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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年2月


 若菜17歳。青春真っ最中の女子高生と、三世代女系のてんやわんやの家族の物語。

内縁関係を貫いた曾祖母、族のヘッドの子どもを高校生で産んだシングルマザーの祖母、普通の家庭を夢見たのに別居中の母、そして自分のキャラを探して迷走中の娘の若菜。強烈な祖母らに煽られつつも、友の恋をアシスト、祖父母の仲も取り持ち大活躍の若菜と、それを見守る家族。それぞれに、幸せはやって来るのか……。

                   (新潮社HPより)




乙女の家のメンバー。

曾祖母・和子(78歳)
祖母・洋子(58歳)
母・あゆみ(42歳)
あゆみの娘・若菜(17歳)
あゆみの息子・誉(15歳)


主人公は高校2年生の若竹若菜。
母と父は別居しているけれど、平日の晩御飯を父は食べに来る。


曾祖母、祖母、母・・・みんな元気でそれぞれの生活をエンジョイしているのがいい。
まだみんな若いし。

そんな中、若菜は、学校のいつも行動を共にする親友とは別に
文学少女と皆から距離を置かれている、高橋鈴子と親しくなり、学校では殆ど言葉を
交わさないけれど、純喫茶ウィーンで会う。
二人の女子高校生の会話が楽しい。
こういう付き合いが出来る相手が生涯の友になるんだろうなぁ~(^^)


曾祖母、祖母、あゆみ、それぞれ今は夫(?)と離れて生活をしているのだけど、
いまも繋がっているかんじが、なんだか温かい。


高橋さんの恋の行方がとても気になっていたのに、なんだか最後は
うやむやにされた感があり・・・それだけがちょっと残念だったなぁ~。
告白の決行の様子とか知りたかったのになぁ~。


でも、面白かった!


                          ★★★★
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発行年月:2015年2月

どこかで誰かが
あなたの味方。

でもストレートには
受けとれない、届かない、
なぐさめや励まし……ビターで不思議な7つの世界

・森のような、大きな生き物――この子の未来を応援しよう、と決めた子がわたしたちにはいた。オリンピック代表の彼女に期待し、夢を託したが……。

・ニオイスミレ――産む女を国家全体で支援する世界に住むスミレ。〈志願母〉の彼女は今日も国営のサロンへ通う。

・あなたがいなくなってはいけない――入院が決まった。ステージⅡ。その昔、離婚騒ぎで愚痴を聞いてもらったチョピンを思い出していた。

・地元裁判――まちの結束を乱す人間は、亜子ちゃんの地域でも地元裁判にかけられる。ある日、卯月くん一家が消えた。

・相談――波多野が何か相談したそうだったので課長のおれから飲みに誘った。転職か?諭す準備はできていた。

・ムス子――加賀谷は太った中年女に会った。元同級生、あだ名はムス子。彼女に起こったことを、この時の彼はまだ知らない。

・お風呂、晩ごはん、なでしこ――フージコさんはみんなに愚鈍と笑われる。でも気にしない。かけがえのない仲間はあの中にいる

                       (幻冬舎HPより)



どれもこれも可笑しい^m^
いいなぁ~朝倉さんは短編集も。

表題作があるわけではないけれど・・・最初の話<森のような大きな生き物>が
それかな?
色々なオリンピック選手を想像しながら読んだ。
しかし、この表題作の付け方も妙だ。


<ニオイスミレ>はちょっと怖いな。
SFっぽいけど、出産率が伸びないために国が打ち出した政策を基に展開される
話っていうのが可笑しい。


<あなたがなくなってはいけない>は、途中まで面白く読んでいたけれど
主人公の置かれた状況が何とも辛く気分が落ち込むかんじ。

<地元裁判>こんな裁判があったら、生活し難くて仕方ないだろう。

<相談>これ、笑ったなぁ~。
50歳の課長の妄想の痛さが痛快な笑いに変わる^m^

<ムス子>
ムス子と加賀谷は良い友であり続けてほしい。

<お風呂、晩ごはん、なでしこ>
フージコさんみたいな人、どこの職場にも一人くらい居そう。
でも、ちょっと哀しいな。
なでしこは、わたしも応援しているけれど・・・。



                         ★★★




発行年月:2014年7月


 
ほんとうの幸せって?

ここは「わたしの家」だったのに───
ようやく手に入れた“理想の家庭”に
幼なじみが踏み込んできて……

家族のあり方を問う、傑作長編小説

たった4週間の同居生活がもたらしたものは──?
美しく貧しかった羽衣子、不器量で裕福だったみえ子。
正反対の二人は、お互いに駆けているものを補い合って生きてきた。
だが、羽衣子は平凡だが温かい家庭を手に入れる。
穏やかな日々は独身のみえ子が転がりこんできたことから違った面を見せ始める……。

                   (祥伝社HPより)



遊佐家に居候・みえ子が四週間共に暮らすことになる。
遊佐夫妻の妻・羽衣子の幼馴染のみえ子。

遊佐家のメンバー
・賢右(57歳)・・・有名私立大卒。実績あるスポーツ選手として一流企業就職。
・羽衣子(43歳)・・・容姿端麗。家事に手抜きなし、いつも穏やか。
・いずみ・・・大学2年生。蕎麦やでアルバイト中。顔も性格も可愛げなし。
・正平・・・高校2年生。母親譲りの美形の持ち主だが、自信なさげな態度のため学校の女子からは「キモメン」扱い。


そんな遊佐家に、みえ子が加わることで、平穏な風に見えた遊佐家が少し変化するというお話でした。
最初は、登場した、みえ子に違和感を覚え、この一家が不幸になっていくのか?と
思ったけれど、意外にも家族にとって、良い起爆剤の役割となりました。

そして、羽衣子とみえ子の関わりも、とても深いものだったんだと衝撃的でした!
二人の話だけでも物語が成立しそう。


いつも夫に従順だった羽衣子も少し変わったし、いずみも可愛げある女性に変化したし、
正平も自分に自信を少し持てたかな?
賢右は、あまり変わらないか?^^;


みえ子自身は、遊佐家に関わって何か変わったのだろうか?
その辺、あまり書かれていなかったけれど、どうしてそもそも遊佐家に居候しようと
思ったんだろ?そこが気になるな。
羽衣子が幸せに暮らしているか覗いてみたかったとか?

でも、面白かった!

    

                          ★★★★



発行年月:2014年2月

自分がまがいものであることは承知の上で、スーパースターになって2010年代を疾走することを夢想する堂上弥子(どうのうえやこ)。耳の中で鳴る音に連れられ、どこかに行きたいというきもちがつねにうねっていた鈴木笑顔瑠(すずきにこる=ニコ)。
北海道の小さな町で運命的に出会ったふたりの中学生は、それぞれ「ここではないどこか」に行くため、一緒に「仕事」で有名になることを決める。その方法は弥子が背後に回り、ニコが前面に出るというもの。最初の仕事は読書感想文コンクールでの入選。弥子が書いてニコの名前で応募した感想文は見事文部科学大臣奨励賞を受賞、授賞式にはニコが出席した。
ふたつめの仕事は、史上最年少で芥川賞を受賞すること。ニコの曽祖父の遺品の中にあった小説を弥子がアレンジして応募した小説「あかるいよなか」は、芥川賞の登竜門となる文芸誌の新人賞を受賞する。作品はその後順当に芥川賞にノミネート、そしてついに受賞の時を迎えるが……それは「てらさふ」仕事を続けてきた、ふたりの終わりのはじまりだった――。
てらさふ――とは「自慢する」「みせびらかす」こと。「てらさふ」弥子とニコがたどり着いた場所は? 女の子の夢と自意識を描きつくした、朝倉かすみの野心作。

                        (文藝春秋HPより)


いつも変わった物語を書く朝倉さん。
今回の話は、二人の少女・弥子とニコが、二人で組んで完璧なひとつの
「わたしたち」になるという目的のために、手段を選ばず有名になる方法を探り、
その目的を達成していく物語。


読書感想文で全国コンクールまで進み入賞したあたりまでは、よしよしよくやった!と
二人と一緒に喜べたけれど・・・・
その後の芥川賞の史上最年少を狙うあたりから、いいのかなぁ~?
そんなことまでして、大丈夫?と心配しながら読みました。


でも、二人だけであれこれやってきたけれど、有名になると、いろいろな人とも繋がりが
生まれて、そんな中から、ほころびが・・・。

結局、二人のしたことはほかの人にばれるのですが、ばれて良かった。
このままばれなかったら、二人は間違ったまま大人になって、取り返しがつかない
人生を歩んでしまうことになったから・・・。

まだ高校生。
二人は別々に違う道で正しい大人になってほしいなぁ~。

特に感動はなかったけど、面白い話だった。


                             ★★★
a92187dd.jpeg 発行年月:2012年8月


離婚を望む一人の女性の移りゆく心の軌跡
人はなぜ同じではいられないのか。幸福な結婚生活を送る森子。だのに別れを決心した。理由は夫として好きじゃなくなっただけ。そんな理由に納得がいかない夫と森子の平行線の日々は続き……。


                  (集英社HPより)




結婚して10年の夫婦。
夫は、大学の教育学部教授。
それでも森子は、夫と別れたいと家を出る。
夫は、離婚することには反対で、月に一度の話し合いを条件に別居すりことを許した。

メ-ルだったり電話だったり、二人の話し合いは続くが意見は平行線のまま。

物語は、結婚した当初の10年前の出来事と現在を交互に語りながら進む。
一人暮らしした森子は、空港の掃除スタッフとして働き、同じアパ-トの隣室の大村さん(こちらも一人暮らし?60歳目前の女性)とは部屋を行き来する仲になる。



森子と夫の10年前から別れる前の暮らしは、穏やかで微笑ましい。
読んでいるだけなら何も不愉快さを感じない。
森子自身も決して嫌いにはなっていないと言う。

う~ん。
こういう感情は男性には、全く理解不能だろうなぁ~。
森子の我侭としか思えないでしょう。

でもなんとなく森子の気持ちが分かってしまう、わたし・・・(^^ゞ


表題が過去形の「・・・ありました」でなくて「・・・・あります」というのは
まだ完全に離婚した状況ではないからかな?

ちょっと夫が気の毒ではあるけれど・・・たぶん森子は戻らないだろうな~。


                                        ★★★★



 
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