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読んだ本の感想あれこれ。
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41b5e556.jpg発行年月:1997年1月


遊牧民のように京都に漂着し、留学生活を始めた僕は、対面朗読というボランティアを通じて、美しい盲目の女性・京子に出会い、恋に…。格調高くうたう官能的恋愛小説。第20回すばる文学賞受賞作。


                         (集英社HPより)


著者のプロフィ-ル
1962年、スイス、ジュネ-ブ生まれ。
ジュネ-ブ大学中退、同志社大学文学部卒。
1998年、テレビ朝日退社後、執筆活動に専念。


文章が綺麗。
読みやすく、外国の方が書いたとは思えないほど。

物語は、スイス人留学生が京都で大学生活(日本文学を専攻)を送るなかで、出会った盲目の女性・京子との恋愛を描いている。
かなり官能的な箇所はあるけれど、いやらしさはなく自然。

最後は、ちょっと切ないけれど、その途中にある二人の会話などは微笑ましく素敵。

京都というある意味特殊な環境で暮らす外国人が感じる戸惑いなどが随所に出て来て、なるほどそういう風に感じるんだ~なんて興味深かった。

そのひとつ・・・外国人を見つけると、わけのわからない英語(ヤンキ-・モンキ-・ト-ク)で話す日本人にはうんざりは、著者本人が感じていることかな?


盲目の京子との付き合いは、そういう戸惑いを感じさせない物だったけど、それは京子が盲目だったからかな?
性格的なものの方が大きい気がするけど・・・。


ほかにも幾つか出版されているようなので、ほかのものも読んでみようかな?

★★★
PR
f42fc33c.jpg発行年月:2006年4月

なんにもない田舎で暮らす小学生センリ。
でも気になることは山ほどある。
クラスメイトとの微妙な距離感、となり町での発見、
垣間みるオトナの事情・・・・。
“明るい子ども”でいるため、言葉にできなかった7つの思い。

『檸檬のころ』で注目を集めた24歳の新鋭が、
新しい発見に満ちた日々とほろ苦い成長の過程を細やかに掬い上げる。

        
                                  (本の帯文より)

小学生・センリを一年生から六年生まで7つの物語で綴っていく。

最初の「入道雲が消えないように」では一年生の夏休みの出来事。
従兄弟の家族が泊まりで来る夏休みが待ち遠しいセンリ。
6年生の洸兄が好きなセンリ。
優しくて頼もしくて・・・・。
体の弱い妹・チエミのお守は、洸兄の姉・マリが相手をしてくれる。
その間だけは、チエミを置いて遊びに行ける。

でも、従兄弟の家族が帰れば、また姉としてチエミを思いやるセンリ。

自分にも弟がいるから、センリの気持ちがよく理解できた。
下に弟や妹がいる人だったら、共感できる気持ちがよく描かれていました(^^)

その後の物語も順番に学年が1つずつ上がっての物語。

登下校途中にあるビニ-ルシ-トの下の正体はナンだろ?と当時の事件と関連付けて怖がったり、昆虫にちょっと残酷な事をする男の子がいたり、虐められっこについて考えたり、仲良くなった女の子について他の子から「あの子は嘘つきだから・・・」と言われたり・・・・担任の先生がちょっといいなと思ったり、気になる男の子がクラスに出来たり・・・

自分の小学生時代にも似たような事あったなぁ~なんてついつい思い出してみた。

表題作「夜の朝顔」は、一番最後でセンリが小学6年生の話。
気になる男の子との微笑ましい、ちょっと切ないようなお話で一番、好きだな~。


豊島さんの物語、久しぶりに読んだけど、やはりいいな。
若い人に人気があるのは納得だけど、わたしぐらいの年代の人は若かった頃を思い出せて
また違う楽しみ方が出来ると思う!

最新作は図書館にて予約中♪
早く読みたいな~。


★★★★


f84aa605.jpg発行年月:2009年10月


前代未聞、救急車がジャックされた。車内の様子がすべて無線で傍受され、ネットにアップされる中、救急車はタイムリミットを目指して走り出した…。ノンストップ・タイムリミット・サスペンス。

      
                  
(双葉社HPより)


救急車で患者を搬送する救急隊員の話でしたが、単なるお仕事の話でなく、ジャックされるという展開には驚きました。

犯人は何の為?は大抵予測付きましたが、こういう犯行に及ぶのは許せないな。
わたし自身、以前、看護師として病院にも勤務していたということもあるけど、救急隊員の人たちの仕事って、ホント大変!

マスコミでも患者の搬送先がなかなか見つからず・・・とか、救急車を要請する患者側のモラルが低下しているとか、日本の救急医療システムの問題点が取り上げられているけど、こういう小説という形で、実態が描かれるとリアル。

ジャクされた救急車に乗っていた隊員たち3人が格好いい。
隊長の筒井。運転の生田。女性隊員の森。
チ-ムワ-クが素晴らしい!

この著者、最初、男性かと思いましたが、女性なのね・・・^^;
よく見たら著者名ロ-マ字で TACHIMORI MEGUMI とあったし、後ろのプロフィ-ルには女子大出身とありました。

この作品の前には、警官ものを書いてる様子。
そちらも読んでみたいな。

★★★


          

1d0419f7.jpg発行年月:2004年9月


昭和30年、まだ日本が貧しかった時代、しかし、季節の手ざわりや家族のつながり、そして生や死を身近に感じながら子供が子供らしく成長できた時代-----失われた時代の命の豊かさを、魅力あふれた少女の目で描いた感動的な小説

大人子供も楽しめる日本版『赤毛のアン』

                   
(本の帯文より)

図書館の棚を眺めていて、「そうそう、これ読みたかったんだ!」と借りて来ました。

小学校中学年くらいなら読めるかな?
簡単な漢字以外は、ルビが付いています。

9歳の新子の周りの出来事が綴られた物語で、妹の光子、両親と祖父母の家族の様子、友だちのシゲルにタツヨシ、貴伊子などの付き合いが楽しく、また時には切なく・・・
昭和30年は自分が生まれた年以前ですが、自分の子供時代を思い出すような物もあったりして懐かしく読みました。

祖父の小太郎との関わり方が特にステキで、藤蔓で作ってくれたハンモックに気持ちよく揺られるのは想像しただけでステキな場面。

新子は正義感が強く、理不尽な目に合った友だちがいるとすぐに「カタキウチに行こう!」と、相手が大人であろうが、勇ましく向かっていく。
一方で、不良と言われる八郎と勝男に新家から預かったお酒を持ち帰る際に、奪い取られてしまったときは、家の人に本当の事を言わず、叱られるのに自分のせいで無くしたと二人を庇う。
これ以上、悪さをしたと知れたら、再び施設送りにされてしまうのが可哀相と思ったから。
なんて、優しい。健気。

そんな出来事がいろいろ。

今の時代の子供たちもこんな気持ちが理解出来るかな?


先日、この本がアニメで映画化されることを偶然、知りました。
なんだかあまりのタイミングの良さにビックリ!


映画は「マイマイ新子と千年の魔法」というそうです。

見てみたいな~。

★★★★

6dd7e198.jpeg 
発行年月:2008年4月

師匠・立川談志も元を訪れたのは17歳のとき。
内弟子は取らないという師匠の言葉で、高校を中退し、住み込みの新聞配達をしながらの前座修業の日々を過ごす。

立川談春が31歳で真打になるまでの話を綴った自伝。




随分、前から話題にはなっていた本書ですが、落語に全く、興味のないわたしは、なんとなくやり過ごしていました。
最近になり、主人が図書館で借りて(結構、順番は待ったのかな?)読んだ後、「おもしろい!!落語が聞きたくなった!」と言っていたので、どれどれ、折角、手元にあるのなら読んでみようかな?と軽い気持ちで読みました。

これが最初から面白い!
話の運び方が上手い!どんどん引き込まれてゆくかんじ。

幼い頃は、父親に付いて競艇場に通うのが好きだった。そして競艇選手になろうと決めたが挫折。
身長が規定(170cm以下)より伸びてしまったから・・・・。
そして、漫才ブ-ムの真っ只中であり、流行を無視するほどの根性もないので、少しひねくれて誰も目もくれなかった落語全集を図書室で読んでみたら面白かったと。
友達は、漫才には興味があっても、落語には興味を示さず、自分ひとりで盛り上がれるところも嬉しくて、どんどんその世界に興味をもってゆく様は他とは違う。
そして、寄席に落語を見に行き、そこで談志師匠の落語を始めてみて、他の人とはオ-ラが違うと感じ取る感性。

落語家は全然、詳しくないわたしでも談志師匠ならすぐ顔が浮かぶ。
毒舌で変わり者のイメ-ジしかないけれど・・・・。

実際、師匠を訪ね、弟子にして欲しい頼み、修行生活がスタ-トするのだが、その最初のやり取りも可笑しい。
内弟子は取らない、他人が家に入り込む生活はイヤだから・・・
新聞配達しながら?・・・売れたら美談になるし、売れなくても縄のれんで一杯やるときのグチのネタになる
なんて、17歳で高校を辞めてまで落語家を目指している若者に言っちゃうなんて、ビックリ。

その後も突然、魚河岸で1年間、修行して来いと言ったり、ハチャメチャなのですが、師匠を信じて従う談春。すごいなぁ~えらいなぁ~根性あるよね~と感心。


めでたく真打になるまでの出来事のなかに、落語界の逸話も混ざって、落語を知ってる人ならより楽しめる内容でしょう。
全く、落語を知らないわたしでも十分に面白かったですから。

わたしも落語、聞きたくなりました。

★★★
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