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読んだ本の感想あれこれ。
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31b8f197.jpg   発行年月:2010年9月


   いつもと同じ日々の中、忘れたくない光がある

   美しかったり、謎めいていたりする、私の隣の人々。
   芥川賞作家にして史上最年少の川端賞作家による
   「これぞ小説」な味わいの6篇

                                                    (文藝春秋HPより)


どの話にも別れがあるけど、恋人や家族とかの大袈裟な別れではない。
主人公たちが日常のなかで、ちょっと接点を持った人たちとの話でした。

こういうなんでもない日常の一こまのようなものをちゃんと文章にして読ませる事が出来る作家さんは好きだ!

6つの話どれもよかった。

「新しいビルディング」
入社して3ヶ月のマミコ。同じ部屋で毎日一緒に働くフジワラさんが妊娠し近く退職するという。
毎日近い距離で過ごしているフジワラさんとは殆ど話しをしないで過ごしている。


「お上手」
靴が壊れてしまい、思い出した地下広場の一角にある靴の修理屋に寄る万梨子。
後輩が買ったばかりの靴のヒ-ルに傷が付いたというので、その修理屋のことを話す。
早速行った後輩からその店員のことを「万梨子さんの好きそうな人」という。


「うちの娘」
大学の学食で働く雪子。
毎日同じような時間に来て、必ずわかめうどんを注文する女子学生が気になる。
結婚前妄想好きだった雪子は、女子学生を追いながらあれこれ妄想して楽しむ。


「ニカウさんの近況」
突然、届いた二飼という男性からの退職を知らせるメ-ル。
全然、心当たりのない二飼という人物だが、あえて返信することはせずにいる。
その後は転職先が決まったという報告メ-ル。


「役立たず」
配送ドライバ-の阿久津。
数々の女性と交際したが、途中でその女性といることに苦痛を感じてしまう。
結婚まで考えた理沙も荷物をまとめて部屋を出て行く。
そして、学生時代ちょっと気になっていた弥生から久しぶりに連絡が来る。


「ファビアンの家の思い出」
15年前の夏、イギリスに留学中の友人・卓郎からスイスに住む友人宅に行くが一緒に行かないか?と誘われジュネ-ブの空港で待ち合わせる。
卓郎の友人はナディア。彼女が連れて行ってくれた家はファビアンという知り合いの家を仮住まいさせてもらっているという。
卓郎の友人宅で2泊させて貰うが、その間、食事に出たチ-ズでお腹を壊してしまう。
吐き気と腹痛が時々、襲うが家の居心地はよく友人宅の人たちにも良くしてもらう。
今もスイスで知り合ったナディアとは文通を続けている。



一番面白いなと思ったのは
「うちの娘」かな?
勝手に一人の女子学生を自分の娘だと仮定してあれこれ思う女性。
付き合ってる男性が気に入らなくてヤキモキしたり・・・
着ている服が似合ってないなぁ~と思ったり・・・
でもある日、とうとう付き合ってる男性に言ってしまった!
ま、その後どうなったかは語られてないんだけど。


ほかの話もそれぞれ楽しめました。
すぐ忘れてしまいそうな些細なことを書いているのだけど、読んでいるときは楽しい。

この表題もよく考えたものだと思う。
別れじゃなくて「お別れの・・」っていう響きがいいなぁ~。

★★★★
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