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読んだ本の感想あれこれ。
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38c635bd.jpg発行年月:2010年10月


冤罪で人生の全てを失った男は、復讐の荒野へ踏み出した。貫井ミステリーの新たなる頂点。

身に覚えのない殺人の罪で、職場も家族も日常も失った男は、復讐を決意した。刑事、検事、弁護士----。七年前、無自覚に冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。だが男の行方は杳として知れず、宙に消えたかのように犯行現場から逃れる。彼が求めたものは何か。次の標的は誰か。あまりに悲しく予想外の結末とは。

                                            (新潮社HPより)


読み応えある物語。
そして、いろんなことを考えさせられました。

冤罪が生まれる過程のようなものも描かれ、怖い!と思った。
自白を迫られて、やってもいない殺人を認めてしまう。
そんなこと何で認めちゃうの!?と今まで免罪事件が報道されるたびに思ったりしたけど
こうして読むと、認めざるを得ない状況にこうまで追い込まれると誰でも、早く辛い取調べから逃れたい心理が働き、認めてしまうのも仕方ないかもと思った。

免罪により懲役6年の刑を終え、社会に戻った主人公の江木雅史。
彼は自分を追い詰めた人たちへ復讐することでしか、生きている意味を見いだせなくなっていた。

そして、裁判に関わった
刑事、検事、弁護士、裁判官、目撃者が狙われていく。

一番、許せないのは、最初の刑事だ!
自らの手柄を優先して、執拗に目をつけた江木を追い詰めていく。
そして、目撃者に対しても江木を犯人と認めさせる供述を誘導していく様は本当に、恐ろしいとしかいえない。
こんな強引な捜査はあってはならない!
実際の事件の場でこんなことが起きないよう祈りたい。


犯人に仕立てられてしまった江木のことを最後まで信じた母親には共感するものが多く泣けた。
最後まで息子を信じたゆえに起した行動にも驚いたけど、その気持ちはよくわかる。

兎に角、辛い話でしたが印象に強く残る話でした。

★★★★
 
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