芥川賞作家の真骨頂! 孤独に向き合う男女三人と役立たずの神様が奏でる不思議なハーモニー。芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
宝くじに当った河野は会社を辞めて、碧い海が美しい敦賀に引越した。何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。孤独の殻にこもる河野には、二人の女性が想いを寄せていた。かりんはセックスレスの関係を受け容れ、元同僚の片桐は片想いを続けている。芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。
(新潮社HPより)
絲山さんの少し前の作品を図書館棚で見つけたので読んでみた。
これは純愛ですね。
切なくて優しくて温かい素敵な物語でした!!
主人公の河野勝男は32歳。無職。独身。
でも大金持ち。
29歳で宝くじで3億円を手にして、会社を辞め、縁もゆかりもない敦賀に家を買い一人暮らしを始めた。
ある日、突然、現れたファンタジ-と名乗る神が居候として住み付き・・・。
またある日、偶然、港で出会った中村かりん・38歳と親しくなる。
かりんは住宅メ-カ-の設計士。
中抱く時代からあだ名は<部長>。けれど会社では課長。
かりんと恋人同士のようになるが、河野にはセックスにトラウマがあり、2人の関係はプラトニックのまま。
そして、河野がまだ東京でデパ-ト勤務だった頃の、同僚・片桐妙子は、河野のことを密かに想っている。
恋人が出来ても、彼が再び一人になっても想いは変わらず・・・
ああ、切ないなぁ~。
河野もそんな妙子の気持ちに気づきながらも友人としての付き合いで突き通す。
終盤、次々、起きる不幸なこと。
かりんと河野、うまく行ってたのに・・・・・(/_;)
でも、哀しいだけのラストじゃないのが救われた。
絲山さんの文章はスラスラと読めて心地良いなぁ~。
幾つか、読んだ絲山作品のなかで、これ一番好きかも。
★★★★★
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「魔女の宅急便」の著者が、死別した母との再会を描く自伝的小説!
74歳のイコさんは東京から岡山まで、5歳の時に死別した母の生家をバイクで訪ねるという、思い切った行動に出る。イコさんはその家で、自分は幽霊だという子供の頃の母そっくりの少女に出会うが…!?
(角川書店HPより)
74歳の山野イコ。
母親の生家をバイクで訪ね、そこで出会った少女・ふみこ(通称:ふーちゃん)。
ふーちゃんは12歳。
自分が唯一持っている母親が子どもだった頃の写真と同じ顔。
ふーちゃんはイコさんの母親!
母親と娘なのに、12歳と74歳という年齢が面白い♪
幽霊のふーちゃんが素直で可愛い。
2人で居ると、見えないはずの幽霊になった人たちと出会ってしまい、幽霊たちの未練を断ち切る
アドバイスなんかしたりして・・・。
あの世に行けない幽霊は、未練を残しているから・・・・・
ならば、ふーちゃんの未練は??
幼いイコさんを残して逝ってしまったこと?と予想していたら、
見事にハズレでしたが、なんだか、ふーちゃんらしい。
イコさんのことを娘と気づいて良かった(^^)
さて、2人でこれから、どんな風に暮らすのやら?
想像するだけで楽しいな。
素敵なファンタジ-でした!
70歳過ぎても、こんなユ-モアと元気を持っていたいものです!
角野さんの自伝的小説とあるけれど・・・・角野さんもこんなバイタリティ溢れる方ということかなぁ?
★★★★
舞台は江戸深川。主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。大好きだった父が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。兄が蟄居の身となったため、江戸へやって来た笙之介は、父の汚名をそそぎたい、という思いを胸に秘め、深川の富勘長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら事件の真相究明にあたる。父の自刃には搗根藩の御家騒動がからんでいた。
ミステリアスな事件が次々と起きるなか、傷ついた笙之介は思いを遂げることができるのか。「家族は万能薬ではありません」と語る著者が用意した思いがけない結末とは。
厳しい現実を心の奥底にしまい、貸本屋・治兵衛が持ってきたくれた仕事に目を開かれ、「桜の精」との淡い恋にやきもきする笙之介の姿が微笑ましく、思わず応援したくなる人も多いはず。
人生の切なさ、ほろ苦さ、そして長屋の人々の温かさが心に沁みる物語。ストーリーテラー・宮部みゆきの新境地!
(PHP研究所HPより)
宮部さんの時代物、良いですね~(^^)
長いですが・・・飽きませんでした!
主人公の笙之介は22歳。
父親は、冤罪で切腹。その介錯をしたのは2歳年上の兄・勝之助。
父親、母親の不仲。
母親は、気弱な父親を見下したところがあり、兄の勝之助も同様。
気は弱いが尊敬していた父を亡くした笙之介は、母と兄とは縁が薄くなる。
実の母や兄なのに、気持ちが通じないという哀しさ。
しかし、一人で生活すれば、新しい人間関係が生まれる。
暮らしていた長屋の近所の人たちは皆、気が良い人たち。
そして、世話になっている佐伯老師の遣いで、江戸に向かってからも素敵な出会いあり。
仕立て屋和田屋の娘・和香と段々と親しくなっていく様子が微笑ましかった。
江戸で生活しながら、父親の汚名をはらす真相を追う笙之介。
そして、やがて知る真実は、ちょっとショックなものでした。
けれど、笙之介のことを心配する人たちが居て、一緒に歩んで行きたいと思ってくれる和香の存在が
これからの笙之介を憎しみだけ抱える生き方から違う生き方に導いてくれそう。
表紙の絵や、途中の挿絵が物語りの雰囲気を明るく和やかにしてくれていました。
★★★★
決して交わるはずのなかった、俺たち。喪失を超えるように、ただ走り続ける----。
命をかける覚悟? 誰かを傷つける恐怖? そんなもの呑み込んで、ただ俺は走りたいんだ。ひたすらに、自分自身と向き合うために。助けられなかったアイツのために――。一年間限定で自転車ロードレースに挑むことになった正樹。「サクリファイス」シリーズ4作目、新たな舞台は大学自転車部! ファン待望の最新長編小説。
(新潮社HPより)
『サクリファイス』『サヴァイヴ』『エデン』は、プロのロ-ドレ-サ-たちを描いた作品でした。
今回は、大学の自転車部。
そこに大学で始めて自転車部に入った新入生・岸田正樹を中心に自転車部の面々を描く。
自転車初心者の正樹は、フランス帰りでそれまでは、柔道を続けていた。
中学のとき、同じ柔道部員が顧問からのしごきにより後遺症を残す不運に見舞われた。
自分がそのしごきを途中で止められたかも?と思うことから責任を感じて苦しんでいる。
そして、自転車部のエ-ス・櫻井元紀は、喘息の持病持ち。
兄を自転車のレ-ス中の事故で亡くした過去を抱えている。
心の奥に、重い過去を抱えながらの二人が、最初は先輩、後輩の関係だったのに、次第に正樹が
才能を発揮し始めると、よきライバルになっていく。
彼らのその後を知りたくなった。
続編がまた出るのかなぁ~?
プロの世界より、初々しさがあって爽やかな青春物語という雰囲気で読みやすかった。
しかし、本のタイトルがなぜ「キアズマ」なんだろ???
一応、キアズマの解説が本の裏にありました。
キアズマ・・・・減数分裂の前期後半から中期にかけて、
相同染色体が互いに接着する際の数か所接着点のうち、染色体の交換が
起こった部位。X字形を示す(三省堂・大辞林)
岸田正樹と櫻井元紀を相同染色体に例えてか?
う~ん、もっとわかりやすい表題で良いんじゃなのぉ~?^^;
★★★★
発行年月:2013年4月
この世界は「なおし屋」=男性と「こわし屋」=女性が共存している。世界は創造と破壊を繰り返す。我々は馬鹿げた争いの果てに我々を囲むすべてを失った。何度も「歴史」の中で繰り返してきた。つくるために失う。次のアレやコレやをつくるため、あえて争って破壊し尽くす。もしかして、わざとそうしてるのか――ときどきそう思う。そんな不思議な街の不思議な物語。
(徳間書店HPより)
イッタイの部とゼンタイの部に分かれている。
イッタイの方では、いろいろな物を直すことを仕事にしている男達が次々に登場。
なので、そういう男達を描いた短編集かと途中までは思いました。
時計のなおし屋、水廻りのなおし屋、おもちゃの猿のなおし屋、バイオリンのなおし屋、洋服のなおし屋、
車のなおし屋、テレビのなおし屋、写真機のなおし屋、家具のなおし屋、靴のなおし屋
壊れているものがあると放っておかれない男達。
けれど、そんな男達を直そうとしている女達。
『イッタイ』では男性しか出てこなかったのに、『ゼンタイ』の部では女性が何人か登場。
そして、男達は、なおされていく?
なおされると言っても、女達は男達を幸せにしているような・・・・。
ちょっと理解し難い物語ではありましたが、言葉遣いが面白く、登場人物たちの名前もユニ-ク。
『イッタイ』の部のように、短編でいろいろな物を直す男達の物語だけの方が個人的には好み。
でも、変わった構成の物語でした(^^)
★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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