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読んだ本の感想あれこれ。
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45a1617c.jpg発行年月:2010年12月


ほんとうにあった夢物語
契約社員から女社長に-----
実話を基に描いたサクセス・ストーリー。琉球アイコム沖縄支店総務部勤務、28歳。純沖縄産のラム酒を造るという夢は叶うか!

風の酒を造りたい!
まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落として----。

                                      (講談社HPより)


あとがきを読んで、これはフィクションだけれど、実際に沖縄産のラム酒づくりを始めた女性の話が元になっていると知りました。
凄い、女性が居たんですね~。

沖縄はサトウキビの生産が盛んなのは知っていたけど、ラム酒はそのサトウキビから作られるというのは知らなかった。
下戸だし、お酒に興味はないから・・・^^;

でも、このお話を読んでいると、下戸のわたしでさえ、ラム酒が飲みたくなる!

さとうきびは大地と風が育てる。ラム酒はそのさとうきびから造られる。
つまり風が育てた酒  それがラム酒

この文中の表現は素敵だなぁ~。

主人公の伊波まじむが会社のベンチャ-コンク-ルに参加し、沖縄産のラム酒づくりに臨む話ですが、周りでまじむの取り組みを応援してくれる面々も良かった。
真摯な取り組みが同じような気持ちで支えてくれる人を巡り合わせてくれて成功に導いてくれた。
素敵なお話でした。

表題の「風のマジム」は主人公の名前と同じですが、マジムには真心という意味もあるんですね。

風の真心=風のマジム・・・心地よい響きの言葉です(^^)


★★★★

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92306b8a.jpeg発行年月:2010年8月


OLが選挙のスピーチライターに!? 
言葉のもつ限りない可能性をハートフルに描いた青春小説。
スピーチの極意もお教えします! お気楽なOL・二ノ宮こと葉は、密かに片思いしていた幼なじみ・今川厚志の結婚披露宴で、すばらしいスピーチに出会い、思わず感動、涙する。伝説のスピーチライター・久遠久美の祝辞だった。衝撃を受けたこと葉は、久美に弟子入りして……。

                       (徳間書店HPより)



面白かった!!
原田マハさんは、いろいろな経緯で作家になった方で、スピ-チライタ-として会社の社長のスピ-チ原稿なども書かれていたと以前、何かで知りました。
この物語は、そんな著者の経験があってこそ書かれた作品なのかも。


物語の主人公・二ノ宮こと葉は、普通のOLで、幼なじみの今川篤志の結婚披露宴に出席し、そこで衝撃的な出会いをしたのが、有名なスピ-チライタ-の久遠久美。
彼女の祝辞が素敵でした!
短いけれど皆の心を掴む言葉の数々。
言葉の力って凄いな~。

そして、こと葉は、スピ-チライタ-の魅力に惹かれ久美の下で修行をすることになり
幼なじみの篤志が、亡き父の跡を継ぎ会社員から政治家へと進む手助けをする。

ちょっと前の日本の政治が自民党から民主党に政権交代した、そのままをパロディ化したような話の展開で、なかなか面白かった。
政治の主導権を握るには、いかに国民を味方にするかにかかるのですね。
そのための街頭演説などのスピ-チはとても重要だと物語のなかでも感じました。

でも逆に言えば優秀なスピ-チライタ-が付けば、選挙には有利ということでしょうか?
その点、ちょっとしっくりこないけど・・・^^;

一OLのこと葉が、スピ-チライタ-として政界に関わるなんていうちょっとあり得ないようなお話でしたが、なかなか面白く読みました。


★★★

126c6705.jpg    発行年月:2010年4月

時代がどんな暗雲におおわれようとも、あなたという星は輝きつづける

20代前半で中絶を余儀なくされたデザイナーも、アラフォーながら旅好きの独身女性二人も、夫をがんで亡くし、娘を嫁に送る直前の50代の母も----20代から50代後半まで、それぞれの世代の女性が様々な試練や人々のあたたかさに触れる。娘として母として、女性が誰でもむかえる旅立ちのとき、人生の旅程を指し示す七つの物語。

                                       (実業之日本社HPより)


どの話も良かったな~。
原田さんのお話は、どこか優しい。
辛いことがあっても、その先にある希望を感じさせてくれるので、どの話も読み終えた後、ほんわかした温かい気持ちが残るかんじ。

7つのお話どれもそれぞれ良かったけど、母親と娘の関係を描いた話がやはりジ~ンと来ました。

2つめの
「夜明けまで」は、有名女優を母に持つひかるが、生前、母親がDVDで残した最後の頼みを叶えるために母親の遺骨の一部を持って電車で訪ねる母の故郷の地での物語。
そこで出会う人達から母親の過去を教えられる。

なんだかロマンチックな話でした。


もうひとつ6番目の
「長良川」は、婚約者と母親とともに、長良川に来た麻紀。
半年前に病死した父と母の大切な思い出の地だった。

麻紀の両親の結婚までの話。結婚後の話が、素敵。
良き夫婦だったんだなぁ~。そんな夫を亡くして哀しいだろうけど、素敵な思い出を大切な場所で
思い出しながらの様子には、悲壮感はなく、なんだかジ~ンとする温かさを感じた。
一番好きなお話でした。


表題作の「星がひとつほしいとの祈り」は、人生にやや疲れたコピ-ライタ-の文香が旅先で呼んだマッサ-ジ師の老女から聞かされる昔ばなし。
昔は貴族として裕福に暮らしていた老女のその使用人・ヨネとの思い出話が、ゆるゆると語られる。
老女の言葉遣いが丁寧で、不思議な心地よさでした。



う~ん、どれも良かった!
楽しんで読みました(^^)

★★★★
4af08c14.jpg   発行年月:2010年3月

  
   閉塞した日常、退屈な仕事、つまらない男、
         結婚への焦燥……。
   でも------。

   顔をあげ、風を感じてごらん、世界はやさしく豊かだ。

親元から離れたい娘、スキャンダルに巻き込まれたニュース・キャスター、他人の幸せを見送る結婚式場で働く女性、夢にもがき、恋に悩む……様々な境遇に身を置いた女性たちの逡巡、苦悩、決断を丁寧に切り取り描いた連作短篇集。

                                      
                                    
(PHP研究所HPより)


24の短いお話。
それぞれの中でキチンと物語が確立していて、読後はどれも清々しい。

次の話に前に出てきた人物が主人公として語られる。
どこの誰の近くにも居る人達の話。
そして、誰もがちょっとした心の痛みを抱えている。

考えてみれば、毎日がハッピィなんて人の方が少ないかも。
毎日、違った出来事があって、その中で悩んで、怒ったり、悲しんだり。

でも、人っていいな。
自分以外の人からの言葉とか、態度で、気持ちがフッと楽になったりするんだから。


21番目の「独立記念日」文中にあった言葉いいな~(^^)

『自由になる』っていうことは結局『いかに独立するか』ってこと。
ややこしい、いろんな悩みから・・・・・・



原田さんの作品は、やはりいいな♪
期待を裏切らない作家さんだ!
★★★★

bcd9b814.jpg発行年月:2009年9月


新聞記者の翔子が見つけた一枚の謎の写真。1939年、初めて世界一周をした純国産飛行機「ニッポン」号に秘められた真実。
アメリカ・カンザス州アチソン--この辺鄙な町で生まれ、世界へとはばたいていった有翼の女神。
より高く、もっと早く、ずっと遠くへ。

                   
(毎日新聞社HPより)

手に取ったときは、「おぉ~厚いなぁ~」と思いましたが、面白くどんどん読めました。

物語は、新聞記者の翔子が目にした1枚の写真。
世界初の世界一周をした飛行機「ニッポン」号の日本人乗組み員7人の写真。
だが、もう一人、白く塗りつぶされた箇所には、外国人、少女のようなはかなさが漂う者。


史実に基づいたフィクションだとか。

しかし、「ニッポン」号が世界初の世界一周を果たしたことは事実。
知らなかったなぁ~。
こんな偉業なのに・・・・なぜ?多くの人に知られていないの?

それには、時代的背景があるのですね・・・時は第二次世界大戦がはじまる直前。
日本の偉業を手放しで褒め称えるには、世界情勢上、難しい時代だったのかな?


アメリカ・カンザスではそんな世界情勢のなかで、純粋に空を飛ぶことが好きで、19歳でパイロットになり21歳で大西洋横断を単独飛行で為し遂げてしまった、エイミ-が居た。
しかし、飛行技術を軍事的目的に利用されてしまう。
あ~違う時代。戦争のあとに生まれていたのなら・・・・・。


物語は、「ニッポン」号の乗組員7人とエイミ-が出会ったところから、更に面白くなりました。
一緒に世界一周を果たすことを目的に。
8人に共通してあるのは、純粋に世界を一周したいという思いだけ。
戦争を目の前に緊迫する世界情勢など関係なく、日本人とアメリカ人がチ-ムとして同じ想いで飛ぶ。
日本人7人とエイミ-の機内でのやり取りも、緊迫感がありドキドキ。
そして、淡い恋心も芽生えて・・・・読みどころ満載の楽しい冒険話でした。


きっと沢山の資料からの情報を上手く使ってくださったんでしょうね。


わたしが一番、印象深かったのは、エイミ-がアインシュタインと出会い、会話する場面。
「自分は平和の為に飛んでいる。国境は人間が作り出したもので物理的には存在しない。世界はひとつ」というエイミ-に対して
「国境は確かに存在する。せかいはひとつじゃない。でもだから、共存することが大事」と言う。

なんだか、本当にそんな事があったかの描写で好きだなぁ~。
そして、日本という国について「美しい国だよ」とエイミ-に説明するアインシュタイン。

物理学者として、戦争の兵器となった原子爆弾などの開発に力を貸した?とか言われた事もあるそうだから、きっと「世界はひとつ」とエイミ-のように肯定出来なかったのかな?
なんて、考えてしまったり・・・。


物語の中のいろいろな事に、事実はどうだったのか?と興味が沸いてきます。

実際は、もっとシビアなものなのでしょうけど・・・

エイミ-のモデルは、実在した女性パイロット アメリア・イアハ-トさんという方だそうです。
女性として大西洋を初めて単独横断したことは、物語の中のエイミ-と同じ。
そして、1937年世界一周飛行中に南太平洋上で行方不明になられたそうです。


最後のあとがきを読むと・・・
やはり膨大な資料の整理と各所への取材など、大変苦労して書き上げられたものだとわかります。


原田さん!素晴らしいお話をどうもありがとう!!と拍手したい!

★★★★★






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