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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年2月


 僕の尊敬する常に完璧な父親が、百合の花を買いに出かけて事故死した。2年前に母親を亡くして以来、父と二人きりで仲良く暮らしてきた大学生の息子・在は、几帳面な字で書かれた父親の驚くべき遺言を手にした。「父さん、あなたは嘘つきだったのか――?」そして事故の夜、一本の百合を持った少女が在の前に現れる。彼女はすぐに姿を消したものの、父の遺品のアルバムの中で少女と似た女性を見つけて……。徐々に明かされていく父親の過去は、僕の想像を超えた残酷なものであったが、それは大切な人を必死に守るためだった――。慈悲の心に満ちた者たちを、瑞々しい筆致で描ききった書き下ろし長篇小説。

                  (角川春樹事務所HPより)




遠田さんの描く物語はいつもその世界のなかに引きこまれるので今回も期待
していました。
そして、やはり期待を裏切らない展開で、最後まで頁を捲る手が止まらない。


主人公は大学生の片瀬在(ある)。
2年前に母が病死した後は、設計事務所に勤める父との二人暮らし。
食事の支度も協力し合い、やっと二人の生活を楽しめるようにもなってきた矢先
父親が突然の交通事故死。
その日、家の前にいたセーラー服姿の高校生が、やがて、在にとって
重要な人物となっていく。


いつも隙のない恰好で、友人にも「俳優みたいな父親だな」と言われた父・片瀬和彦。
家のなかでも快活で優しく愛嬌たっぷりの笑顔を絶やさない憧れの存在のような
父親だった。
けれど、父が生前は「秘密基地だから勝手に入らないように」と言っていた
書斎の片づけをしていて、どんどん不可解なものを発見していく在。

そして、段々と明かされる父の秘密。

ドキドキしながら読み進めました。
次第に片瀬和彦の高校時代の話になっていき・・・
息子として知るにはとても複雑な思いにさせられる真実。

在の気持ちに共感しながら、読み進めました。

どういうラストになるのやら?
と思っていましたが、納得出来る終わり方で、ホッ。


真実を知っても和彦のことを許せないと思わない在の人柄にも好感が持てました。
読む人によっては、和彦を許せないと感じる人もいるかもしれないけれど・・・。


表紙の絵はダヴィンチの「受胎告知」。
百合の花もそこに描かれていて、表題の「お葬式」とインパクト大で
本を手に取った時から謎だらけでしたが、
なるほど・・・読むとこの絵の装幀の意味がわかります。


次回作も大いに期待したい作家さんです!!


                          ★★★★★
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