朝日新聞連載小説の単行本化。著者は芥川賞を受賞した初めての中国人作家。貧農の子・二順は雑技学校に通っていたが、怪我のため調理師をめざす。彼が作る巨大な肉団子「獅子頭」は評判を呼び、妻子を中国に残して日本の中華料理店へ。同僚の中国人、ウェイトレスの日本人女性、予想外のカルチャー・ギャップ……気の弱い二順は日本でどう生きていくのか。力強い明るさにみちた波乱万丈の成長小説。
(朝日新聞出版HPより)
ちょっと厚い本(450頁ほど)だけど、読みやすいので、スラスラと読めました♪
楊さんの物語は、中国人の考え方や暮らしぶりがよくわかって、興味深いことばかり。
物語の主人公は張二順(ジャン・ア-シュン)。
1967年、彼の出生時から始まる物語。
舞台は中国の田舎から大連、そして日本へと移っていく。
両親は貧しい農民だったけれど、伯父が大連で裕福な暮らしをしていて、その伯父の力で父親が雑技団の調理師としての職を得、二順も7歳で父親に次いで大連に渡り雑技団に入学する。
調理の経験などない父親だったが、一生懸命、調理を覚える。
練習が終わり、食堂で食事を貰う訓練生たち。
父親はそっと二順のご飯のなかに小さな肉団子=獅子頭を入れてくれる。
物語は、場所を変え、二順に関わる人も変わるのだけど、いつも獅子頭がある。
雑技団を怪我で辞めたあとは、調理人の道に進む二順。
そして、妻となる雲紗(ユゥンシャ)と出会う。
結婚し、娘・雲舞(ユゥンウ-)も生まれ、幸せな二順だったけど・・・・波乱万丈な暮らしへ移って行く。
やがて単身で、日本に渡り、そこで料理人として働く。
中国人が思う、日本の文化のあれこれは、なかなか新鮮。
蕎麦屋で蕎麦を食べる場面は面白かった。
中国人って、そういう風に考えるのかぁ~。
波乱万丈な暮らしのなかでも、悲壮感が感じられないのが救い。
二順が出会う人たちは、みな、気持ちが優しいひとたちで、だからそれに甘えてしまうダメな二順なんだけど、憎めない。
日本で別の家庭を持つことになるのだが、妻となった幸子には愛情をあまり感じない二順。
なんでじゃあ結婚したの!?と思うところだけど、そこには中国人ならではの政治的背景が絡んできている。
幸子と結婚しなくては、強姦罪にされ、国に戻され政治犯となってしまうと恐れが強かったから。
二順の無知がそうさせたんだろうけど、時代的背景や暮らしてきた環境を考えると、そういう考え方をする者は別に特殊じゃないのかも。
日本人には、ちょっとわからない考え方だけど。
成り行き任せの感が拭えない二順だけれど、なんとなく幸せな暮らしが出来そうか?と思えるラストで
ホッとするような気が抜けるような変なかんじ。
でも、なかなか面白い一人の中国青年の生き方でした。
料理屋が舞台なので、美味しそうな料理がたくさん登場するのは楽しかった♪
本場の獅子頭・・・どんな味なんだろ?
★★★★
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彼女たちのやっかいな虚栄と、せつなる孤独に捧げる
「こんなはずじゃなかった」――悩みながら、
泣きながら戦っているすべての“彼女”たちのために。
カバーも帯もなく、バッグに放り込んで良し、
丸めて手に持ち歩いて良し----かつてない、女子必携の短編集。
(光文社HPより)
過去にアンソロジ-で発表した作品も含めた短編14編。
主人公は20代~30代の女性達。
周りには結婚している友達も多く、社会的に責任ある仕事を任されていたり、自身の恋や仕事の今後に悩む年代。
同窓会で再会したかつての友人たちとの語らいで感じる焦燥感。
女性の心理をとてもよく表している作品ばかり。
どれも面白かったけど、
三番目の「彼女の躓き」は、特に面白かった!
学生時代から主従関係のような二人の女性。
祥子にはいつも適わないと思っている私。
恋人を横取りされたこともある。
今の恋人・昌也は祥子には会わせないようにしなければ・・・・。
そして祥子から恋人を結婚も考えているという恋人を紹介するから会おうと。
そして自分にも付き合っている人がいることを話し、後にお互いの恋人と4人で会う。
それからが面白かったぁ~!
私の作戦。祥子に勝った!と思ったけれど・・・・・思わぬ落とし穴。
表紙にカバ-がなく、紙もちょっとわら半紙みたいで変わってた。
そして、本文に水彩画みたいなイラスト。
なんだか楽しい本でした♪
★★★★
岡花小春16歳、恋も家族も巻き込んで、目指すは笑いの花道だ!
全力で漫才師を目指す高校生の青春を描いた山本文緒の傑作!
小春は漫才師になるのが夢の高校生。
何をやってもカンペキにこなす梅太郎とコンビを組んで、
お笑いコンテストに挑戦したけれど高飛車な美少女審査員にけなされ、
散々な結果に。
それでも憧れの紅実ちゃんとは次第にいいムードになって。
しかも芸能プロからもスカウトの電話が!
小春の夢は現実になりそうだったけれど……!?
(光文社HPより)
愉快な青春小説でした!
漫才師を目指す男子高校生・小春と梅太郎のコンビが最高~♪
お笑いを目指す二人は、普段から面白い。
会話がすべてギャグの様。
男子高校生ということで、女子に対する関心度も旺盛で、そのあたりの話も満載。
GFの女の子宅のお父さんとの関わり方も可笑しかった。
この作品は、著者の山本さんがまだ作家になりたての20年前に書いたものを一部加筆して発表のものらしいけど、その時代は携帯電話のない時代。
今なら、もっと楽に付き合ってる女の子に電話出来るのに、そういう便利な物がない時代だからこその苦労があったんだなぁ~。
自分の昔もちょっと思い出したりして・・・笑
小梅の家族もユ-モアあって良かった。
普段、何も言わないお父さんが、実は言わないだけで、ちゃんんと子どものことを見ていたというのには、理想的な父親像を見たような気がした。
楽しくてアッという間に読み終えました♪
★★★★
ある日突然、私のそばから人や物が次々に消え始め、それらは最初から「無かった」ことになっていく…。当たり前の日常が孕む不確かさと、今ここにある世界のきらめきを色鮮やかに描きだす。
第34回すばる文学賞受賞、鮮烈なデビュー作!
(集英社HPより)
面白かった。
最初は主人公のサトミが勤める会社の面々とのやり取りが、和気藹々としていて楽しいなぁ~なんて思っていたら、事態は急変。
サトミの身に起きる不思議な出来事。
自分の身にそんなことが起きたら・・・・と考えるとちょっと恐ろしい。
こんな話をよく思いつくものだと感心。
これがデビュ-作なんだ~。
これからどんな物を読ませてくれるのか、凄く期待させる作家さんがまた増えたかんじで嬉しい!
この表題と表紙のイラストもセンス良し!
★★★★
作られた「天才の兄弟」を待ち受ける残酷な運命!
天才精子バンクで生まれた兄弟------
兄は天才数学者への道を歩むが、
弟は母親からも見放されてしまう。
「失敗作」の烙印を押された弟は孤島の施設に
入れられてもなお、なんとか家族の絆を取り戻そうとするが…。
(角川書店HPより)
山田悠介は次女が時々、読むのですが、結構残酷なかたちで人が亡くなるので、わたしは敬遠してます。
が・・・これは表紙のイラスト可愛さに釣られて読んでみました^^;。
ま、酷い形で亡くなる人がいなくてホッ(笑)。
けれど、内容は結構、ダ-クかなぁ~?
天才を産むために、オ-クションにかけられる有能な人物の精子を高値で買う女性たち。
この物語の麒麟(キリン)もそうして、買われた精子と買った母親から生まれる。
キリンの父親はノ-ベル化学賞受賞者。
そして、兄の秀才(ヒデトシ)は、IQ180の数学者が父親。
幼い頃から勉強することを強いられる兄弟。
兄は無口で表情も乏しいがキリンは普通の子どもらしい感情表現もする。
母親はキリンの方に愛情を感じるが・・・
兄は、8歳で高校生も解けない数学の問題を難なく解くが5歳のキリンは、小学生の問題までしか解けなくなってしまう。
それでも充分、凄いと思うけど、母親は落胆し、キリンに次第に冷たくあたる。
この辺りは、読んでいてキリンがかわいそうで泣けました(/_;)。
そんな冷たい仕打ちにも健気にキリンは耐える。
自分が悪いのだから・・・・・と。
最後は、兄にも試練が待っていて、こちらも気の毒なことになり・・・・・
あ~どうして登場人物たちが追い込まれるようになっていくのか?
この著者の作品だから、ま、しょうがないか?^^;
けれど、まあ最後は、健気な良い子のまま成長していったキリンにちょっと明るい未来があるようで良かったかな?
しかし・・・この母親は許せん!
天才児を欲しがり、IQの高い男性の精子をオ-クションで買う意味がわからん。
しかも母親がその子が思ったほどの才能がないと言って、見捨てるような行動に出るとは!
父親だけが天才でも必ず子どもが天才とは限らないのに。
こんなことが近い将来、ホントに可能になることはないと信じたい。
人間の価値は、IQの高さで決まるものではないし。
でも、ま、ササッと読むには面白かった。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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