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読んだ本の感想あれこれ。
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514hNRNfGSL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年1月


それは真っ赤な贋作か、知られざる真作か? 傑作アートミステリー!

ニューヨーク近代美術館(MoMA)の学芸員ティム・ブラウンは、スイスの大邸宅でありえない絵を目にしていた。ルソーの名作『夢』とほとんど同じ構図、同じタッチ。持ち主の富豪は真贋を正しく判定した者に作品を譲ると告げる。好敵手(ライバル)は日本人研究者、早川織絵。リミットは七日間――。カンヴァスに塗り籠められた真実に迫る渾身の長編!


                                          (新潮社HPより)


マハさんの経歴(美術史を学び、ニュ-ヨ-ク近代美術館勤務の経験あり)を活かした、素晴らしい物語でした!!
今までのマハさんの作品のなかで一番かも!

美術に詳しいわけではないけど、アンリ・ルソ-の絵はとても好き。
表紙のこの絵も素敵だなぁ~(#^.^#)と本を開きました。
そして読み終えてみると、またさらに好きになりました。


主人公の早川織江とティムとの1枚の絵を巡るやり取りも良かったけど、途中に挟まれるルソ-の物語にも惹かれました。
ルソ-とピカソに親交があったなんて・・・。
この二組の絵画に賭ける情熱のようなものが、絵画知識が全くない、わたしにも伝わって来たのは、それを伝えようする著者の力量でしょう!


ルソ-は絵画の評価はイマイチで没後に価値があがった不運の画家のイメ-ジを持っていましたが、この物語によって決して不幸ではなかったのでは?なんてちょっと救いにも思えたのも良かった。


またこんな美術絡みの物語を読ませて欲しいなぁ~。


★★★★★


 
 
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41voQ2hH6ZL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年7月


“尽果”バス停近くの定食屋「まぐだら屋」。
ある事件をきっかけに東京を逃げ出した紫紋は、
左手の薬指がすっぱり切り落とされている謎めいた女性
マリアと出会い、次第に心惹かれていく。


                     (幻冬舎HPより)



変わった表題だなぁ~と先ずは思いました^^;
マグダラのマリアに関係あるのかなぁ?なんて思ったら・・・・全く違った!(笑)
まぐだら屋という定食屋のお話だったのですね?
で、「まぐだら」って何?と思ったら・・・・
その地方にある伝説のようなお話があって・・・マグロとタラを合わせたような、それは美味しい魚が獲れる。それを食べるとどんな病気も治る、尽き果てかけた命も救われるとか・・・・
その魚が「まぐだら」。
いつか必ずその魚をつかった「まぐだら定食」を作るというマリア。

マリアの本名は・・・・有馬りあ・・・・ありまりあ・・・まりあと呼ばれるようになったとか。

話の初めは、東京の老舗料亭で料理人見習いをしている及川紫紋(25歳)の話で始まる。
見習いとして厳しい修行にも耐え頑張っていた。
けれど、ある事がキッカケでその場から逃げることになる。
ああ~以前に似たような老舗料亭の事件あったなぁ~なんて思い出した。

紫紋が東京から逃れ、辿りついたのは、「尽果」というバス亭のある場所。
ふらふらと崖の上の小屋を目指し辿りつくと、その小屋が「まぐだら屋」だった。

マリアは明るくハツラツとしているけど、過去には結構、過酷なことがあった。
「まぐだら屋」はマリアが一人で仕切っているけど、お店には女将さんが居てマリアとの関係は険悪なかんじ。
二人の関係は?
そして、紫紋と似たようなかんじで「まぐだら屋」に来た青年・丸弧(まるこ)。
彼もとんでもない事から逃げて来た。

どうなるの?この人たちの今後は?
気になることがどんどん増えていく物語でした。

しかし、可笑しな名前ばかりだな・・・笑

おみせに釣った魚を届けてくれる漁師の克夫(カツオ)さんにも笑った。

結構、登場人物たちの過去は壮絶なものなんだけど、全体の雰囲気には悲壮感がない。
辛いばかりじゃ読むのも辛いから有難かったけど・・・。

逃げてきた彼らが、その場で、自分も人の役に立てるんだと思える体験し、生きる希望を見出していく。
そして、そこから別の場所でも生きてみようと前に進み出す。

気になっていたマリアと女将の関係も、これからは大きく変わりそう。


良い気持ちで本を閉じることが出来るマハさんの物語は、やはりいいなぁ~(^^)


★★★★★
 
41Nj7dNANEL__SS400_.jpg発行年月:2011年11月


世界的な指揮者の父が海外赴任となり、ひとり日本に残った女子高生、和音。そこへ突然新しい母がやってきた。型破りの彼女には秘めた過去があり----。母と娘、音楽。女性たちの再生物語。


                   (河出書房新社HPより)



素敵な物語でした!

主人公の高校生・梶ヶ谷和音の成長物語。

和音の父親は世界で活躍する指揮者・梶ヶ谷奏一郎。
母親の時依(ときえ)も以前は父親と同じ楽団のチェリストだった。
和音も幼い時からチェロを習っていたけど、挫折しチェロを弾くことから遠ざかっていた。
そして、両親は離婚して母親は何処か遠くへ。


父親は忙しく、あまり和音との関係もしっくりいってない様子。
家事は3人の家政婦さんが交代でやってくれていた。

そんなある日、突然、新しい母親という女性・真弓が登場する。
最初は、何、この人!?と思ってしまった。
破天荒なかんじで。
でも、段々と真弓の優しさ、和音のことを大切に考えてくれているとわかる。


そして、知らされて驚いた事実!
和音の両親の離婚理由は衝撃的だったなぁ~。
そういう理由で離婚して、娘の前から一切姿を消したのか!?と。
辛かっただろうな・・・(/_;)

そして、更に驚いた真弓がチェリストを辞めた理由。
えぇ~っ!!そんなぁ~(/_;)

これじゃあ辛いことを抱えた人ばかりだよ。

でも和音の友達・文斗や朱里も明るくて良い子で、和音は素敵な人たちに囲まれていた!

今まではどちらかというと希薄だった父親の奏一郎との関係も今後は、どんどん深まっていきそうで、希望に満ち溢れているラストは感動的だった。


★★★★
41U2nrWTyBL__SS400_.jpg発行年月:2011年6月

感動はコミックにとどまらなかった。日本中が涙した大ヒット作を小説化。仕事も、家も、家族までも失った男が旅にでた。最後のパートナーに選んだのは愛犬・ハッピー。長い散歩を終えたとき交わされた、「ありがとう」の言葉がいつまでも響く。


                         (双葉社HPより)



コミックで評判になり、映画化では西田敏行さんが主演で、話題になった「星守る犬」。
最初から泣けると予測がつくものなので、覚悟して読みました。

原作コミックは知らないし、映画の内容もほぼ知らないので、主人公の男性が犬を連れて旅に出た背景にあるものが、こんなに重たく緊迫した状況だったことに驚きました!

ほのぼのした家族の一員になった捨て犬だったハッピ-。
その家の女の子・みくちゃんがまだ小学生の頃、拾ってきて、大事に育てると約束したのに・・・・・。

お母さんもみくちゃんもハッピ-に愛情を注ぐことがなくなり、お父さんだけが変わらぬ愛情をハッピ-に注ぎ、ハッピ-はお父さんが一番好きに。

そして、家族の関係がギクシャクして、お父さんとお母さんは離婚。
それから始まるお父さんとハッピ-の車上生活。

ここまで読むとなんだか、話の先が読めてきて、読むのをやめようかと思った。

マハさんの文章には犬への愛情を感じられて温かいものも伝わって来たのだけど・・・・

わたしがへそ曲がりなのかな?

ハッピ-と一緒に暮らしたこの家族に対する怒りみたいのが沸々と起きてきて・・・
お父さんももうちょっと何とかしようがなかったのかなぁ~!?
情けないよ、この人!なんて思ってしまった。

ハッピ-がとても可哀想。
自分のし放題に犬を付き合わせただけのような気もしてきて。。。。
ハッピ-も死ぬことなかったんじゃないのかな?
大好きな人のそばを離れることも出来ずに命尽きるなんて・・・・(;O;)


野犬扱いされて、人間に怪我を負わされた場面もすごく嫌な気持ちになった。

どうしてハッピ-がこんな辛い目に遭わなきゃならないのぉ~!!


これを読んで、ハッピ-も愛するお父さんのそばに居られたんだからきっと幸せだったんじゃないか?なんて綺麗に感想言う気になれないわ~(+_+)

読み終えて、表紙見たら、余計に泣けて来た!

あ~読まなきゃよかった。
苦手な小説でした。


★★
 
51i7E7pprYL__SX230_.jpg   発行年月:2011年9月


   今、恋や友情を育(はぐく)んでいるあなた
   そして1980年代に青春を過ごしたあなたへ
   夢見がちなマンガ少女だった鮎子
   気が強いけどどこか陰のある美少女、武美
   30年ぶりに再会したふたりのでーれー(=ものすごい)熱い絆(きずな)の物語

   「ずっとあなたに伝えたかった──」


                                          (祥伝社HPより)

1980年代に青春を過ごしているので、主人公たちの会話が懐かしかったなぁ~。

今は40代半ばの佐々岡鮎子は、漫画家として活躍している。
ある日、懐かしい母校の高校での講演会依頼が来る。
久しぶりの懐かしい同級生たちにも会いたい!
そして、27年ぶりに岡山に向かう。

物語は、27年前の高校生だった鮎子たちの話と現在と入り混じりながら進む。

中学卒業と同時に東京から岡山に父親の転勤で引っ越してきた鮎子。
最初は、岡山弁がうまく使えず苦労するけど、それがいつしかニックネ-ムになってしまうのも楽しい♪
「で-れ-佐々岡」って・・・・笑

会話の内容に、昔懐かしいテレビ番組や芸能人が登場して、一気に自分もその時代のことを思い出したりした。
毎日、学校で友達と話すのがすごく楽しかったなぁ~。

鮎子は中2の終わりから漫画を描いていて、タイトルは「ヒデホとあゆの物語」。
空想上の恋人ヒデホくんと自分の空想上のラブスト-リ-が展開されるというもの。

友達の武美がその漫画をみて、勝手にそれは実話だと思い込み、鮎子もそれを否定しない。
漫画のなかのヒデホは頭も顔もスタイルも良く、武美もヒデホくんが大好きになり、二人の恋を真剣に応援している。
でも鮎子には、偶然、知り合った淳くんという男の子と仲良くなって・・・・・

そして終盤、27年前の話と現在のそれぞれに衝撃的なことが起きる。

え?そんな事になってたなんて・・・・・(/_;)


でもラストは、温かい気持ちになれました。
今回も感動させていただきました!というかんじ。

表紙の絵もいいです!


★★★★

 




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