威だと徹底的に力で排除しようとする人間の恐ろしさも描いていた。
わたしがよく知らない残酷なことがそういった心理で沢山、起こっている事実にも気づかされた。
かなり残酷な描写も出てくるけど、事実、大量虐殺(ジェノサイド)はいろいろなところ(他国間での戦争だったり、同じ国内での内戦だったり)で行われていた。
まだ今もニュ-スで報道されないだけで実際に起きているんだろうか?


表題はジェノサイドだけど、人間の持つ、他者を理解しようとする心理の方が平和をもたらすという救いのある終わりになっていたのは良かった。

実際の社会でも、他者を理解しようと歩みよる知恵を全世界のリ-ダ-たちが率先して欲しい。
ここではアメリカのイラク侵攻とかを非難するような著者の考え方がチラチラ頭を掠めたけれど・・・・
それもちょっと引っかかってしまった。
確かにそう思うけど、なんだろう?このモヤモヤ感は?
アメリカ人の作家がこれを書いているのなら(ハリウッド映画とか)、おぉ~と感動するんだろうけど日本人が他国のことを批判するような考えの言葉には・・・・・・・。



でも、いろいろと考えさせられる物語だった。


それから・・・・理系の専門的用語の多い箇所は眠くなってしまった(汗)
これだけの専門的な用語やらを羅列されると、それを理解しようと文字を追うことに神経を遣い物語りの面白さが削がれてしまったのが残念。

主人は先に読んで「実に面白い!」と大絶賛でしたが
確かに凄い話であるけれど・・・・・人に薦めるほどの熱い感動はなかったのが事実。


高評価の作品であるということは読んで、なるほど!と納得は出来たけど・・・
この辺は個人の好みの問題かも?
よって★ちょいと少なめです・・・・・スミマセン



★★
 
 
 
22e0cb88.jpg発行年月:2011年1月


夜の海で釣り上げた、貝のむき身みたいなもの。突起をそっと吸ってみると、とろりと甘い。

タイ訪問を機に執筆され、選考委員に絶賛された川端賞受賞作「トモスイ」ほか、アジア十カ国との交流から生まれた十篇を収める。台湾の小さな島から上海の路地裏へ、そしてモンゴルの荒野、インドネシアの密林まで。それぞれの土地に息づく瑞々しい匂いとやるせない思いを吸い込み、記憶の中の熱をはこぶ、アジアの物語たち。

                                             (新潮社HPより)


10篇の短編からなる本ですが、どの話も不思議なかんじでした。

最初の話は表題作の「トモスイ」。
なんのことだろ?トモスイって?
と先ずは興味を持ったのですが・・・ナンなんでしょう?

主人公の女性が、ユヒラさんと一緒に夜釣りに出る。
そして、トモスイなる物を食す話。
ユヒラさんと主人公の関係も不可解。
恋人というわけではなさそうだけど・・・・

そしてトモスイは、突起物と穴を持つ、魚類?
なんとも怪しい生き物。
その生き物を怪しい関係の主人公とユヒラさんが食す様子は、ホラ-っぽくて官能的。


短編集の最初からかなりのインパクト!!
そして、ほかの話も結構、奇妙だった。
舞台は日本に留まらず、アジア諸国を巡る。

著者がそれらの地を旅しながら書いたらしいけど、作家って凄いな。
こんな話が国が変われば、全然違う雰囲気で書けちゃうんだから。


どれも良かったけど、5編めの「唐辛子姉妹」が面白かった。
文字通り、唐辛子の姉妹が主人公。
絵本にでもしたら、面白いかも・・・・なんてちょっと思ったけど、一部ちょっと大人じゃないとわからない表現あったので、絵本にすると子どもには適さないか?^^;
唐辛子が赤くなる秘密が書かれていたわけだけど・・・・笑っちゃいました。

成長して、韓国レストランで客に食べられて終わるのだけど、最後の一行も好きでした♪


いろいろな思考で読めるお得な短編集でした!

★★★★★
 
0a9fcd1a.jpg発行年月:2010年11月


世界でもっとも美しい愛と命の物語。
ぜったいに忘れないこと、それが運命への復讐。
講談社創業100周年記念出版

一緒に暮らそう、一生に1度の気持ちでそう誓い合った翌日、惨劇が襲った。日本中を悲しみで震撼させたバス転落事故に巻き込まれた男と女。……なにがなんでも、あの人に会いたい。強い気持ちで待ちつづけた時、信じられないような奇跡がおこる。
切ない気持ちの輝き、強い願いの果て、空と山がまじわる場所での感動の再会。


                                            (講談社HPより)

40年ほど前に実際に起きたバス転落事故が元になったお話だそうです。
物語は、バス事故のあった飛騨川周辺が舞台になっていて、そこに向かう主人公の女性・辰子の様子が描かれる。
家には夫がいるけど、会いに行く相手は、こちらも妻子がいる男性・芳ちゃん。

二人がある宿で会い、二人だけの時間を楽しむ。

途中まではよくあるダブル不倫の話。
でも・・・段々とこの男女の行く末がわかる。

二人は別れる。
そこには、男性が家族と共に巻き込まれた事故がある。

辰子は、芳ちゃんを思い続けて生きる。
が・・・夫との間には息子も誕生して・・・・


一人の人を思い続けて、その最期に再び会えたら、幸せでしょうね。
それが夫とは違う人というのが、ちょっと男性が読んだら気分悪いでしょうけど・・・笑

なかなかロマンチックな恋愛物語でした。

★★★

 
45fc5fb7.jpg発行年月:2009年11月


高校に入学したばかりの沙織はクラスメイトに「未来から来た」と告白される。
イケてなかった青春をやり直すのだ、と……。

せつなくもきらきら輝く、青春小説の大傑作!



                        (幻冬舎HPより)

27歳の未来から高校生活をやり直すために来たという孝子。
その告白を受けた友人の沙織。

27歳の孝子は無職。どこでこうなっちゃったんだろ?と思い高校生活がいけなかったんだ。
高校生からやり直したいと強く念じて戻ったと。
過去の高校生活での記憶があり、後悔したことをそうならないように別の行動をしてみたりする。
でも、戻った高校時代は、以前体験した時と全く同じわけでもなく・・・。

なんだか面白い話でした。

孝子から衝撃の告白を受ける沙織の気持ちの描写が面白かった。

父親が医者で将来、自分も医者になろうかという村山くんのお父さんの職場に同級生たちと職場見学に行った場面での孝子の発言は、高校生の発言でなく27歳の孝子の言葉だった。
やや乱暴な発言に対して村山くんのお父さんが言った言葉は、人生をやり直そうと思っている孝子には、ガツンと来た言葉だったかも。

そして、そんなやりとりを孝子の秘密をしる沙織が客観的に見ている場面が印象的だった。



孝子が再び27歳の世界に戻るのか?と予測しながら読んでいたので、最後もまだまだ高校生としての生活が続いていくだろうラストは、やや意外だったけど、面白かったから、まあ、いいか?^^;


27歳の孝子と同じく27歳の沙織や村山くん、大海くんの姿もちょっと知りたかったけどな~。


豊島さん、只今、休筆中だとか。
休養して、また新しい作品、読ませて欲しいです!

それまで、未読の過去作品をいろいろ楽しんで待つとしよう。


★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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