13世紀、フランス。“天啓”を受けた羊飼いの少年・エティエンヌの下へ集った数多の少年少女。彼らの目的は聖地エルサレムの奪還。だが国家、宗教、大人たちの野心が行く手を次々と阻む―。直木賞作家・皆川博子が作家生活40年余りを経て、ついに辿りついた最高傑作。
(ポプラ社HPより)
少年十字軍のお話。
悲劇的な最後が待っているのかなぁ~と思いながら読み進めたけれど
史実に基づきながらも、悲しいだけでない物語だったので、最後はちょっと救われた。
ある日、神の啓示を受けた貧しい羊飼いの少年・エティエンヌ12歳と彼の力を信ずる子どもたちが聖地エルサレム奪還を目的に旅を続ける。
彼が本当に神に選ばれた者なのか、疑う者もあり、信ずる者もあり。
少年たちに付き添う形で大人も数人、途中から旅に加わる。
そしてエティエンヌに対抗心を燃やし、自ら胸に十字の焼印を押し、自分こそが神に選ばれた者であり
エティエンヌは偽者と申し出たレイモン。
レイモンとは対照的にエティエンヌは、始終、穏やか。
仲間のなかにけが人が出れば、癒しの力を使い、レイモンの瀕死状態も救う。
レイモンに仕えていた者もエティエンヌのほうを心の中では認めたり・・・・
そして、旅の仲間で唯一の女の子・アンヌ(13歳)の洞察力は鋭い。
アンヌ視点の、エティエンヌとレイモンについての語りの部分が興味深かかった。
聖地に向かう難所、海を目の前にしてのラストの場面は
現実と空想が入り混じるような不思議な感覚で果たして少年十字軍たちは、この先どうなる??と
はっきりした終わり方ではない。
けれど、史実通りならば・・・・・・・とあれこれ想像。
もう少し、別の書物でも少年十字軍について学んでみたいと思った。
読み応え十分でした!
表紙の絵も素敵です。
★★★★
出口なし、人生も台なし! ローン地獄、建替え問題、娘の将来……「住」に翻弄される家族の真っ暗な現実を描く長篇小説。
バブル崩壊前夜、都心から1時間の分譲団地を購入した織部家。広大な敷地には緑があふれ、「ニュータウン」と持て囃されたが、築30年を越え、妻の頼子は理事会で建替え問題にかかわる。が、住民エゴで理事会は紛糾、娘の琴里は資産家の男とつきあい、一家は泥沼から脱出を試みるが……。社会問題を炙り出す気鋭の長篇エンターテインメント。
(新潮社HPより)
織部家は前途多難・・・・うぅ~暗い話だ・・・・と冒頭から思った。
分譲団地の資産価値が急落し、住民の間で持ち上がった、建て替えにして新たな住民を呼び寄せようという意見が多く出てきた。
団地内の自治会役員になり、会合に出るたび、建て替え問題、賛成派、反対派の意見は平行線。
役員の一員である、織部頼子は、頭のなかで、建て替えされたら即、売ってしまうのもいいか?と考える。
その建て替え問題と平行して進む・織部家の長女・琴里(27歳)の話。
中学時代、同じ分譲住宅内に住んでいた同級生の坂本三起子と小川朋美。
3人で会う約束をしたが、朋美が来られず、三起子はイケメンの彼・黛環を連れてきた。
戸惑う琴里だが、ひょんなことから、黛とデ-トすることに・・・・そして三起子は別の男と海外へ行き、結婚したと後日、黛から聞く。
黛の実家は代々続く資産家でありことが判明。
黛は働かなくても、不動産を管理しているだけで食べていけるそう。
そして、黛からしつこく付きまとわれることになる琴里。
黛の本性が段々と分かってきて、お金持ちでも自由がないのは我慢できないと、別れを切り出す。
黛みたいな人が居たら、イヤだな。
悪い人じゃないかもしれないけど、自分を過大評価している姿が滑稽。
後半、黛の同級生から明かされた彼の本性を知って・・・ああ、なるほどね~と納得。
でも、その黛をうまく利用したのが朋美。
本性を見破ったうえで、それを利用して自分の夢を叶えてしまったのは、凄い!
マネできないけど、こういう選択もアリかな?
最初は、お先真っ暗な織部家だったけど、最後は、なんとか明るい展望も見えてきてホッ。
垣谷さんのお話は、最後にちょっと救われるから好き♪
また、あの基地に集まろう。そう誓ったのに
同級生4人の男子が作った秘密基地を巡る表題作「サクラ秘密基地」など夕焼けのような郷愁と、乾いた心に切ない涙を誘う6本の短編。
(文藝春秋HPより)
昭和を描いた短編6つ。
「サクラ秘密基地」
小学4年生のマナブ、同級生のヨシヒロ、その弟で小2のミツヒロ
ミツヒロの友達・ショ-スケ、4人は放課後一緒に遊ぶことが多く、本当の兄弟みたいに仲良しだった。
それぞれが抱えた家庭の事情を4人でいれば忘れられたのに・・・・・。
ショ-スケが可哀想で、胸が痛くなりました・・・(/_;)
「飛行物体ルル-」
小学校で同級生だった啓子とマリ。
お互いが当時は珍しいかぎっ子だったため、放課後は一緒に過ごすことが多かった。
二人でUFOの合成写真を撮ったら地元の新聞に掲載されマリが取材を受けた。
けれど、そのことが二人を仲たがいさせることに・・・・。
最後、啓子が入信した宗教団体が分かったときはゾッとした。
「コスモス通信」
よくわからない手紙が綴られて、誰かの思い出話?と思っていたら・・・・
その書いた本人は遺体で発見され、所持していた手紙だった!
うわ~気持ち悪い話。
「黄昏アルバム」
写した覚えのない写真が撮れるカメラ。
その元々の持ち主は・・・・
これもちょっと怖かったなぁ~。
死んでも強い思いはこの世に何か残すのかな?
「月光シスタ-ズ」
精神を病んで亡くなった母親のことを語る。
が、姉によると自分も母親と同じ病気を子どもの頃、患っていたと言う。
不思議な話、そしてやはり怖い。
「スズメ鈴松」
アパ-トの住人・鈴松と呼ばれた乱暴者の話。
酔っては暴れる男だけど、小2の息子・ヒロ坊には愛情を注ぐ優しい父親の姿を見せる。
そんな父子と親しくなった河本が語る。
最後はジ~ンと来た。
これは良い話で感動出来た。
最後がこの話でよかった!
どの話も読みやすく、引き込まれた。
読み終えてから表紙の絵を見ると・・・・泣ける(/_;)
★★★★
ポーランドで行なわれるショパン・コンクールの会場で、殺人事件が発生。遺体は、手の指10本が全て切り取られるという奇怪なものだった。コンクールに出場するため会場に居合わせたピアニスト・岬洋介は、取り調べを受けながらも鋭い洞察力で殺害現場を密かに検証していた。さらには世界的テロリスト・通称“ピアニスト”がワルシャワに潜伏しているという情報を得る。そんな折、会場周辺でテロが多発し……。
(宝島社HPより)
映画化された『さよならドビュツシ-』シリ-ズの最新巻。
今回は、岬先生が出場のショパンコンク-ルが舞台。
殺人事件も発生し、その犯人と事件の真相も気になりましたが、コンク-ルの行方の方が気になって
読み進めました。
突発性難聴を抱える岬洋介。
コンク-ルで優勝出来るのか!?
ポ-ランドで先祖代々音楽家である家系に生まれたヤン・ステファン。
ポ-ランドの国民の期待を一身に受けての出場。
プレッシャ-のなかで岬に出会い、共にコンク-ルに出場する者同士、それぞれの音楽に
対する意見をぶつけ合う。
物語のなかで、アフガニスタンでパキスタン市民を人質に取ったタリバンとアメリカ軍が交戦状態にあるという事態が平行して進む。
ショパンコンサ-トとどんな関係が??と思ったら・・・
なるほど、そういう繋がりで来たか?
実際に音楽で平和的に物事が解決したら素晴らしいことだなぁ~。
岬先生の教え子たちの日本での様子が、少し読めたのは嬉しかった♪
岬先生は、やっぱり格好いいなぁ~(^^)
全てを失った家具職人と家なき仲間たち。
「アイツ」の正体を見破り、ここから這い上がれ!
読売新聞連載時から大反響。
一歩を踏みだす大きな勇気をくれる、感動エンターテインメント。
(中央公論新社HPより)
息子を亡くし、職も無くして妻とも離婚した家具職人、東口太一40歳が主人公。
全ても無くしても、彼には温かい仲間がいたから前を向いて頑張れた。
ホ-ムレス仲間たちと語らい、家具職人として、家具修理の仕事を続けている。
仲間たちは一様に明るい。
けれど、それは、仮面を被っているから。
仮面をかぶって懸命に明るく振舞って生きている。
太一のそばに時々、現れる疫病神。
太一の本音をつつき、厳しい一言を告げたりする煩い存在だけど、その正体は・・・・
ハ-レキンとはなんだ?と最初は思ったけど、道化師の意味だったんですね。
なるほど、表紙にも描いてあった!
途中までは辛い話が多かったけど、最後は、本物の笑顔を取り戻したのかな?
嘘でも懸命に笑顔を作って前を向いて歩けば、希望の光は見えてくるという話?
ハッピ-エンドはやっぱり読後感がいいな~(^^)
★★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
