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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年4月


 自分以外の人間は誰も信じるな――
子供の頃からそう言われ続けて育てられた。
しかし、その言葉には、まだ逃げ道がある。
たった一人、自分だけは信じていいのだ。

南の島の集落で、知子ばあさんと暮らす高校生の鷹野一彦。
東京からの転校生・詩織の噂話に興じるような、一見のどかな田舎の高校生活だが、その裏では、ある組織の諜報活動訓練を受けている。
ある日、同じ訓練生で親友の柳勇次が、一通の手紙を残して姿を消した。逃亡、裏切り、それとも? その行方を案じながらも、鷹野は訓練の最終テストとして初任務につくが――。
過酷な運命に翻弄されながらも、真っさらな白い地図を胸に抱き、大空へと飛翔した17歳の冒険が、いま始まる!

「ここよりももっと良い場所、あるよな?」
「あるよ、いっぱい。私たちが知らないだけで」

                  (BOOKデータベースより/幻冬舎)




沖縄県の南西64kmに浮かぶ孤島での暮らしが最初にあって・・・

孤島が舞台の青春小説?と思って読み始めたら、段々、彼らに置かれた状況の
過酷さが見えて来て、どうなるんだ?と気になり一気読み。


17歳の鷹野一彦と柳勇次。

2人はとある産業スパイ組織の訓練生として任務を遂行しながら、昼間は高校生
としての顔を持つ。

特に鷹野の生い立ちは壮絶で、幼い頃の体験話には、胸が痛む。

そんななか、二人の島での生活を援助している、知子ばあや、
鷹野に生きる希望の言葉をかけた風間、軽井沢で子どもの頃の鷹野を世話した富美子など
の存在が明るい将来の希望を手助けしてくれる。


過酷なことが、この先もあるんでしょうけど、力強く生きて行って欲しいな~。

鷹野が成長した後の話、「太陽は動かない」を
読んだのに、全く思い出せない^^;

ま、これだけでも面白かったからいいか?


                      ★★★★

ささやかでも確かな“希望”を明日へと繋ぐ傑作エンターテイメント!
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発行年月:2013年5月


妻も、読者も、騙される! 『悪人』の作家が踏み込んだ、〈夫婦〉の闇の果て。

これは私の、私たちの愛のはずだった――。夫の不実を疑い、姑の視線に耐えられなくなった時、桃子は誰にも言えぬ激しい衝動に身を委ねるのだが……。夫婦とは何か、愛人とは何か、〈家〉とは何か、妻が欲した言葉とは何か。『悪人』『横道世之介』の作家がかつてない強度で描破した、狂乱の純愛。本当に騙したのは、どちらなのだろう?

                       (新潮社HPより)


タイトル、インパクトありますね~。
読む前から期待感UPでした(^^)

そして、面白かった!!
不倫物は沢山、読んでいるけれど・・・
妻・桃子と不倫相手・奈央の言い分が交互に語られて、
読みながら、どんどん、妻・桃子を応援したくなっていった。
世間的にも常識人なのは桃子だと思う。
多少、気に入らない義母にも巧く対応しているし、近所のゴミ置き場の清掃を
誰に言われるでもなくしていたり、カルチャーセンターでの講師ぶりも良い感じだった。

ただ、途中で奇行に走るのはビックリだったけれど、いろいろな事が積み重なって
爆発した結果だと思えば理解出来ないことはなし。


しかし、夫・真守には腹が立つ!
なんじゃこの男は!?(怒)。

桃子との結婚前にも実は奥さんがいたの?それでまた、今回も同じようなことを

繰り返すってこと??
不倫相手の奈央もまた桃子と同じような状況になりそう。


最後はどうなる?と思ったら
「ありがとう」の言葉に救われた桃子。

世間にはちゃんと見ていてくれる人はいるってことね。
自分を正しく評価してくれる人が誰かいれば、また前を向いて進んで行けるって
ことかな?

頑張れ、桃子!
慰謝料貰って、サッサと次の人生進んだ方がいいと思うな。


                       ★★★★



 
51ZqjHrPJEL__SX230_.jpg    発行年月:2012年11月


    国を越えた人の絆を描く感動長編

    台湾新幹線の着工から開業までの巨大プロジェクトに、
    商社員や整備士、湾生の老人など、
    個人のドラマを重ねて描いた著者の渾身作


                         (文藝春秋HPより)



台湾に日本の新幹線を走らせる。
そのプロジェクトに参加するため日本から赴任した入社4年目の多田春香。
日本の残した恋人・繁之も応援してくれていた。
春香には学生時代、台湾で出会った青年との思い出がずっと頭のなかに残っている。

物語には、ほかの人物の過去と現在を描いた話も織り交ぜられる。
かつて台湾に暮らしていた多くの日本人が居た時代、知り合ったふたりの男性。
戦争後、台湾から日本に帰国した葉山勝一郎。
妻は病気療養の末、亡くなったが、台湾に新幹線が開通したら一緒に行こうと約束していた。

日本人と台湾人の交流が、温かい感動を与えてくれる物語でした。

台湾って日本人にとって過ごしやすい国なのかな?
ちょっと興味が沸いてきました。

出てくる食べ物もすごく美味しそうだったし・・・・笑


他所の国の人と、こんな風に信頼し合える関係はいいなぁ~。

登場人物たち、それぞれが、これから生きていく方向をみつけていくラストが良かった。

450頁弱の長編ですが、スラスラ読めました。



 

★★★★

51NDllZAMqL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年4月

息詰まる情報戦の末に巨万の富を得るのは誰か? 
金、性愛、名誉、幸福……
狂おしいまでの「生命の欲求」に喘ぐ、
しなやかで艶やかな男女たち。
人間讃歌の新スパイ・エンターテイメント!


                   (幻冬舎HPより)



結構、動きの激しい物語で、映画の原作を読んでいるようなかんじでした。
物語、冒頭はベトナムの病院内での射殺事件。
そこには、新たな油田開発に伴う利権争いがあって・・・。

主人公は鷹野一彦。
AN通信社勤務で、部下の田岡と一緒に油田開発事業に関わる人物たちの情報収集に当たっている。
仕入れた情報は、それを欲しい者に高額で売り渡す。
同じように情報を手に入れようと鷹野たちに対抗するディビット・キム。

ほかにも気になる人物が続々登場。
国会議員の五十嵐とその秘書・丹田。

謎めいた女性・AYAKO。
鷹野たちのスパイ活動に参加したいという青木優。

油田開発絡みの情報操作は、その後、宇宙太陽光発電システム開発に伴う情報戦に変わっていく。

パネル製作者・広津陸。
日本人でありながら、AYAKOと広津は、その開発をアメリカに売ろうと企む。
がしかし・・・・・。

情報社会になると、こういうことも実際にありえるのだろうか?


魅力的な登場人物たちだけど、人物背景があまり描かれていないような気がして、読んでいてもあまり面白くなかったなぁ~というのが正直なところ。
鷹野に関しては、ちょっと重い過去があったけれど・・・・。

話は、つまらなくないんだけど・・・・う~ん・・・自分にとってはいまひとつかな?
男性ならもっと楽しめるのかも??

吉田さんには、やはり心理描写をもっと丁寧に書いた作品を書いて欲しいなぁ~。
個人的な勝手な感想ですが・・・・^^;



                                          ★★★

 


 
 
51XVgaUa5IL__SS400_.jpg発行年月:2011年9月


歌舞伎町のバ-テンダ-が地元東北から国政選挙に打って出る! 新宿で起きた轢き逃げ事件。平凡で幸せな暮らしを踏みにじった者たちへの復讐が、いつしか日本をになう若き政治家を生む希望の物語へと転化する! 一人ひとりの力は弱くても、前を向く勇気と信じる力で日本を変えていく8人の主人公たち。2011年、明るい未来を描けない日本に一閃の光が射す、吉田修一の新たな代表作がここに誕生する!


                                         (朝日新聞出版HPより)


冒頭で登場の九州から東京に夫を訪ねて乳飲み子を抱えた真島美月がこの物語の主人公?
と思ったら・・・
次々に結構、インパクトありの人物達がどんどん登場。

夫の朋生は歌舞伎町のホストクラブで働いていて、クラブのバ-テン・浜本純平と友人関係。
その純平は、以前、ひき逃げ事件を目撃していた。
しかし、犯人として報道された男の顔は、目撃した犯人の顔とは別人だった。

そのことが、後々、重要な話の核になってくる。

そして、ホントの犯人は、世界的にも有名なチェロ奏者・湊圭司。
犯人として逮捕された奥野宏司は、圭司の兄だった。

ひき逃げ事件の真相も明かされ、登場人物たちが次々、繋がっていく。

湊圭司のマネ-ジャ-を勤める園夕子
朋生と純平の勤めるクラブのママである山下美妃

このふたりは大人の女性というかんじで好感が持てました。

真犯人の湊を脅してお金を取ろうと企んだ純平と朋生が、夕子や湊と仲間意識を持っていく過程も予想外の展開で面白かった。

そして、この本の表題の意味「猿蟹合戦」の意味も最後まで読むと納得!

なかなか読み応えのある物語でした。


★★★★

 
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