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読んだ本の感想あれこれ。
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52b9aeba.jpg発行年月:2009年5月


シャレにならない大人の事情------
朝倉かすみが贈る、ほろ苦くもエロテックな恋愛短編集
「わたし」を脱いで裸になりたい

恋愛小説誌「Feel  Love」に掲載された5編と書き下ろし1篇を加えた短編集


                     (祥伝社HPより)

エロテック?そうかな?それほどでもなかったけど・・・・^^;

6編の短編の主人公たちの殆ど独身で40歳前後。
 
昔の彼を思い出してみたり、今の恋愛を考えたり、将来を憂いてみたり・・・・・
主人公たちの周りの人間関係も描きつつ、その心情を鋭く表現していて、朝倉さんって、ホントこういうちょっと自虐的なかんじの女の人の話が多いなぁ~。
そして、上手いな~。

性に関する欲望みたいなものも出てくるけど、大人の女性ですから・・・・このくらいはエロテックのうちには入らないでしょ?なんて読んでいました。

特に面白かったのは

「誦門日和」・・・商店街の本屋の娘・わたしと青物屋の晴子のはなし。晴子は、父親と二人暮らし。
小さい時からわたしは晴子と遊び、周りからはしっかり者で礼儀正しい子と評価されていた。
が、晴子にはどこか人を惹き付ける魅力があり、成長すると男出入りの激しい子と周りから評価される。わたしは、小さい頃のまま、真面目だけど不器量。
自慢の兄まで晴子に魅せられて。。。。

最後の最後、ペ-ジをめくった後の晴子の描写が何か切なく、衝撃的!


もうひとつ気に入った作品
「小包どろぼう」・・・宇津井茂美は43歳独身。妹は結婚し娘がいる。
母親の姉のきみちゃんも70歳過ぎで独身。自分の姿と伯母のきみちゃんの姿を重ねて将来をあれこれ思う茂美。
ある日、父の上司の息子たちをある事情により1晩泊めることになっていた日、きみちゃんが肺炎で入院の知らせがあり両親は病院へ。
留守中、上司と思われる杉山とその部下と息子が訪ねてくる。

一人暮らしの伯母は、寂しい暮らしをしていたわけじゃないし、茂美にも何やら恋の予感めいたものを感じるラストが明るくよかった。


朝倉さんの短編作品は、ササ~ッと読めていいな。

★★★
            
                  

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4d35093a.jpg発行年月:2009年9月


「わたし」が「わたし」の邪魔をする------
子犬救出劇を自作自演する美しい少女、カ-ド破産してもロハス生活を続けるカップル、ダニと鼠のいる部屋に住み深夜のコインランドリ-に現れる女など、身の丈に翻弄される人々を描いた短編集。


             
       (集英社HPより)

またまた、変なタイトルですね・・・笑
内容も凄く変でしたけど・・・・・結構、面白かった^^;

7つのお話のどの主人公たちにも共通する、普通じゃない何か。
上手く説明出来ないけど、考え方、行動・・・・ちょっと付いていけない。
友達になりたくないタイプの人たち、オンパレ-ドというかんじ。

こんな話、よく思いつくよなぁ~が、この著者の作品を読んで思うこと。
まさか、周りにこういうモデルが沢山いるとか?
ご本人が凄く変わってる?

ただ、7つの話の中では唯一「やっこさんがいっぱい」に登場の夫婦の話は、ちょっとほのぼの系で良かったかも。


表題「静かにしなさい、でないと」の言葉は、3番目に登場の作品「静かにしなさい」の中での言葉でした。
誰がどんなシチュエ-ションで言うんだろ?と思ったら・・・・・なるほど、心の声でしたか?
この主人公も相当、変でした。


これ、読む人によっては、凄くイヤな話かもなぁ~。
わたしは、笑って読み終えたけど、笑えない、嫌悪感を抱く人もいるかも・・・。
ほかの人の評価が気になる本でもあります。


幾つかの作品を読んで、この著者本人がどういう人か?凄く気になってきた。
エッセイみたいのないかな?
あったら、読んでみよう。

★★★




6e813a69.jpg発行年月:2009年7月

ともしびマ-ケット鳥居前店に集まる人々のそれぞれの日常を描いた連作短編集








9つの短編の主人公たちが、ともしびマ-ケットという共通の場所を介して、繋がっていく。
最初の「いい日」では、ネスカフェの大瓶をよく買う女性と遭遇する女性がある日を機に顔見知りになる話。
他にもマ-ケット内で働く人、マ-ケットの前の郵便ポストに寄りかかり、洋書を読んでいる男性、女子高校生などが登場するが、最初のお話のネスカフェをいつも買う女性と繋がっていたり、また違うお話の人同士が実は・・・みたいな関係だと明かされていく。

朝倉さんの独特の言い回しも、人と人の不思議な縁のようなものをより、可笑しいものにさせてくれるよう。
ひとつひとつは他愛もない話なのに、繋がっていくことで、どんどん面白くなる。

最後の話では偶然が偶然を生むかんじで、一同勢ぞろいとなるのがまた可笑しい。
少々、やり過ぎじゃない?と思いつつも、こういうのも愉快でいい。
わたしは好き♪

後ろのあとがきに、この本が出たのは最近だけど、新人賞を取って間もなく、ある編集者さんに勧められて掲載するあてもないが、トレ-ニングの意味で連作短編を書いたそうで、この本は、それらが元になっているのだとか。
だから、朝倉さんにとって、この本はすごく、すごく大事だそうです。

そして、フリ-の編集者になった、そのお世話になった編集者さんが担当でなきゃイヤだと言い講談社さんがその願いを聞き入れてくれたのだとか。

う~ん。いい話じゃない!
その部分だけでも物語になってる!
なんて、最後の最後でなんだか良い気分になりました(^^)

★★★★

4d8816d9.jpg発行年月:2009年1月


生まれた時から発育がよく13歳でピンナップガ-ルさながらの体つきだったアカリ。
性格は地味で平凡に生きたいアカリだが、出会う人々は、平凡じゃないひとばかり。

次第にアカリ自身が変わってゆく。



生まれた小さなまちでは、自分の体が人目を惹き、静かに暮らせないと大きなまちに引っ越し、一人暮らしを始めるアカリ。
小さなまちでは両親と祖母と暮らしていたが、祖母の言葉がヒドイ!
発育の良いアカリの体を「いやらしい」と言っちゃうんですから・・・。
可哀相すぎ。

一人暮らしをしてから最初、職を点々と変えるアカリですが、ヘアサロンの受付の仕事で落ち着くので一安心。
そこで出会う人たちが後々、アカリを追い詰めることになるのですが、途中までは楽しそう。
ヘアサロン上のエステテックサロンで働く、さくらちゃんとお友達になり、二人でお互いの家を行き来しながらの会話は笑えました。
両サロンのお得意様である通称ティナ(ティナタ-ナ-に似てるとか)を密かに研究する会も可笑しいし・・・・。
楽しくこのまま暮らしていけばいじゃない?なんて明るい気持ちで読んでいると・・・・
飛沢郁夫という怪しげな男が登場するあたりから、事態は急展開!
アカリが例えるには「白身魚の切り身みたいな男」・・・・・想像できません^^;

この郁夫が登場してからは、さくらちゃんとの楽しげな雰囲気が郁夫との怪しげな雰囲気に変わっちゃうのです。
いつか南の島に一緒に行きましょうみたいなノリで、その予行演習と称して二人で始めることも気持ち悪いです^^;

その後は、もっと気持ち悪い事(大変な事)が起こって・・・・どうなるのぉ~!?と思うと、これが案外ラストは
健全っぽい。


途中、嫌悪感を抱く文章があるのですが、ま、我慢して読むと・・・・なるほど!と少し納得出来る部分もあったりで、最後まで油断出来ない展開でした。


少し前に読んだ「田村はまだか」も変わった話でなかなか面白い本でしたが、これもなかなか面白かった。
わたしの中では次はどんな作品、書いてくれるのか?と期待したくなる作家さんです。


★★★
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