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読んだ本の感想あれこれ。
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a68eed85.jpeg発行年月:2012年4月

きて行きさえすれば、いいことがある。

笹野真理子が函館の神父・角田吾朗から「竹原基樹の納骨式に出席してほしい」という手紙を受け取ったのは、先月のことだった。十年前、国内最大手の化粧品会社華清堂で幹部を約束されていた竹原は、突然会社を辞め、東京を引き払った。当時深い仲だった真理子には、何の説明もなかった。竹原は、自分が亡くなったあとのために戸籍謄本を、三ヶ月ごとに取り直しながら暮らしていたという――(「かたちないもの」)。
 道報新聞釧路支社の新人記者・山岸里和は、釧路西港の防波堤で石崎という男と知り合う。石崎は六十歳の一人暮らし、現在失業中だという。「西港防波堤で釣り人転落死」の一報が入ったのは、九月初めのことだった。亡くなったのは和田博嗣、六十歳。住んでいたアパートのちゃぶ台には、里和の名刺が置かれていた――(海鳥の行方」)。


 雑誌「STORY BOX」掲載した全六話で構成しています。


                                          (小学館HPより)


6編の短編集。
「かたちないもの」
「海鳥の行方」
「起終点駅」
「スクラップ・ロ-ド」
「たたかいにやぶれて咲けよ」
「潮風の家」
それぞれ違う話だけれど、二番目の話「海鳥の行方」と「たたかいにやぶれて咲けよ」は
主人公は同じで新聞記者の山岸里和が取材先で出会った人との話。


どの話も重いものがあり、平穏な暮らしのなかに大きなものを抱えている人たちの話。
切ない気持ちにもなる。
でも残された者は、その人のことを生涯忘れずに前を向いて進む。
いろいろ考えてしまった。

特に印象的だったのは、「スクラップ・ロ-ド」かな?
早すぎた出世を妬まれ、嫌がらせに耐え切れず銀行を自主退社した男。
偶然、粗大ゴミをあさっている男女を目にする。
男は、幼い自分と母親を捨てた父親だった。
この話のラストは、なんとも切なかったなぁ~(/_;)
男の父親の最期が哀し過ぎる。
けれど、そんな父の最期を受け止めて男は奮起するのかな?・・・して欲しい!!


桜木さんの物語は、ちょっと暗いかんじが多いけど、じ~んと来るものがあるな。


                                         ★★★★

 


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