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読んだ本の感想あれこれ。
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d576d0ad.jpg発行年月:2010年4月


「つや」、夫がふと口にした、謎の言葉。それはだれ? どんな女?
絡み合う七つの恋と性の物語。


私は愛されているのだろうか----夫、恋人、父と関係のあったらしい、艶という女の危篤の知らせをきっかけに、自分の男をいつも以上に観察する女たち。立ち現れる男たちの他人のような姿。性的に奔放な一人の女をめぐる大きな渦のような人間模様の中に、女と男の恋の本音を描き出す刺激的な長編。著者の真骨頂。


                                           (新潮社HPより)

表題がひらがななのが良い!
読む前は、「通夜?」と勝手に理解しましたが、それだけではなかったのです!

物語の中心にいる「艶」という一人の女性。
彼女は、物語のいつも真ん中に居ながらも多くは登場しない。

物語は連作形式で進み
最初の話では、艶の従兄弟にあたる行彦が、艶がO島で死にかけているという連絡を受ける。
その電話を受けた夫を横で見ている妻の環希(51歳)が語る、いろいろ。

そして、艶の最初の夫の愛人・湊(29歳)
・艶の愛人だったかもしれない男の妻、サキ子(60歳)
・艶がスト-カ-していた男の恋人、百々子(33歳)
・艶のために父親から捨てられた娘、麻千子(20歳)
・艶を看取った看護師、杏子(31歳)
・艶の最後の夫、松生春二(49歳)

と艶に直接、接点があった者やその者の近い立場の人が登場して、自分の今の状況を語る。
そこから、あまり登場しない艶という一人の女性がどんな人なのかが段々と見えてくる
面白い展開の物語でした。


艶の存在が多くの人の人生を引っかき回しているかんじ。
今までその存在を忘れていた者たちも、艶が死にそうという事を知り、日常に変化が起きる。

人って生きているとどんどん繋がっていくんだな。
知らないうちにいろんな人の生き方にも影響を与えてしまうものなんだな。
なんて思いながら読んでいました。

ラストは、唐突過ぎるほど自然で、続きがあるかと思わずペ-ジをめくり・・・・
「あ、終わったのね・・・^^;」なんて具合でした。

でも、よかった。
どういう風によかったのか?伝えるのが難しいけど、
こういう物語、好きです。

★★★★
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