女子中学生、鷹匠(たかじょう)になる!
九州の空を舞台に、生きる気流をつかむ青春小説
飛べない鷹と不器用な少女、「帆翔(はんしょう)」できる日はきっとくる
風を切って上昇気流に乗ってどこまでも高く飛んでいく。見えない風をつかまえて、かぎりなく空に近づいていく。どこまで飛ばせば、見えるだろうか。
(講談社HPより)
主人公は中学生の女の子・葉山理央。
両親とマンションで住んでいる。
理央には哀しい出来事があった。
親友の遥が一緒に下校していて分かれた直後、交通事故により亡くなってしまった。
その直前、ペットショップで鳥のヒナを見て、あのヒナがどんな鳥になっていくのか見に来ようと約束した。
そして、1年ぶりにペットショップに来て、立派に成長した鷹を見つける。
鷹を飼いたい!理央の申し出を受け入れる両親。
普通ならもっと躊躇しそうだけれど・・・・親友を亡くし精神的に参っている娘が変わるキッカケになるのならと思ったのでしょう。
結局、鷹はマンションでは都合が悪く、お寺の息子で幼馴染の上田康太の庭先で飼わせて貰う。
康太は普段は明るくお茶目だけどお寺の子らしく、時々、説法を口にする。
それが結構、良いこと言うので、「おぉ~」と感心してしまう。
康太は4歳のとき、お寺に養子に来た子で実母は離れた場所にいる。
理央と康太・・・良い友達同士だなぁ~と思っていたら・・・康太のことが好きな女の子・舞子が後半、登場。
2人の友情が変な風になるとイヤだなと思っていたけど、全くそういうことはなく・・・^^;
舞子も鷹の世話を手伝ったりで、3人になっても良いかんじ。
みんな素直で良い子でした(^^)
次第に鷹匠になりたいと思う理央。
実際に鷹匠として害鳥駆除にも貢献しているという高校生・平橋美咲を訪ね、いろいろ指導を仰ぐ。
著者のあとがきにあったけど、そんな女子高校生が実際に居て、その方に会って鷹の魅力、鷹匠の魅力を感じこの物語が生まれたそう。
知らなかったいろいろなことが学べる書でもありました。
そして、鷹のモコと理央の心が通じあっているから起こしたラストのモコの飛翔は感動でした!!
今回も画家の金子 恵さんの表紙絵、素敵です♪
★★★★★
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不思議な一族をめぐる壮大な“気象エンタメ”
気象台に勤務する美晴は、息子の楓大と二人暮らし。
放浪中の兄から突然届いた手紙には、謎の地名が記されていて…。
天気を「よむ」不思議な能力をもつ一族をめぐる、
壮大な気象科学エンタメ。
(集英社HPより)
気象台に勤務する南雲美晴が主人公。
美晴には、天気を読む特別に授かった能力があるが、その力は段々と研ぎ澄まされていくかんじ。
息子の楓太と平凡に暮らしていたけれど、兄の手紙から、両親の故郷である地へ。
そして、知らなかった自分のル-ツを知る。
教えてくれたのは、双子のようによく似たユキ婆とリク婆。
2人は従姉妹だとか。
幼いころに交通事故で亡くなった両親のこと。
一族に伝わる天気を読む力のこと。
そして、後に登場の放浪の兄・由宇とボス関係にあたるア-チ-。
ア-チ-はアメリカ進駐軍の衛生兵として来日していた当時、ユキ婆とリク婆に助けられた過去があり
登場人物たちが繋がっていく。
ア-チ-が始めたあるビジネス。
それと美晴たちが持っている能力が災害から人々を守る。
気象情報を正しく読む力って人が生きていくのに大切な本能みたいなものも大きいのかも。
農作物が気象情報を正しく読むことで守られたり・・・・
命の危険さえ伴う暴風とか大雨による災害から逃れたりすることも可能になる。
気象について、いろいろな知識を得ることって大切だな・・・・なんて思った。
物語としても面白く、登場人物たちも魅力的だった。
やがてまだ子どもの楓太が成長して、要石として勤めを果たすんだろうなぁ~。
その頃の物語もちょっと読んでみたいな。
★★★★
仲間とともに経験した、わくわくするような謎。
逃げ出したくなる恐怖と、わすれがたい奇跡。
真っ赤に染まった小川の水。
湖から魚がいなくなった本当の理由と、人魚伝説。
洞窟の中、不意に襲いかかる怪異。
ホタルを、大切な人にもう一度見せること。
去っていく友人に、どうしても贈り物がしたかったこと。
誰にも言っていない将来の夢と、決死の大冒険-------
小学四年生。
世界は果てしなかったが、私たちは無謀だった。
どこまでも、歩いていけると思っていた。
(光文社HPより)
今まで読んできた道尾作品とは、ちょっと違うけれど、こういう話も凄く好きなので、最初から最後まで楽しめた。
利一、慎司&悦子(弟と姉)、宏樹、清孝、劉生(1つ下)が主な登場人物。
小学生の彼らの日常。
ちょっとしたことが冒険に繋がる・・・・ああ、懐かしいなぁ~こういうかんじ。
と自分の同じころのことを思い出しながら読んでいた。
家庭内にちょっと複雑な事情を抱えている清孝。
両親が離婚して、母親が病死して、祖母との2人暮らし。
けれど、この祖母はユニ-クでパワフル。
キュウリみたいな顔だからとついたあだ名がキュウリ-夫人。
わたしも最初は、後で劉生が言うように、伝記で有名なキュリ-夫人と関係あるのかと思った^^;
洞窟のなかでの冒険が、後半、その場所に閉じ込められてかなり怖い思いをすることに。
そこからの脱出劇は、ちょっとハラハラした。
ここでまたまたキュウリ-夫人は大活躍。
野良犬のワンダもちょいちょい登場して、物語の良い脇役でした。
彼らがやがて成長しての姿がちょっと最後に知ることが出来たのも良かった。
誰の子ども時代もこうして物語になりそうな思い出はあるんだろうな。
この表題の意味も結構、深いかも。
★★★★
学校崩壊! 取り残された生徒たちの運命は!?-----
学校が突然崩壊し、多くの生徒や教師が瓦礫の下に閉じ込められた。救助の手はなかなかやってこない。男子生徒、女子生徒、教師、それぞれが生と死のはざまに立たされるが、同時に友情、恋愛、いじめ、家族など、これまで目を逸らしてきた問題と直面し、瓦礫と同等かそれ以上に大きな困難に立ち向かうことに……大森望さん(書評家)も「心にまっすぐ突き刺さる、極限状況の青春小説。ほんとうのヒーローがここにいる!」と絶賛の、心ふるわせる傑作サバイバル小説です。
(実業之日本社HPより)
感動した~!!
突然の学校崩落。
その瓦礫の下に埋もれた人たちの、人間関係が救出を待つ緊迫した状況のなかで少しずつ変化していく。
最悪の状況なのに、そこには温かい人間同士のやり取りがあった。
<新田隆志の場合 2合館亨車1階階段下>
双子の弟とわけあって離れ離れで暮らしていた隆志。
ガレキノシタになる前、1年ぶりに会話を交わしていた。
2人の母親が交通事故で亡くなったことで2人の心には大きなお互いに対する壁が出来ていた。
<坂本若菜の場合 2合館校舎2階 廊下>
家が隣同士で仲良しだった出水加奈と、小学校3年生のとき、あるお互いの親が原因の諍いで離れ離れになっていた。
そして、偶然、高校で再会。
そしてガレキノシタで会話のつづき。
<福原守の場合 1号館校舎1階 男子トイレ>
いじめっこの藤本とトイレで遭遇してしまう。
いつものように罵声を浴びせられお金を取られる。
藤本がトイレから出て行き、ホッとしたと同時にガレキノシタ。
少し離れた場所で藤本のか細い声。最初は悪態をついていたが、状況からして福原の方が生存の可能性が高い。
いつものお返しにイジワルをして「喉がからからだ」という彼に
「こっちには水があるから大丈夫」と言う。
<倉科則子の場合 地下第二体育館 体育用具室>
サッカ-部マネ-ジャ-の則子。
同じサッカ-部の部員・吉川と付き合い始めた。
その友達・北野とも仲良くなり3人で放課後行動していた。
2人の安否が気になる。
<中川洋治の場合 三号館校舎1階 保健室>
受け持ちクラスの生徒・木場を保健室に訪ねる教師の洋治。
教師をやめようかと内心思っていた。
ガレキノシタで木場と会話しながら、自身のこれからを考え直す。
<穴井英介の場合 一号館校舎1階 図書室>
入院している父親は末期がんだと母親から知らされた。
妹の美保は図書館でいろいろ調べ、脳は見てるものに同調する、笑顔は凄いんだと言う。
図書室には日本史の調べ物のために入った。
そしてガレキノシタ。
本棚の棚に落書き?「その日がくるまで、とりあえず笑ってろ」
その言葉に勇気をもらう。
<小野寺文也の場合 三号館校舎 地下防災倉庫>
小学6年の文也。
友達とのゲ-ムで、高校の防災倉庫内にある青いガラス玉を見つけ、ここにある赤いものと交換して来なくて絵はならず、地下の防災倉庫に侵入。
そしてガラス玉を探している最中にガレキノシタ。
上から落ちてきた高校生・北野直人と励ましあって救助を待つ。
<エピロ-グ 北野直人の場合>
連作のかたちで、ずっとガレキノシタで窮屈な時間を過ごした者達の物語が綴られていたけれど、前の人たちと少しずつ関わりがあった北野君。
ガレキノシタでは小学生の文也と一緒に救助を待っていた。
けれど、かなり命の危険が迫っていた状況だった。
その彼が助け出され、ガレキノシタのことを振り返り、そのとき安否が分からなかった友達も救出されたことがここで分かりホッとした。
最悪の状況で、辛い経験をした彼らたちですが、温かい人間関係もそこで生まれて、読んでいてジ~ンとする話ばかりでした。
ウマい状況設定を考えたものだな・・・・。
★★★★★
「障害」って何、と問う前に。「ふつう」って、そもそも何なんだ?
目で見る。自分の足で歩く。それってあたりまえ、と言われるこの社会で、ぼくたちが気づかないでいることはなんだろう。いつか出会う誰かを思い浮かべながら、「障害」をとおして、世の中の常識やルールのなりたちを、ゆっくり、とことん考えるためのスリリングな手引き。子どもに向けた「障害学」の一冊。
(よりみちパン!セ(理論社)HPより)
インパクトのある表紙ですが、中身はとても勉強になるお話でした。
著者は、20代のはじめ頃までは弱視で、その後、全盲になったそうです。
視覚障害者という立場から考えるあれこれ。
障害を持っている方たちを前にしたら、どう対応するのが正しいのか?
なかなか難しいのですが、要は、相手がなにを手助けしてほしいと思っているか察知することが大事ということかな?
視覚障害者をひとつの例に挙げても、少しは見えるのか、全く見えないのかによっても同じ視覚に障害はあるといっても全く別の障害者のように違うことがあるのだと言われ・・・なるほど!と思いました。
全盲の人は白杖を持っていることが多いので、だれの目からも視覚障害者だと認識されますが、
弱視の人には、見た目ではわからず、助けを求めても怪訝な顔をされたり
「なぜメガネをかけないんだ?」と言われてしまったりもあるとか。
そして今の社会は、まだまだ健常者のみ対応の場所が多いという現実。
こういう本は、出来るだけ多くの方が読んで理解しておくことが大事だと思う。
実際にその障害者にとって満足のいく手助けができるかどうかは難しいけれど、知っておくことが大事。
小学生くらいでも理解できる文章で書かれていて、この表紙も大人だけでなく多くの子どもたちにも手に取って読んで知ってほしい著者の気持ちなんじゃないかな?
とりあえずは、読むことを家族に勧めてみようと思います。
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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