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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年8月


播州高砂の漁師から身を起こし、豪胆な船乗りとして名を揚げ、時代を先取りする海商となった松右衛門。やがて千石船の弱点だった帆の改良に自ら取り組み、苦難の末に画期的な「松右衛門帆」を完成させて、江戸海運に一大革命をもたらすこととなる。あの高田屋嘉兵衛が憧れた、知られざる快男児を活写する長編歴史小説。
目次
第一章 金比羅船 播州高砂浦の巻
第二章 唐船 兵庫津の巻
第三章 千石船 浪華の巻
第四章 北前船 越後出雲崎の巻
第五章 異国船 恵土呂府の巻
第六章 蒸気船 鞆ノ浦の巻

                   (新潮社HPより)



名前は知らなかったけれど、凄い人だな。
ふつうの漁師から大きな船の船頭になるだけでも凄いと思うのに
どんどんと上を目指していく。

船をいかに早く正確に進めるかを考えて帆の改良に成功し、冬には無理だった
航海を成し遂げ北海道の先の地まで船を走らせ荷を運ぶ。


そんな男・松右衛門を支えた女たちも皆、魅力的だった。

最初の章では、まだ少年の松右衛門で牛頭丸と呼ばれていた。
体が大きく力持ちで、優しい。
蔵元の娘・千鳥との初恋。

その後船乗りになり湯屋で知り合った女中の小浪。
浪華(大阪)で知り合った鍛冶屋の娘・津弥(一回り以上年下)とは夫婦に。
そして越後出雲埼で知り合った八知とは仕事仲間に。


小浪、津弥、八知は、松右衛門を助けるためのチームみたいな関係だった。


帆に使われた布は、今もバッグなどになって残っている。
帆布のバッグは色々あるけど、ここが元祖なんだぁ~!

すごいな。こういう発明みたいなこともやって、大掛かりな港を造ることにも
尽力して、幕府から工楽(くらく)の姓を貰うのも納得!


知られていない(わたしが無知なだけ?)人の偉業を知れて
楽しかった!



                     ★★★★

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発行年月:2021年4月


都会の白兎は何を食って生きているのか?
オオカミ県出身の俺は、ネットの書きこみに「オオカミ県の奴らはステーキを食うから田舎者だ」という悪口を見つけ、気になって東京に出てきた。俺の目に映った兎たちの姿とは? オオカミ県で起きるある事件とは? 苦みのきいたユーモアで現代社会を諷刺し、不思議さ、可笑しさ、不気味さをはらんで展開する物語を、美しく細密な銅版画絵で彩った、初の多和田葉子書き下ろし絵本。

                   (論創社HPより)



現在の日本のことを皮肉っているかんじで面白かった。

東京では、色々な動物が自分は兎と偽っていないと住めない。
昔は新聞でニュースをチェックしていたのに、今ではみんな「風の噂」と
いうウェブサイトでしかニュースをチェックしないので
どれが本当のことかわからない。


お偉いさんのいうことに犬みたいに尻尾を振っているわけにはいかない。
とオオカミ県出身の俺は思う。



うんうん、なるほどね。



これは大人の絵本ですね。

絵も凄く素敵。
銅版画家の溝上さんのほかの作品をもっともっとみてみたい!
絵本として、最高級!



                         ★★★★★


発行年月:2020年5月


世界文学の旗手が紡ぎだす
国境を越えた物語(サーガ)の新展開!

失われた国の言葉を探して
地球を旅する仲間が出会ったものは――?

【本書の登場人物たち】

Hiruko ヨーロッパ留学中に「母国の島国」が消滅してしまった女性。同じ母語を話す人間を探して世界を旅する。

クヌート デンマークに住む言語学者の卵。Hirukoと出会い、彼女の旅に同行する。

アカッシュ ドイツに留学中のインド人男性。女性として生きるため、赤いサリーを身にまとう。

ナヌーク グリーンランド出身のエスキモー。語学の才能豊かで、日本人を演じていた。

ノラ 博物館に勤めるドイツ人女性。行き倒れていたナヌークを救う。

Susanoo 福井で生まれた日本人。ある時から歳を取らなくなり、言葉を喪失する病気になった……?

Hirukoがつくり出した独自の言語、〈パンスカ〉が見知らぬ人々を結びつける。
分断を超えた希望を描く、全米図書賞作家の新たな代表作。

                  (講談社HPより)


「地球にちりばめられて」の続編。


HiyukoとクヌートがHirukoと同じ言語を喋るというSusanooを訪ねる。
が、かれは喋らない。
そこで失語症の研究をしている医師ベルマーの元へ連れて行く。

冒頭の不思議な会話をしているのは、ベルマーの元で働くムンンとヴィタ。
最初、読んだときは、なんだろ?この二人?とわからなかったけど
終盤、登場人物たちが全員集合した場面で、ムンンが語る場面が愉快だった。

それぞれを観察して語る感想が、巧い!


さて、全員で旅に出るらしいラスト。

Hirukoのなくなった国を見つけられるかもしれない?

でも表紙の絵のように、それは地球じゃなくて、別のところ?

早く続きが読みたい!
物語の結末が気になる~♪


                    ★★★★


発行年月:2020年3月

最注目ミステリー作家が挑む、究極の頭脳戦
正確な鑑定のためにはあらゆる手を尽くす――日本有数の精神鑑定医・影山司の助手に志願した新人医師・弓削凛は、犯罪者の心の闇に対峙していく。究極の頭脳戦の果てに、影山が見据える未来とは。そして凛が精神鑑定を学ばねばならない理由とは……。
第一話「闇を覗く」 歌舞伎町無差別通り魔事件の犯人・白松京介。重度の統合失調症と診断された彼は、本鑑定を受けるため影山たちの病院に移送された。
第二話「母の罪」 横溝美里は生後五ヶ月の娘を抱き、マンションから飛び降りた。重い抑うつ症状が見られた美里は、面談で「悪魔が娘を殺せと脅した」と言う。
第三話「傷の証言」 高校中退後、自宅に引きこもっていた沢井一也は、姉を刺し逮捕された。影山たちが鑑定に赴くが、支離滅裂な発言をし恐慌状態に陥ってしまう。
第四話「時の浸蝕」 傷害致死で起訴された小峰博康には、精神疾患の疑いが。簡易鑑定を行った影山は「罪を逃れるための詐病」と証言したが、第二審で思わぬ反撃にあう。
第五話「闇の貌」 同僚を刺殺した桜庭瑠香子。過去にも殺人事件を起こしていた瑠香子だが、解離性同一性障害、すなわち多重人格と診断され不起訴となっていた

                  (小学館HPより)





事件を起こした犯人の精神鑑定に臨む、医師の話。

精神鑑定の第一人者・影山司とその助手として影山とともに
事件に関わった被疑者の鑑定にあたる弓削凛。


色々な事件の被疑者に面会し、その者が抱えている心の闇を追求し
精神鑑定により犯行を起こしたときの精神状況を探る。


なんとも大変な仕事。
多くの経験が必要だろうし、冷静な洞察力も、忍耐力も。


逮捕された犯人がまず30分ほどの簡易鑑定を受け、その後、正式な精神鑑定に
進むを決めるというのは初めて知った。
簡易鑑定って30分?意外と短い時間なんだなと驚く。


お話としては最後の<闇の貌>が一番、面白かった(怖かった)。
多重人格者・桜庭瑠香子の壮絶な生き様。
幼いころから、父親に性的虐待を受けていて、妊娠。
その子どもを産みたいというと腹を蹴られ流産。
そして父親を殺害。

少年審判では同情的に審理は進み、更生施設で2年過ごしたのち、社会復帰。
しかし22歳の時、アルバイト仲間の女性を殺害、そのとき、解離性同一障害の
精神鑑定により不起訴処分に。

31歳では職場の同僚を殺害。


凶悪な事件を起こしても、精神鑑定の結果次第で、不起訴になり、社会復帰して
来る人がいるっていうのが恐ろしい。
しかも、自分の病気を利用して犯行を重ねた瑠香子には恐怖。
殺された人たちは、何も落ち度ないのに・・・



精神鑑定医の仕事がどういうものか、少しわかったけど、精神的ストレスが
凄いかかりそう。
仕事は何らかのストレス受けるものだけど、これは半端ない。
凛のような女性が目指すのは、相当な覚悟が要りそう。

でも、成長していく姿が逞しかった。
できれば、その後の活躍も読みたい。


                       ★★★★


発行年月:2019年11月

ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた――。
離婚して心身ともに打ちひしがれたとき、大切な家族を亡くしたとき、家庭のある男を愛したとき……人生の様々な場面で、猫に寄り添われ救われてきた女性たちを描く、心ふるえる全七編の短編集。

『ミャアがそろそろ旅立ちそうです』実家の猫に死期が近いことを母親から知らされ、私は東京から金沢へ向かうが……/「ミャアの通り道」

離婚で気力を失い、人付き合いがなくなり生活が荒れていった江美。ある冬の日、マンションのベランダに一匹の猫が現れて……/「運河沿いの使わしめ」

離れて暮らす会社員の息子が急死した。一日のほとんどを仏壇の前に座って過ごす富江のもとに、お線香を上げたいと言う若い女性が訪れ……/「陽だまりの中」

軽井沢のフラワーショップに勤める早映子を訪ねてきた男がいた。それは30年以上前に別れ、ずっと会っていなかったかつての恋人だった……/「残秋に満ちゆく」

               (集英社HPより)



猫好きなら涙腺崩壊の物語たち。
特に最初の話は・・・(/_;)


猫はその存在そのものが癒し。



                 ★★★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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