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読んだ本の感想あれこれ。
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41D4aAgLTzL__SX230_.jpg   発行年月:2012年5月

   町の中に、家の中に、犯罪の種は眠っている

   普通の町に生きるありふれた人々にふと魔が差す瞬間、
   転がり落ちる奈落を見事にとらえる5篇。
   現代の地方の姿を鋭く衝く短篇集

                     
   (文藝春秋HPより)




5つの短編集。
「仁志野町の泥棒」
ミチルは小学3年生のとき転校して来たりっちゃん(律子)に遭遇。
そして思い出す子どもの頃のこと。
律子の母親のしていたことを町の大人たちは、なかったこととしていた。


「石蕗南地区の放火」
財団法人町村公共相互共済地方支部勤務の笙子。
消防の詰め所が家事になり、災害共済金支払い手続きのため消防署へ出向く。
消防署は笙子の実家のすぐそば。
そして、消防員のなかにはかつて合コンで知り合った大林が居た。


「美弥谷団地の逃亡者」
ネットの出会い系で知り合った陽治に海に誘われ一緒に行動する浅沼美衣。
陽治は優しい面もあるが、暴力を振るうことも再三。
そして、明かされる陽治と行動をする直前のこと。


「芹葉大学の夢と殺人」
高校の美術教師・二木美玖がホテルの非常階段から転落死。
首には何者かに強く絞められた跡。
美玖は先月、芹葉大学で他殺体で見つかった坂下工学部教授の教え子であり、死体遺棄容疑で指名手配中の羽根木雄大容疑者の元交際相手でもあった。
事件が起きるまでの真実が明かされる。


「君本家の誘拐」
良枝は買い物途中、ベビ-カ-に乗せて一緒に居た、生後10ヶ月の咲良の姿がないと店員に申し出てあちらこちら探す。
26歳で結婚し、やっと授かった子ども。
誘拐したのは??


どの話も、切ないような哀しいような・・・。
犯罪を犯す人って、何も極悪人ばかりじゃないんだな・・・・と思う。
ちょっとした抜け出せない状況に追い込まれて、そんななかでいろいろな偶然とかが犯罪を起こし得る状況を生み出してしまい、罪を犯してしまう。

2番目と3番目の話は、殺人を犯しての・・・・なので、それぞれの犯人には身勝手な考え方で殺された人のことを考えたら、腹立たしかった。

最後の「君本家の誘拐」は、子育て経験のある人なら、良枝の行動は、ある程度、共感出来る部分がある。
大事に至らなかったことに心底ホッとした。


読んでいて後味のあまりよくない話ばかりだったけど、物語としては、なかなか面白いと思った。

表題作があるのか?と最初は思って読んだけど、読み終えてみたら表題がついた作品はなかった。
けれど、逆に全ての話をこの表題で表しているのか?と思うと、なかなか巧いなぁ~とも思う。

好き嫌いは、分かれそうだけれど、わたしはこういう作品も結構、良いと思う。


                                         ★★★★

 



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