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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年6月


 主人公・林ちひろは中学3年生。出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族を崩壊させていく。第39回野間文芸新人賞受賞作。

                (朝日新聞出版HPより)



新興宗教にハマった経緯は、なんとなく理解できるけれど
家族皆がハマらないと一緒に生活するのは難しいんだろうなぁ~。

ちひろの姉・まさみは、そんな家庭環境に順応出来ず逃げ出した。
それはそれで正解だと思う。
よく行動に移したと感心した。

主人公のちひろは、親が宗教を信じるキッカケを作ったからというのもあって
付き合ってあげているというかんじ。
優しい子だな。

周りに偏見の目で見られても、よき友人、なべちゃんがいるから安心。
なべちゃんの彼(?)新村くんも、ちひろの立場を理解してくれている様子。

まだ15歳だからね。
親に依存している部分あると思うけど、少しずつ距離を置いていくのが
良いと思うなぁ~。

雄三おじさんは、頼れそうだし、その家族も、ちひろの力になってくれそう。


新興宗教っれ怪し気で、胡散臭いけど、それを信じている人たちを
否定するのは、どうなのかな?とこれ読んで思った。
宗教抜きにしたら、良い人たちなんだよね。


研修先で星を眺める場面は、ほのぼのしていて、それがラストなので
読後感はほんわか。

あまりこの著者の本、読んではいないけど、独特の雰囲気ある作家さんだな。



                         ★★★

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発行年月:2018年6月

勝てなくてもいい。でも、もう逃げない。夫のDVから子どもを連れて逃げた先で出会ったものは――。現代を生きるすべての女性にエールを贈る、感涙必至のボクシング小説誕生! 暴力を振るう夫に耐えかねて、小学一年生の娘と共に新大久保に逃げてきた33歳の愛。同僚のダイエットの付添いとしてボクササイズに通い始めるが、素質を見出され、なぜか本格的にプロを目指すことに。さらに、思いもしなかった強敵と戦うことになってしまい……。これまで流されるままに生きてきた女性が、ボクシングを通して自らの力で人生を切り拓いていくまでを描いた、汗と涙の長編小説。

                     (PHP研究所HPより)




DV夫から逃げて6歳の娘を抱えて自立していく女性の姿に読みながら

エールを送っていた。

逃げた先で助けてくれる人が周りに沢山いて良かった!

勤務先のアニメスラムの店員・モモコに誘われて渋々、始めたボクササイズ。
そこからボクシングの練習に励む愛。


ボクシングジムの会長・永倉、トレーナー・沖田、会長の姪の望実。
みんなが愛を応援している環境が愛の自立を助けた。


フライ級チャンピオン・美闘夕紀との試合は、痛々しくて・・・
それでも立ち上がる・・・

試合の前にマリオが現れたけど、あれは必要だったかなぁ~?
素人同然がチャンピオンに挑む試合の前に骨折って・・・無理あるでしょ?

試合を終えてからマリオに会って、以前の自分とは違うという姿を見せつけて
恰好良くバイバイってしてほしかったなぁ~。


ま、でも楽しめた。
ボクシング全然、詳しくないけど夢中になれた。


                         ★★★


 



発行年月:2018年2月


 

ここは戦場か、それとも殺人現場か――。
従軍作家が日本軍の闇に挑む。

日中戦争中の万里の長城。探偵役を命じられた従軍作家が辿り着く驚愕の真相とは?浅田作品初の戦場ミステ 日中戦争中の万里の長城。探偵役を命じられた従軍作家が辿り着く驚愕の真相とは?
浅田作品初の戦場ミステリ。

1938年秋。流行探偵作家の小柳逸馬は、従軍作家として北京に派遣されていた。だが、突然の要請で、前線へ向かうこととなる。
検閲班長の川津中尉と共に、北京から半日がかりで辿り着いた先は、万里の長城、張飛嶺。
そこで待っていたのは、第一分隊10名が全員死亡という大事件だった。
なぜ、戦場に探偵作家が呼ばれたのか。10名は戦死ではないのか!? 
分隊内での軋轢、保身のための嘘、軍ならではの論理――。
従軍作家の目を通し、日中戦争の真実と闇が、いま、解き明かされる。
「戦争の大義」「軍人にとっての戦争」とは何かを真摯に捉え、胸に迫る人間ドラマ。


                        (角川書店HPより)



戦争の愚かさを描いている。
そういう作品はいくつも読んだけれど、これはちょっと異質だった。

敵がいつ襲来してくるかもわからない地で緊張感を持って日々過ごしている
兵士たち。

ある日、突然、10名が銃撃痕もなく死んだ。
その真実解明の為、現地派遣された軍事作家の小柳と彼の護衛も含めて
共に派遣された川津中尉。
2人が知った真実は・・・・。


本当に人って怖い。
というか、戦争という人が死ぬことが事件でもなく日常化している
状況が恐ろしい。
狂気を呼び、それを黙認する空気があって、何が正義かわからなくなる。

10名の亡くなった者は、死ななければならなかった人間だったのか???

町医者・老陣の最期も哀しい。
医者としての務めを果たしていただけなのに・・・・。


ああ、嫌だ。
本当に戦争って、何もかもを壊してしまう。


実際の戦地でも、これに似たようなことはあったんだろうか?
きっと、あったんだろうな。


                        ★★★




発行年月:2017年11月

第158回 直木賞ノミネート!

「友よ、最上のものを」
戦中の東京、雑誌づくりに夢と情熱を抱いて――

平成の老人施設でひとりまどろむ佐倉波津子に、
赤いリボンで結ばれた小さな箱が手渡された。
「乙女の友・昭和十三年 新年号附録 長谷川純司 作」。
そう印刷された可憐な箱は、70余年の歳月をかけて届けられたものだった――
戦前、戦中、戦後という激動の時代に、
情熱を胸に生きる波津子とそのまわりの人々を、
あたたかく、生き生きとした筆致で描く、著者の圧倒的飛躍作。

実業之日本社創業120周年記念作品
本作は、竹久夢二や中原淳一が活躍した少女雑誌「少女の友」(実業之日本社刊)の存在に、
著者が心を動かされたことから生まれました。

                    (実業之日本社HPより)




昭和12年から始まる物語。
主人公の佐倉波津子は16歳。
歌の勉強をしていたけれど、経済的事情からそれを止めて、働くことに。

勤務先は当時、人気のあった雑誌「乙女の友」の編集部。
主筆の有賀憲一郎付の給仕・小間使いとして。

絵を担当していた長谷川純司や有賀のいとこ・史絵里などと共に
次第に雑誌づくりにも関わるようになっていく。

雑誌を作る様子が大変そうだけど、なんだか楽しそう。
人間関係もよく良いチームという感じ。

けれど、時代は次第に戦争へ。

なんだか、途中からNHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」を思い出した。

戦争さえなければ、仲間として雑誌づくりを続けていけた人たちが
バラバラになりその後の消息さえわからなくなる。
なんとも辛い時代。

物語は、波津子が年老いて、施設にいて昔を思い出す形式。
そこに度々、訪ねてくる人あり。

最後はその人と面会する波津子。


懐かしい人と繋がりのある、その青年の話を聞き、多少、当時の仲間の消息も
わかる。

新たな生きる意味を得た波津子。


良い物語でした♪



                      ★★★★
 




発行年月:2018年1月

この細長い器官が、海馬。~記憶を司る器官です。記憶を蓄積するのではなく情報を取捨選択し記憶すべきかどうかを決める、まぁ、新たな記憶を生み出す場所と言えるでしょうか。――本文より

二度目の原発事故で恐怖と不安が蔓延する社会――
良心がないとまで言われる男が、医療機関を訪ねた……。

                    (光文社HPより)



主人公の及川頼也が、読んでいると段々、好きになっていく。
極悪非道なヤクザ。人の痛みがわからず、共感することもない。
反社会性パーソナリティ障害の診断。

アルコール依存症を治す目的で訪れた大学病院。
けれど、桐嶋ドクターの研究対象として、隔離された病棟での生活を強いられる
日々が待っていた。

同室の堂上、根本、辻野たちも個性豊か。

そして、小児病棟にいる藍沢梨帆との出会い。
梨帆は、他者への恐怖心が希薄で、及川に最初に会ったときから
笑顔で接する。


治療を受けるうち、この病院は異常だと気づき、脱走を図ることにしたラストは
ハラハラドキドキの緊迫感。

梨帆も一緒に助け出そうと必死の及川は、治療の成果なのか、元々持っていた
ものなのか、人を想う気持ちにあふれていた。

が・・・・ラストの場面は、色々想像できるもので、

もしかしたら、及川はジ・エンド?
もしかしたら、逃げられた?

しかし、逃げられたとしても、そのあとが、大変そう。

出来たら、梨帆と新しい生活のなかでも関係性が続くといいなと思って
読んでいたけれど・・・・
これはこれでお終いがいいのかも。


なかなか面白かった。


                        ★★★
 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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