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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年10月

「見ている風景は、誰も似たようなものだわ。そこから何を見つけるかは、あなたの心しだい……」

 どんな時代にも、どんな場所でも、映画や本のような作られた世界のなかでも、自由自在に行き来できる「旅行者(トラベラー)」である少年が、白馬とともに旅する世界をそれぞれ「箱庭」に見立て、短篇の名手が物語を紡ぐ。

 国道四号を悠々と歩きつづけるゾウ(「誰もゾウにはかなわない」)、夕暮れの車窓から見えるオレンジ色の旗(「黄昏の旗」)、ジェフじいさんが壊した機械人形(「ヴォッコ3710」)、幽体離脱して好きな女性の危機を救った男(「人間ボート、あるいは水平移動の夜」)、アンデス山中で見たファニカの正体(「ひとりぼっちのファニカ」)、最果ての岬に響く哀調に満ちたバイオリンの音(「傷心の竜のためのバイオリンソナタ」)、真っ白な水着を着た僕たちの女神(「三十年前の夏休み」)などなど。

 笑いあり、涙あり、恐怖あり……直木賞作家が贈る、ちょっと不思議で懐かしい連作短篇集。 

                   (PHP研究所HPより)


箱庭旅団の第二弾ですね。
今回も箱庭的にいろいろな場所でいろいろな時代で起きたちょっと不思議なお話が
満載でした!
15編もあるので、ひとつひとつは短いですが、どれも面白い!


<再び旅立つ友へ>
中2のとき、転校してきた翔は、イケメンで優等生なのに、なぜか中途半端なヤンキーの
俺と一緒に行動することを好む。
あまり出来のよくない俺と同じ高校に行くと言い、トップクラスの高校にも
余裕で合格できる能力がありながら、本当に同じ高校に進学。
けれど、別れるときがきた。

本当に翔は人間じゃなかったのかな?


<誰にもゾウにはかなわない>
ゾウがある日、突然現れる。そして再び消えて行った。

ただそれだけの話なのになんかいい。


<ヴォッコ3710>
ある地区のゲートで入鋏係として雇われているジェフじいさんは、ゲート下の個人書斎
で言葉の研究をしている。なのでゲートを通りたい者はゲートを通過するのに
時間がかかる。そして、ゲート利用者の一人が、入鋏係のロボットを寄付する。
ロボットは女性で、仕事も早く、ゲート利用者は大喜び。
最初は研究に没頭できて喜んでいたジェフじいさんだったけれど・・・

ジェフじいさんの大人げのなさに笑える。


<市長選怪文書>
市長選に立候補している某山〇〇氏は、カラス狐だという怪文書が届く。
その根拠を述べる文が続く。

う~ん、ただのやっかみじゃないか?
こういう人居そうだけど、ホントにカラス狐だったら、どんな風に市長として
働くか逆に見て見たい気もするけれど・・・・



<運命の女、のような>
小4で転校してきたミナコとは、偶然に思わぬところで会うことが度々。
大人になっても、そんなことがあったけれど、お互いに違う人と結婚し
別々の人生を歩む。
けれど、最期は・・・・

こういう偶然、すごい!!
本当にこれは、運命だよ!!


<黄昏の旗>
電車の窓から見えるとある住宅街の一角にあるオレンジ色の旗。
気になり、その街に途中下車して向かってみる。
すると離婚して別々に暮らす、元妻と娘の5年前の姿が・・・

う~ゾッとした。
さみしい心に忍び込む魔の手。
 


<人間ボート、あるいは水平移動の夜>
この題そのままの話。
幽体離脱して、街をふらふら・・・戻れるとわかっていれば、案外楽しいかも。


<未来人ビストロ>
小学生のころのタイムカプセルにあったミツルの手紙に
30年後八重洲二丁目の「コンコルド」というビストロに来たら、ビフテキを
ご馳走すると。

不思議な話?と思ったら・・・良い話でした♪
友だちっていいな~。


<ひとりぼっちのファンカ>
父親が12歳のときにファンカに出会ったはなし。

ちょっと哀しいファンタジー。ひちりぼっちになったファンカが可哀想。


<僕のおじさんはヒーロー>
悪者を倒しにいくといったまま行方不明のおじさんのことを心配する僕。

どこにいったんだろね?


<時計のまち>
10歳のとき、母に連れられて行った時計のまちの記憶。
母はいつもより華やかに着飾り、待っていてと言い残して一人で何処かへ。
戻らなかったら、この封筒の中を見てと言われ不安になるわたし。
そこに少年が来て、不可解なことを言う。

この置いてけぼりの少女の不安な気持ち・・・なんだかすごくよくわかった。
少年が一番、不思議。


<傷心の竜のための無伴奏バイオリンソナタ>
剣士・ジークは王の命令で、人々を苦しめる竜がいるという噂の真偽を確かめに行く。
そして知った真実は・・・・

ちょっと切ない竜のお話。ジークが奏でるバイオリンで、少しは癒されたのかな?


<三十年前の夏休み>
高校2年の夏、友だちと海に行く。
将来何になりたいか話したり・・・近くにいた女性にじゃんけんで負けた者が
声を掛けようということになる。その人は21歳のユミさん。
話を全部聞かれていた。

ああ、こういう青春の思い出話、いいな。


<アタシたちのステキな家>
家族4人で引っ越した家は快適。
みんななぜか、明るい方に少し変わったかんじがするけれど・・・
前に住んでいたのも同じ家族構成の4人家族だった。

うわ~怖い、
これはホラーですね・・・(;O;)


<カムパネルラの水筒>
夜空を見上げて野原にいたはずが気づくと鉄道の客席で、歩いてきた老人に「カムパネルラ」と呼ばれる。

銀河鉄道の夜を思い出させるステキなファンタジー♪



こういう短編集楽しい!!
是非、また箱庭旅団お願いします!


                          ★★★★★
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