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読んだ本の感想あれこれ。
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41dXNChXF1L__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2010年3月


想いを貫いた江戸の人々の生きざま。<ハヤカワ・ミステルワ-ルド>からの入魂の歴史小説。

江戸参府のオランダ使節団が、自分たちの宿「長崎屋」に泊まるのを、るんと美鶴は誇りにしていた。文政五年、二人は碧眼の若者、丈吉と出逢い、両国の血をひき彼と交流を深めてゆく。まもなく、病人のために秘薬を探していたるんは、薬の納入先を聞きつけた丈吉と回船問屋を訪れる。が、店に赴いた彼らが発見したのは男の死体だった。さらに、数年後シ-ボルトをめぐる大事件が起こり、姉妹はその渦中に。


                                          (早川書房HPより)


少し前に、朝井まてかさんの「先生のお庭番」を読んでいたので、その同じ時代の話ということで
興味深く最初から最後まで読みました。

オランダからの商館長が代々、泊まる「長崎屋」という宿屋。
そこの姉妹・るんと美鶴。
器量よしの二人は世間でも評判。
そして、成長した二人の前に現れたのは、碧い眼の若者・丈吉と親しくなる。
丈吉は先のオランダ商館長・ヘンドリック・ドゥ-フと日本人の母(長崎の遊女だった)との子。

シ-ボルトにも日本人の女性との間に娘・イネがいるのを知っていますが、
この時代、そういう子どもは他にも居たんですね~。
丈吉は、その後、不幸な目に遭うのが切なかったなぁ~。

史実を交えての物語なので、教科書で見た名前が結構出てきます。

怪しい武士が間宮林蔵だったり・・・・。

シ-ボルトが来日し、やがて起きたシ-ボルト事件に、るんや美鶴の愛する人たちも巻き込まれていきます。
シ-ボルト事件でそれに関与した者の厳しい取調べがあったのは、「先生のお庭番」やほかのもので読んで知っていましたが、こうして物語のなかの人物の身近な人が苦しめられるのは、辛かった。

多くの人が犠牲になったシ-ボルト事件は暗い事件だけれど、たシ-ボルトは
日本で過ごした貴重な体験を大事に思い、自分を拘束することになった事件の密告者(間宮林蔵)の功績を称え世界に林蔵の名を広げたことは嬉しい。

密告者としての汚名がついた林蔵も格好よかった。

皆、それぞれ自分の信じる思いを貫いただけ。

シ-ボルトの娘・イネのその後のことがちょっと興味あるな・・・。
調べてみようかな?



どんどん、新刊を出される葉室さんですが、少し前の作品も良いです(^^)

★★★★

 
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