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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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41nhc4M0MeL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年9月

未来どころか過去の時間も奪われたような……
絶望感に向き合って、見えてくるものは。


平穏に暮らしていたはずの両親。その父が突然いなくなった。
思い出の詰まった実家も売却されていた。
何一つ身に覚えのない母は、
なぜと叫びながらも答えを手繰り寄せていく。
               
苦しみの量というのは、誰にも一定なのではないだろうか。
自分はその苦しみがこれまで少なかったのかもしれない。


だから今少し、その苦しみがやってきたような気がする。
幸せの量は一定ではないのだと確信している。
幸せは自分しだいで増やせるものだ。

                                    
(光文社HPより)


面白かった!!
話は深刻なんだけど・・・。

70歳目前の園原聡子の夫が突然、行方不明。
不倫相手と暮らすことになったという。
そして離婚届け、持ち家は売却されたという。
聡子の手元には自身の名義の預金通帳200万円。
引越しを余儀なくされる。

うわ~最初から凄い。
気が重くなるような深刻な状況。

物語は、冒頭、聡子の夫であった章が自宅で独りで亡くなっていたというところから始まる。
そして、そうなった経緯が時系列で語られる。

大変な状況を助けるのは、聡子の娘・香織と姪の優子。
娘は結婚し、夫と娘2人。
優子は母親を病気で亡くし、父親と暮らす。父親は聡子の弟。
聡子が母親の代わりという気持ちもあり親身になり聡子のことを気遣う。

法律事務所に理不尽な目に遭った母親の無念を相談し、不倫相手を訴えることも出来ると聞き、
章の不倫相手沼田和恵を相手に訴えるが
逆に沼田側からは名誉毀損の訴えが起き、裁判になる。


沼田和恵・・・ひどい女だな。
聡子の夫・章・・・・バカな男だな。

結末は?と気になり一気読みでした!
理不尽な目に遭っている聡子だけど、不幸だと嘆いている様子があまり見られない。
前向きと言うのか?
なんでもっと怒らないのか?と思ってしまう部分もあったが、
終盤、聡子の人柄がわかる言葉で、ああ、こういう考え方もあるんだなぁ~と思った。

自分自身に聡子が言い聞かせる言葉
不幸の量はみんな同じ、幸せの量はその人それぞれ

なるほど・・・・。深い言葉だ!


裁判の結末は、聡子が勝訴し、その後、和恵側は控訴するが、その後の調査で
和恵の証言は偽りが多いことが判明。

勝訴したことよりも、自分には、周りに気遣ってくれる身内が何人もいることに
幸せを感じる聡子。
ああ、こんな素敵な女性の元を去った章が、本当に大ばか者に思える。

ホイッスルの意味もよくわかった。
法律事務所の弁護士・芳川と事務員・涼子も良心的な人たちで
聡子の周りには頼もしい味方がいっぱい。
この先は平穏な日々が続くといいな。
聡子さん、がんばれ!!とエ-ルを贈りたい。

初読みの作家さんだったけど、すごく面白かった。
過去の話にも興味を覚えたので、それも読んでみたい!




 

★★★★★


 



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41rorQigW6L__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年9月


絶賛された受賞作に、著者の最新最高の作品を合わせた花束のような短編集!

空港の国際線到着ロビーを舞台に、渦のように生まれるドラマを、軽やかにすくい取り、「人生の意味(センス)を感得させる」、「偶然のぬくもりがながく心に残る」などと絶賛された、川端賞受賞作。恋の始まりと終わり、その思いがけなさを鮮やかに描く「寝室」など、美しい文章で、なつかしく色濃い時間を切り取る魅惑の6篇。


                      (新潮社HPより)

既に発表済みの6編を集めた書なので、「あ、これ読んだことある」という作品もありましたが
こうして順番に読むと、何か共通するようなものを感じた。

<犬とハモニカ>
空港の到着ロビ-に居る人々、それぞれがどういう経緯でここにいるのかが個別に語られる。
そして、飛行機が空港について同じ飛行機に乗り合わせていた人たちが降りてきて
僅かな関わりがあって・・・・。
犬とハモニカもそこに登場。
空港の情景が目に浮かんでくるような楽しさがあった。

<寝室>
5年間付き合った恋人から別れを切り出されショックを受ける文彦。
文彦には妻子がある。
恋人から言われた言葉「あなたはどのくらい困ったひとかわかっていない」
未練が残ったまま帰宅した文彦だったが、帰宅した途端、その気持ちは薄れベッドで寝ている
妻をみて恋人と別れたことに感謝したい気持ちになる。
まったくもって困ったおとこだ・・・・笑

<おそ夏のゆうぐれ>
付き合って半年の男と旅行。
旅行先で男に向かって「食べたい」という。
文字通りの意味にビックリしたが・・・・食べたのはほんの指の皮膚。
ちょっと怖い女。
食べれば自分の一部になっていつも一緒にいる気分でなにも怖くなくなるからと・・・
一番怖いのは、この女だよ~。
でもなんとなくそういう自分も冷静に見ているかんじで更にゾッ。
話としては面白かった。

<ピクニック>
結婚5年の夫婦。
週末は近所の公園に昼食を持って出かける。
ピクニックは妻の好み。
夫がその理由を聞くと「外で見る方があなたがはっきり見えるんだもの」と。
ちょっと不思議なかんじ。
夫もそれを感じるが・・・・この夫婦の今後がちょっと心配。

<夕顔>
付記にもあったが、これは江國流、源氏ものがたり。
儚く美しい源氏のピュアな恋物語。

<アレンテ-ジュ>
ポルトガルが舞台。
ゲイのカップル、マヌエルとルイシュが、リスボンからアレンテ-ジュに旅行。
旅行先で出会った人たちとのことで、小さな諍いが起きるが、仲直り。
町の様子がなんだか面白い。
街頭もまばらな道の壁に一列に並んだ、おばあさん8人は、江國さんがポルトガルに
旅行中、実際にみたそうだ。
どうしてそんな風に並んで??理由がしりた~い!!


どの話もとってもよかった。
たぶん、江國さんの文章が読んでいてとても心地いいからかな?
それぞれの話のなかで、登場する人たちが、身近な人からの言葉や態度から
ちょっとした違和感とか孤独感を感じる瞬間がうまく描かれていた。

いつもながら表題のセンスには脱帽です♪



 
★★★★
41teLSPHoXL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年8月

日本の未来を救う!? 
コメから採れる新燃料を求め、
農業知識ゼロの24歳女子が単身農村へ。
果たして新エネルギーは獲得出来るのか?


                   (中央公論新社HPより)




面白かったなぁ~。
東京のガラス機器メ-カ-で働く瀬野梢恵(24歳)は、
仕事にやる気が出ない状態。
なんとか毎朝、自分の気持ちを鼓舞させて出勤していた。
そんな梢恵に社長が突然、自身が開発した
バイオエタノ-ル製造装置を使うにあたり
バイオエタノ-ル用の安い米を作付けを頼んで来いという。
任務完了までは長期出張扱いにするという。
そして、長野県へ。

農家を訪ねいきなりバイオエタノ-ルのための米を
作ってくれないか?と言ったところで誰にも相手にされない梢恵。
そんなとき、農業法人「あぐもぐ」を訪ねてみたら?と言われ
社長の安岡茂樹の家に。
最初に対応してくれた茂樹の妻・君江は優しく親切に話を聞いてくれたが・・・
茂樹にはキツイ言葉を投げかけられる。
しかし、自分の会社のやろうとしている意図を熱心に語り、
先ずは農業を一から学べと言われ、住み込みで農業体験をすることに。

農業は大変だという認識しかなかったけれど、
こうして物語を読んでいくと自分が関わったことが形になって、
最後は収穫という喜び、それを実際に食すことが出来るって、
素晴らしいことだな~と思った。

小説なので、本当に辛いことはサラッと書かれているんだろうけれど・・・・
こういう小説を若者が読んで農業をこれからの自分が学ぶ選択肢のなかに
入れてくれたら素晴らしいかも。


3.11の震災の話も出てきて、福島県の農家の皆さんの苦悩が少し理解できた。
震災のことをまたこうして物語から深く考えさせられた。
忘れたらいけないことですね・・・・。

東京の片山製作所の社長さんも素敵な人でした!
梢恵のことをよ~く考えて長野に行かることで、梢恵が変わるのでは?
と最初からある程度予測していたのかも。
実際、梢恵は農業の面白さに目覚めたみたいで、
きっと長野でこれからも生きて行くんだろうな。

表題の意味もよくわかりました!!
美味しいお米、野菜、一生懸命育ててくれた人がいるから、
わたしたちがいただけるんですね。
当たり前のことも思い出させてもらいました!!

誉田さん、幅広い分野の話を届けてくれますね~(^^)


                                        ★★★★★



 
51Fnd78G4ML__SX230_.jpg    発行年月:2012年10月
 


    ただ普通に、幸せになりたい------。
    つきあって2年になる彼との平凡な結婚を
           夢見ていた莢子が知ってしまった、
          思いもかけない彼の秘密とは。
    「女子読み恋愛小説」1位に選ばれた名手が、
    ふいに奪われた穏やかな日常と、揺れるアラサー女子の姿を等身大に描く。


                                             (朝日新聞出版HPより)



今まで読んだ作品は、ほのぼの系の恋愛話でしたが、この話は結構、シビア。
派遣社員として、資格学校の事務として働く莢子(さやこ)には、恋人の篤志がいる。
篤志も以前は同じ学校で、非常勤講師として会計学や税法の講義をしていた。
そのときから交際が始まり、事務員仲間も知っていること。

あるひ、同僚から篤志が女性と一緒に歩いているのを目撃したと知らされ、莢子も偶然、それと
同じ状況を目撃。
後を付けて行き知った事実。
宗教法人に属しているということ。

最初はそれでも篤志の今までの人柄を信じ、結婚することにも前向きだった莢子だったけれど、
段々と気持ちに変化が出て結局、二人は別れる。

う~ん。
たぶん、正しい判断でしょう。

篤志も莢子も宗教の問題さえなければ、普通に結婚して幸せな家庭を築けたのでしょうけど・・・。
こういうことで別れるって辛いね~。
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表題の「オキシペタルム」は植物の名前らしい。
調べたらとても可愛い花でした!

花言葉は<信じあう心>だとか。
う~ん、この表題のセンス素晴らしい!!

別れることに決めた二人だけれど、それぞれが幸せになってほしいな。



今までの作風とは違うけれど、こういう話も面白いかも。


                                           ★★★
 
41GG0EBSE9L__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年8月


五つの謎と一つの恋
恋と占いと謎解きの連作短編集!

カメラマン耕太郎は占い師の桜子の仕事場によくいる。心配性の彼女を思って、客の不幸を的中させないように動くのだ。二人の未来は?

第一話 守りたかった男
第二話 翼のない天使
第三話 ミツオの帰還
第四話 水曜日の女難
第五話 桜の咲かない季節


                                        (講談社HPより)


主人公・乾耕太郎はフリ-の報道系カメラマン。
占い師の深沢桜子(七ノ瀬桜子が仕事上の名前)とは、父親同士が親しくしていた。
耕太郎が中学3年のとき、父が病死し母親の実家のある地に引越しを考えた際、深沢家に下宿の話が進み20歳を機に深沢家を出た。
カメラマンとして独り立ちし、再び深沢家のそばのアパ-トを借りて住んでいる。

桜子の父は天山と名乗り、占いをしていたが、取材で訪れていたインドになぜか合流し、強盗により胸を刺される。
一命を取りとめ帰国はしたが、怪我の後遺症で襲われてから1年後に亡くなった。

桜子と耕太郎は以前から好意をお互いに持っていた。
耕太郎は桜子をいつも見守るかたちでよく【占い処七ノ瀬】に顔を出している。
占いの客に降りかかる災いを感じアドバイスをする桜子を影からみて、その客のその後を追跡したり・・・。


最初の二つは、占いに来たお客の話。
三番目<ミツオの帰還>は12年前のホ-ムレス襲撃事件の犯人と噂されていた当時の素行不良の少年・光男と桜子のこと。
なんだか後味が悪い話でした。

四番目の<水曜日の女難>は留守番中の占い処に来た女性・笹森陽子は、耕太郎にしつこくアタックしてくる。スト-カ-まがいの行為をしたり怪しいかんじだったけど、その理由は、復讐だったという話。
陽子にとっては不運では済まされない耕太郎の撮った写真。

最後は表題作<桜の咲かない季節>
桜子と耕太郎の関係が進展したかんじのラスト。
二人は新たな生活をスタ-トさせるのかなぁ~という思わせぶりなラスト。
う~ん、続編があるといいのにな・・・・。

ちょっとしたミステリ-ありの連作短編集。
なかなか良かった♪


★★★★
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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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