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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2018年9月

大学病院で過酷な勤務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば……。さらに、赤石を告発する怪文書が出回り、祐介は「犯人探し」を命じられる。医療ミステリーの旗手が挑む、スリリングなヒューマンドラマ!

                   (新潮社HPより)




ミステリーというより、ヒューマンドラマの要素の方が大きく温かい気持ちになれた。
医療ものなので、少し専門的な知識がないと難しい話も出て来るけれど
分かりやすく書かれているので問題なくスラスラ読める。


怪文書の犯人捜しよりも、平良医師が研修医3人と関わりながら
患者の治療にあたる姿勢が本当に理想的で読んでいて気持ち良い。

大学病院内の教授との関わりなどリアルな医師の人間模様も興味深かった。

診療科によって激務なところと比較的楽なところ、あるのは事実。
そんな場所で女性でありながらバリバリ働いている医師って心身共に
強靭じゃないと続かない職場だなぁ~とつくづく感じた。

研修医のなかの唯一の女性・宇佐美麗子も平良によって
気負っていたものから解放されて、いい意味で肩の力を抜けて良かった。

平良は外科医としても優秀だけど、人の心の痛みに気づくことが出来る
素晴らしい医師だと思った。

支える妻も素敵な女性。


希望した場所への出向とはならなかったけれど、教授も平良のことを考えての
異動。
きっと新たな地でも変わらぬ理想的な医師でいてくれるでしょう。

また平良医師の話が読みたいな~。
この話、凄く好き。
ドラマ化しても面白そう。


                          ★★★★★
 
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発行年月:2018年3月

あなたも〈4ミリ〉のお仲間ですか?

ポイット氏は、今日もがっくりと肩を落とした。「またダメだった……」果たしてこれは何度目の失敗だろう。いったいいつになったら……?ひとり悩むポイット氏に、ある日見知らぬ女性が声をかけてきた。――「あなた、まだ〈アレ〉を食べていませんね?」そして知らされる衝撃の事実。どこか風変わりな中年と老年の男女4人による、ちょっと奇妙なお話。もしかしてあなたも、〈4ミリ〉のお仲間ですか?

                     (福音館HPより)



児童書の新刊コーナーにありました!
子どもが小さい頃はよく読んだなぁ~。

でもこれは、大人が読んだ方が楽しめそうな内容でした♪

4ミリ地面から浮いている大人たち4人の冒険物語。


ポイット氏(48歳)、エビータさん(夫と子どもがいる主婦)、画家のバルボーロ氏と
コロリータおばあちゃんの4名。



地に足がついていないってことですね・・・・^m^
なんともユニークな発想で、さすが高楼さん!!と感心。


絵も可愛くて素敵。
やはり高楼さんの本は素敵な絵も一緒に楽しみたい!



                          ★★★★
 




発行年月:2018年12月



 地球に向けて、巨大小惑星ダイスが接近中。
人類は、あと5日で終わりを迎える。
人々はその瞬間、『裁きの刻』をどう迎えるのか――
高校生の漆原亮の姉、圭子が殺された。コスモスの咲き乱れる花壇で、全裸で胸にナイフを突き刺された姿で発見された姉は、亮にとって唯一の家族、”世界そのもの”だった。恋人のこともそっちのけで、亮はとにかく犯人を見つけ出し、自分の手で復讐したいと暴走。そして”あるもの”を手に入れるため、クラスの“禁忌”と呼ばれる異端児・四元美咲に接触する。

優しく、美しかった圭子を殺したのは、圭子の恋人だったのでは?しかしそれが誰なのかわからない。犯人を追い求めて、亮は圭子が入っていた天文学同好会、そしてダイスを崇拝するカルト集団『賽の目』に踏み込んでいく……。
人類滅亡まであと幾日もない中で、なぜ圭子は殺されなければならなかったのか――
ヒット作連発中の著者が、エンターテインメントの力で永遠のテーマに挑む!!

                      (光文社HPより)



面白い設定下でのミステリー。
最初から最後まで飽きずに読めた。

犯人を見つけて自分の手で殺すと決めた高校生の亮。

クラスメイトの四元美咲との関係がいい。

巨大惑星が接近しつつある状況で、国民たちが混乱して行く様子も
描かれ、実際こんなことが起きたら、どうなるかな?とちょっとだけ
考えた。

結局、姉を殺したのは・・・・


へ~そうか。なるほど・・・。
と一応は納得したけど、そんな風に死んでしまった姉がなんとも哀しい。


ラストの場面は、よかった。


絶望し孤独だった亮と美咲が、寄り添っている姿は、状況としては
最悪なのかもしれないけど、少しホッと出来る。



でも、今まで医師だから説得力ある作品の方が好きだな。


                       ★★★




発行年月:2018年10月


 わたしと那谷紗はまだ手をつないだままだったが、このままずっと谷に立っていることはできなくて、もうすぐ町に降りていくことになる。降りる階段は暗くて不規則だから、どこかで手を離すことになってしまうだろう。でもわざと手を離さない、という遊びを考え出して降りることもできる。新しい遊びを考え出した方が勝ちだ。


近づいたかと思えば遠ざかり、遠ざかると近づきたくなる。
意識した瞬間にするりと逃げてしまうもの――。

重ねたはずの手紙のやりとり、十年ぶりに再訪したはずの日本、そして私とあなた。
輪郭がゆらぐ時代のコミュニケーション、その空隙を撃つ7篇の物語。

                 (文藝春秋HPより)





短編集。

理解出来そうで出来ない話も多かった・・・・でもこの人の書く
文章はとても好き。

<胡蝶、カルフィルニアに舞う>
<文通>
<鼻の虫>
<ミス転換の不思議な赤>
<穴あきエフの初恋祭り>
<てんてんはんそく>
<おと・どけ・もの>


前半3つの話までは理解できましたが・・・その後は・・・・???

特に表題作が意味不明・・・^^;
魚籠通・・・ビクトル
那谷紗・・・ナターシャ

名前のインパクトは凄い!と思ったけど。



<鼻の虫>は、想像したら、なんだか鼻のなかが痒くなってきた(笑)



短篇なのでスラスラは読めて楽しかった。


                     ★★★



発行年月:2013年7月

止まらない鮮血、鳴り響くアラーム、飛び交う怒号。手術室は悪夢の戦場と化した! 腹腔鏡手術を受けていた准教授がありえない死を遂げた。教授選をめぐる疑惑、連続するドクターの怪死、異様な血液の謎。「missキシ」「1/2ダンス」の言葉は何を暗示するのか。若き外科医がたどり着いた慟哭の完全犯罪とは

                   (新潮社HPより)





不可解な死を巡る謎。
大病院の教授選による醜い権力争いの末の事件かと途中まで読んでいたけれど・・・
事件の真相は、全然、違うものだったことに驚いた!

最初のプロローグが、こんな真相を結ぶものになっていたなんて!
なんだか哀しい話だったなぁ~。

若き医師・冴木裕也が父親の術中死を追ううちに、辿り着いた真実は
本当にびっくり!
裕也の今後がとても気になる。

裕也の妹・真奈美もこのまま幸せな家庭を築いていって欲しいけれど
波風立つこともありそう。


ここから、ネタバレだけど・・・


プロローグを読んだとき、この母親みたいな病気、なんていうんだっけな?と
心に引っかかりを持ちながら読んでいた。
実際にみたことはないんだけど、授業では習った記憶あって
遺伝でこんな病気が代々、引き継がれて行ってしまうのが自分だったら
人生に絶望しちゃうかも。癌より恐ろしいかもしれないと思った記憶あり。

それがこの物語のキモ。


哀しく切ない話だったけど、読みごたえは十分!


                         ★★★★

 
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