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読んだ本の感想あれこれ。
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52a83480.jpeg発行年月:2010年2月

「あなたはこれよ。断らないでね」
奇妙な迫力を持つ大学学生部の女性職員から半ば強要され、仕方なくアルバイト先に足うぃ運んだ大学生たち。そのアルバイトは何をもたらすのか?五人の若者を通して描かれるのは、さまざまな感情を揺り動かす人間ドラマと小さな奇蹟の物語。小説の楽しみを存分に詰め込んだ愛すべき傑作、鮮やかに登場!

                        (東京創元社HPより)



初めて読む作家さんかも。
本の表紙と表題に惹かれて借りました。

5つの短編連作集でしたが、共通するのは、大学の学生部厚生課奨学部のユウキさんから紹介されてバイトに臨む学生の話。

「ヒカレル」
「モドル」
「アタエル」
「タベル」
「メグル」

最初の「ヒカレル」のバイト先はお寺。仕事は死者の横で一晩、添い寝すること。
しかも手をしっかり握って。
ちょっとホラ-っぽいな。怖いな。と思いながら読み、途中までは、やっぱりホラ-だ~!!
と思いましたが・・・最後まで我慢して読むと、良いお話でした。

次の「モドル」は、病院の売店がバイト先。
バイトに向かうのは先は父が脳出血で入院した病院という女子学生。
プライドの高い父親は片麻痺になりリハビリが上手く進まず、母親に八つ当たりばかり。
辛い思い出のある病院。
でも、最後は、ユウキさんに「あなたは行くべきよ」の言葉の意味がわかる。

「アタエル」は、金持ちのお屋敷で2週間、家族が海外旅行に行くため、犬にえさを1日1回あげるのが仕事。
簡単なのに報酬は高く、ユウキさんから「本当ならあなたが行くべきじゃないわ。後悔しないでね」と言われた。
途中、これもちょっとホラ-っぽい予感でドキドキした。
でも読み終えたら、なんだか妙な切なさというか哀しさというか・・・。

「タベル」は依頼人の作る料理をただ食べるのが仕事。
食べる・・・当たり前の行為なのに、これを読むと、当たり前に美味しく食べている毎日が本当はとても幸せなことなんだと気づく話でした。
なかなか良いお話でした!

「メグル」は学生部厚生課奨学係のユウキさんの謎の部分がちょっと分かるお話。
ユウキさんは悠木さん。
同じ課で仕事をする悠木さんの後輩・大橋冬樹の視点で語られる。
大橋は、この大学の学生だったとき、悠木さんからあるバイトを紹介された。
その話は、ちょっと不思議。
けれど、とても温かいものを感じる。
悠木さんって影のある暗いかんじの人だけど、優しい人なんだろうなぁ~。


とても面白い、連作短編集でした!!
もっと悠木さん自身の話も深く知りたかった!

この著者のほかの作品も読んでみたい!

★★★★★

 
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