美の巨匠たちは何と闘い、何を夢見たのか
ドガ、セザンヌ、モネ、マティス。時に異端視され、時に嘲笑されながらも新時代の美を果敢に切り拓いた偉大なアーティスト四人の愛と友情、そして格闘の日々を色鮮やかに蘇らせる短編集。
(集英社HPより)
4人の画家たちの日常を描いた短編集。
美術に詳しい著者だからこそ書けた物語でしょう。
「うつくしい墓」
アンリ・マティスの元で家政婦として働いていた女性・マリアの話として語られる。
マリアがマティスの家で活けたマグノリアの花一輪。
作品=マグノリアの花と静物
「エトワ-ル」
エドガ-・ドガの作品に魅せられた画家志望のメアリ-・カサットの視点で描かれる
ドガの作品についてのあれこれ。
作品=14才の小さな踊り子 障害競馬---落馬した騎手
「タンギ-爺さん」
ゴッホの作品タンギ-爺さんのモデルになった男の娘の視点で描かれる。
ゴッホと親交が深かったセザンヌ。
まだ名が世に出ない画家たちの唯一の理解者だったのが、画材屋の主人・タンギ-爺さん。
お人好しな彼のおかげでどれだけの画家が育ったか?
「ジヴェルニ-の食卓」
モネの二番目の妻の連れ子であったブランシェによって語られるお話。
美しいモネの庭園の様子とブランシェが考える食卓の様子が頭に浮かび、とても幸せな気持ちになれた。
最初の妻を亡くし、息子も亡くしたモネだけど、優しい色彩の絵は、温かい人たちに囲まれていたからだろうか?
有名な画家たちですが、どんな日常を送っていたかまでは知らなかったので、こうして物語になると
より親しみを感じて作品を見る目も変わりそう。
他の画家たちのお話ももっともっと読みたいな~。
★★★★★
PR
「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」著者入魂の、書き下ろし長編。
持つものと持たないもの。欲するものと欲さないもの。二種類の女性、母と娘。高台にある美しい家。暗闇の中で求めていた無償の愛、温もり。ないけれどある、あるけれどない。私は母の分身なのだから。母の願いだったから。心を込めて。私は愛能う限り、娘を大切に育ててきました――。それをめぐる記録と記憶、そして探索の物語。
(新潮社HPより)
新潮社のHPみて「これが書けたら、作家を辞めてもいい」と思ったとか。
湊さんの自身作ということかな?
湊さんお得意の主人公達がそれぞれの立場で語る手法。
今回は、母親とその娘。
母親はルミ子。
自身は母親が大好きで、その母親から愛情をいっぱい貰ったと思っている。
実際、ルミ子の母親は素晴らしい人だったと思う。
けれど・・・ルミ子が成人しても第一に考えるのは母親のこと。
自分の娘・清佳(さやか)が生まれれもそれは変わらない。
清佳が気の毒でならなかった。
そして、起きる事故。それによりルミ子は母親を失う。
そのことが更に娘を心の中で憎むことに繋がってしまう。
清佳は、母親から愛されないことを辛く思う。
う~ん。嫌な話だった。
辛すぎる・・・(/_;)
自分が娘であり、娘を持つ母親だから、余計にこんなことありえないでしょ!?と
ルミ子の考え方に腹立たしさを覚えた・・・というよりはゾッとした。
でも、こういう人、居るのかな?
全くの悪人という風でもないから他人からは見えにくい。
本人も自分は子どもをちゃんと愛していると思い込んでいるし。
最後は一応、丸く納まるかんじだったけれど、この先はどうなんだろ?
なんて要らぬ想像をしてしまった。
清佳が幸せにこの先は暮らせますように・・・・。
でも、ふと自分自身のことを考えて不安になった。
わたしの娘たちは、自分は愛されていると思ってくれているだろうか???
好きな話じゃなかったけど、先へ先へと読み進めさせる文章はさすが。
★★★
下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マル。風変わりなシェフのつくる料理は、気取らない、本当にフランス料理が好きな客の心と舌をつかむものばかり。そんな名シェフは実は名探偵でもありました。常連の西田さんはなぜ体調をくずしたのか? 甲子園をめざしていた高校野球部の不祥事の真相は? フランス人の恋人はなぜ最低のカスレをつくったのか?……絶品料理の数々と極上のミステリ7編
(東京創元社HPより)
小さなフレンチレストラン<パ・マル>が舞台のミステリ-が7つ。
カウンタ-席7つ。テ-ブル5つ。
シェフは店長でもある三舟、料理人は志村、ソムリエはレストラン従業員のただ一人の女性・金子、
そして、物語の語り部でもあるホ-ル係りの高築。
表題作は一番最初
タルト・タタン・・・りんごをいっぱい使った焼き菓子。
読んでいたら食べたくなって来た!^^;
ほかのお話にも美味しそうな料理が出てきて、名前も聞いたことないようなものもあって
ミステリ-よりも料理の方が気になった^^;
ミステリ-は、そんなに重くなく、ちょっとした疑問が浮かぶけれど、その理由を知れば、なるほどねと納得出来るようなもの。
最後の「割り切れないチョコレ-ト」が好きだったなぁ~。
チョコレ-ト店<ノンブル・プルミエ>・・・・意味は素数。
ベルギ-に修行で出かけた兄は帰国後は人が変わったようだと妹が言う。
優しい兄だったのに・・・・入院した母親の見舞いに行かないと。
素数の数しか、箱詰めにされたチョコレ-トがない意味は・・・・彼の優しさだったんですね。
第二弾が発行されているようなので、またの機会に読んでみよう。
★★★★
死んでしまったはずのあの人が見守っていてくれる街……。東京の下町、アカシア商店街に起きた心暖まる、7つの奇蹟の物語。
不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男の正体が、古本屋の店主と話すうちに次第に明らかになる「紫陽花のころ」。古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した“かたみ”の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。7つの奇蹟を描いた連作短編集。
(新潮社HPより)
朱川さんらしい、懐かしくて、ちょっと怖くて、でも心温まるお話が7つ。
どの話も「アカシア商店街」とその周辺が舞台。
アカシア商店街のなかにある古本屋の年老いた店主が独特な雰囲気で良かった。
店に来るお客さんには、本人には気づかれない心配りを忘れない。
でも、そんな店主にも過去には、哀しい出来事があり、そのことをずっと重たいものとして抱えていたと知る。
あの世と通じていると言われるお寺の存在の怪しさも物語の良い雰囲気づくりを買っていた。
お寺で遊んでいた少女が古本屋の店主に言付けを伝える場面は、ジ~ンとした。
全体の雰囲気も昭和が舞台なので、懐かしい。
表紙の絵もいいなぁ~(^^)
★★★★
著者初の自伝的小説
遺品の中から見つかったテープは、文字の書けなかった母から息子への遺言だった…。社会全体が貧しく、家族間の体温が熱かった時代の感触が濃密に甦る。「在日」の運命を生き抜いた親子二代の物語。
(集英社HPより)
「悩む力」で有名な、姜尚中さんの自伝的小説。
在日韓国人ということは知っていましたが、自身の生まれる前からの家族の歴史が綴られています。
韓国人の両親が日本に来るのは母が16歳のとき。
既に日本に渡り仕事を見つけていた父・姜大禹(カン・デウ)に見初められ、韓国に留まるより、少しは楽な暮らしが出来るかもと父親と共に日本へ。
そして、それは太平洋戦争が勃発する年の初めだった。
東京で暮らしていた二人だったが、父親の妹夫婦も一緒に尾張一宮(愛知県)へ疎開。
東京大空襲は逃れたが、その間もなく、名古屋大空襲に見舞われることになる。
そして、父の弟・テソン(大学の法学部に通い、憲兵となって熊本に赴任中だった)の元へ。
しかし、熊本でも大空襲に遭うがなんとか生き延びる。
そして終戦。
テソンは軍からの呼び出しを恐れ、祖国に戻る。残されたテソンの妻と娘は、父が面倒を見ると約束。
いつか日本に迎えに来ると約束したが・・・・・。
そして熊本で生活を始める。
空襲から逃れる最中に亡くした長男・ハルオの次に生まれたのが賛中(日本名・正男)。
そして鉄男(尚中)は三男。
貧しい暮らしのなかでも、困った家族が居れば助け共に生きる。
日本人でも敗戦後は食べるのがやっとの時代のなかで、食べて行くのは容易ではなかった様子。
しかし、母親は逞しい。
また日本人からは蔑みの言葉や不当な扱いを受ける。
それについては、日本人として申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
けれど、日本人を恨むようなことばが一切、ここには出て来ません。
そのことがさらに申し訳ない気持ちを強くさせました。
辛く厳しい生活のなかで、それでもへこたれず、前だけを向いて生きる家族たち。
そして、「永野商店」を建てる。
廃品を集めて廻る仕事。
トラックがあれば・・・と思い、懸命に勉強して車の免許を取る父。
商店はやがて兄が引き継ぎ、三男の著者が勉学に励む。
そして大学進学、海外留学・・・・。
両親の頑張りがあってこその今に感謝している気持ちがよく伝わって来た。
素晴らしいご両親だなぁ~。
とても感動しました!!
★★★★★
カレンダー
| 05 | 2026/06 | 07 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 4 | 5 | 6 | |||
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 |
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(06/03)
(06/02)
(05/31)
(05/29)
(05/26)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア
