結婚詐欺師を通して描く男女の業と性(さが)
結婚願望を捨てきれない女、
現状に満足しない女に巧みに入り込む結婚詐欺師・古海。
だが、彼の心にも埋められない闇があった……。
父・井上光晴の同名小説にオマージュを捧げる長編小説。
(角川書店HPより)
表題から想像していたかんじとは、全く別物の物語。
結婚詐欺師・古海健児(うるみけんじ)は、名前を変え、いろいろな女性に近づく。
その詐欺行為を操っている千石るり子との関係もナンだか意味あり。
騙される女性たち
柊亜佐子・・・学習塾の事務員。エッセイ教室で知り合う。マンションの頭金を騙し取られる。
円地マユリ・・・クラブ歌手。ワインの会で知り合う。
七戸鈴子・・・津軽の豪農の娘。
穂原鳩子・・・家事代行サ-ビスの会社勤務。古海と知り合い、夫に離婚してほしいと告げ別れる。
間宮千種・・・古海に騙されたあと、実家に帰郷。
初音・・・古海の妻。古海の裏の顔を知らない。
一応、メモを取りながら読んだので、漏れはないと思うけど・・沢山の女性が騙される。
騙されたことに気づく者。気づかない者。気づいてても信じたいと思っている者。いろいろ・・・。
しかし、こんなに沢山の女性を一時とはいえ虜にするんだから、古海という男には魅力があるんだろうな~。
宝石鑑定士を名乗り、結婚を匂わせて女性からお金を騙し取る。
女性達は、優しい言葉で自分を愛してくれる(演技だけど)古海に心を許してしまう。
結婚詐欺なんて、引っかかる方も悪いでしょ?なんて今まで思って来たけど、
騙されてしまう気持ちも、わからなくはないな・・・なんて思ってしまった。
マメなんだなぁ~詐欺師・古海は。
女性の敵だけど、古海に幸せな思いをさせてもらっている女性達は不幸とは言い難い部分もあるし・・・・。
騙された女性たちのなかでも鳩子の話が一番、面白かった。
夫に古海の存在を告げ、離婚はしたけれど、その夫からは離婚を告げたときひどい暴力を受けていて、そんな思いまでしながらの古海のことを想ったのに、騙されていたことに気づき、詐欺の片棒を担いでいる千石るり子のことも追い詰める。けれど、優しかった古海のことを憎み切れないかんじ。
また古海の妻・初音もちょっと曲者っぽい。
可愛い妻を演じているかんじで、古海もまた騙されている部分がある。
ここに出て来る人たちのこの後がとても気になる終わり方。
なかなか面白かった!
荒野さんのお父さん、井上光晴さんの書いた「結婚」も気になるなぁ~。
★★★★
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妹を連れて命がけの旅に出た。
幼い兄妹は雪に閉ざされた村を出て零下30℃、
150kmの道のりを2週間かけて歩き通す過酷で幸福な旅に出た
(本の帯文より)
新聞の文芸紹介で載っていて気になったので図書館で借りてみました。
この表紙の表題と写真もインパクト大!
確かにこれは凄い本でした!!
著者は、冒険家であり写真家であり作家でもある。
15年ほど前(1994年現在)にザンスカ-ルを訪れたときに出会った一家との温かい交流はいまも続いているという。
ザンスカ-ルって何処?
インドの最北部ジャンム-・カシュミ-ル州にある標高3500~7000mの高地だそうです。
夏季は快適な暮らしだけれど、冬季は、マイナス30℃までになりザンスカ-ル河は凍る場所。
本書では、そんな凍った河沿いに歩いた旅の様子が多くの写真とともに綴られる。
写真はどれも綺麗だけれど、そこに人間が一緒に写っていることが信じられないような厳しい状況。
凍った河に沿って歩くと言っても、とても危険な場所が多くて、当時まだ11歳の兄・モトゥプと8歳の妹・ディスキットがよくこんな険しい場所を2週間も泣き言ひとつ言わずに歩き通したことに驚く。
表紙の写真は、旅の途中、夜に炊く枯れ枝を集める作業をディスキットが大人たちと同じように行っている写真。
でも、この夜、狼がキャンプに近づいてきたときには怖くて泣いたとか。
それでも夜は皆で洞窟に会話をしながら楽しい時間を過ごす。
食事は、乾燥した空気と寒さから身を守るため、バタ-と塩の入った紅茶をたくさん飲み大麦を料理したもの
lこの書を読んで写真を見ていると、彼らの暮らしに比べたら恵まれている環境で、のほほんと暮らしている自分が、なんだか恥ずかしくなる。
巻末には、紹介された写真が再び小さく白黒で載り、詳しい解説がついている。
モトゥプの顔もとても精悍!
村を離れて兄妹は学校で真面目に勉強し、とても優秀で、二人とも目標を持っている。
今現在は、既にその目標を達成しているだろうか?
ちょっと彼らのその後が気になるところ。
★★★★★
直木賞作家がおくる、暗黒の少女小説。
ある午後、あたしはひたすら山を登っていた。
そこにあるはずの、あってほしくない「あるもの」に出逢うために--
子供という絶望の季節を生き延びようとあがく魂を描く、
直木賞作家の初期傑作。
(角川書店HPより)
桜庭作品のちょっと前の作品。
本作品は2004年に富士見ミステリ-文庫より刊行されたと解説がありました。
その後、角川書店でも発売されているという珍しい経緯を取る作品。
↑の解説文は角川書店のHPより借りました。
長女が図書館から借りて、「一気読みの面白さ」と言うし、未読だったので読んでみた次第。
なるほど・・・・おもしろいというとちょっと語弊ががあるけれど、凄い本だった!
中学2年生の少女2人が主な人物。
山田なぎさのクラスに転校してきた風変わりな海野藻屑。
藻屑の父親はかつて有名なバンドのメンバ-で、ルックスもよく人気があった。
藻屑も綺麗な顔をしていて、お金持ちらしく持ち物は全て有名ブランドの物。
けれど、あまりにも不可解な言動なので、最初こそ皆が取り囲んだけれど、そのうち誰も近づかなくなる。
そんな藻屑を最初から遠巻きに冷静に見ていた、山田なぎさ。
藻屑がなぎさに接近し、疎ましく思いつつも次第に一緒に行動する二人。
二人の少女には、共通するものがあった。
藻屑は父親から虐待を受けている。
なぎさは、父親を亡くし、母親と兄との3人暮らしだけど兄は引きこもりでパ-トで働く母親に代わり家事をこなす毎日。
少女たちの家庭環境は過酷。
風変わりな奇行とも思われる行動をする藻屑だけど、追い込まれた環境のなかにいたことを思うと切なくて哀れでなんだかとても愛おしい。
痛めつけられても父親のことが大好きだと言う。
そして冒頭の新聞記事の事件は起きてしまう。
最初から起きてしまう悲劇を予告されているので、辛い。
けれど、なぎさの周辺では、ちょっと良い変化があったことが救いかな?
担任教師にも好感が持てたし。
衝撃的な物語だったなぁ~。
この表題が物語を読んだあとだと、たまらなく切なくかんじる。
★★★★★
強くたくましく人生を切り開いていくシングルマザーのビルドゥングロマン!
珊瑚、21歳。生まれたばかりの赤ちゃん雪を抱え、
途方に暮れていたところ、様々な人との出逢いや助けに支えられ、
心にも体にもやさしい、惣菜カフェをオープンさせることになる……。
(角川書店HPより)
変わったタイトルだな・・・と思ったら登場人物の名前だったんですね~。
山野珊瑚は家庭の金銭的事情で高校を中退。
母親とは別れて暮らし、20歳で結婚するけど、すぐに離婚。
子ども・雪は知り合いの助産婦見習いの友達・那美に取り上げてもらった。
生まれたばかりの雪と共に食べていくためには働かなくてはならない。
どうしたらいい?そんな状況で見つけた「赤ちゃん、お預かりします」の貼り紙。
貼り紙の主は、薮内くらら。
珊瑚の救世主とも言うべき人物になる。
くららさんの作る料理が全部おいしそうだった~!
美味しい料理は、人を前向きな気持ちにさせてくれるんだなぁ~とつくづく思った!
赤ちゃんの雪を、くららに預けて、以前勤めていたパン屋さんで働く珊瑚。
しかし、パン屋さん夫妻は近いうちに外国に行くという。
さて、どうする?
珊瑚は、パン屋さんでの日々とくららの作る料理やいろいろな料理法を聞くうちに自分でもからだに良い「食」を提供したいと思い、カフェ&お惣菜のお店を開くことに決める。
オ-プンまで大変なこと。
経営面(資金繰り)のことやらカフェメニュ-についてなどを乗り越えて無事にオ-プン。
オ-プンしてからも大変なことだらけだけど、周りの人の助けをかりながら、乗り越えていけそう。
単なるサクセススト-リ-に終わってないところは、さすが、梨木さん。
珊瑚と母親との関係。
珊瑚と元・夫とその母親との関係など、いろいろな難しい感情面についても触れながら
人は一人では生きていけないし、人に助けてもらう為にプライドもときには捨てなきゃ生きて行かれないんだな・・・・
そして、食を提供するって母親なら毎日、子どもたちにしていることだけど、改めて、とっても大事なことなんだから毎日、手抜きはしても愛情は込めなきゃなぁ~なんて思ったりもした。
あと、こんな素敵なお惣菜カフェが実在したら、いいなぁ~なんて。
★★★★★
闇のなかに白い影が浮いた。ゆらり、揺れ続ける。「おいちちゃん、怖いよ。助けて……」いまは亡き友の声だ――胸騒ぎを感じたおいちは、友の必死の訴えに耳を傾ける。
本書は、この世に思いを残して死んだ人の姿を見ることができる娘・おいちが、その能力を生かし、岡っ引きの仙五朗とともに複雑に絡んだ因縁の糸を解きほぐしていく好評「おいち不思議がたり」シリーズ待望の新作!
(PHP研究所HPより)
このシリ-ズも長く続いて欲しいなぁ~。
おいちちゃんがだいぶお医者さんに近づいて来ました。
父親は町医者の松庵先生。
母親を幼いときに亡くし、以後、父と二人暮らし。
母親代わりの伯母(母の姉)・おうたさんも相変わらず威勢が良くて会話が楽しい。
けれど、哀しい事も起きてしまう。
おいちの友達、おふねちゃんとお松ちゃん。
仲良しトリオだったのに・・・
けれど、いつまでも友達想いの3人の絆は変わらない。
そんなところにも感動。
毒殺事件も起きて、話がどんどん謎めいて行き先を読まずにいられない展開でした!
そして、そんな事件を追ううちに明かされた、おいちの出生の秘密。
なるほど・・・・・そういう真相があったんだ~。
シリ-ズ1作目よりも断然、面白かった!!
おいちが医者として成長する姿も読みたいので、まだまだこのシリ-ズは続いて欲しいな。
おいちちゃんがだいぶお医者さんに近づいて来ました。
父親は町医者の松庵先生。
母親を幼いときに亡くし、以後、父と二人暮らし。
母親代わりの伯母(母の姉)・おうたさんも相変わらず威勢が良くて会話が楽しい。
けれど、哀しい事も起きてしまう。
おいちの友達、おふねちゃんとお松ちゃん。
仲良しトリオだったのに・・・
けれど、いつまでも友達想いの3人の絆は変わらない。
そんなところにも感動。
毒殺事件も起きて、話がどんどん謎めいて行き先を読まずにいられない展開でした!
そして、そんな事件を追ううちに明かされた、おいちの出生の秘密。
なるほど・・・・・そういう真相があったんだ~。
シリ-ズ1作目よりも断然、面白かった!!
おいちが医者として成長する姿も読みたいので、まだまだこのシリ-ズは続いて欲しいな。
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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