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読んだ本の感想あれこれ。
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f7a16f7c.jpg発行年月:2002年2月


素顔のままでは生きにくい。
いつの時代も現実は厳しい!
でも相応しい自分を演じれば、
そこは誰もが入れる天国になる。
先の見えない五人の微妙な2LDK共同生活。

                    (本の帯文より)

わたしの住む地方では今のところ映画の上映はないのですが、映画化されたので気になり読んでみました。

共同生活をする五人は・・・

杉本良介:21歳 大学経済学部3年
大垣内琴美:23歳 無職
相場未来:24歳 イラストレ-タ-兼雑貨屋店長
伊原直輝:28歳 映画配給会社勤務
小窪サトル:18歳 夜のお仕事(男娼?)


それぞれの語り口で、共同生活の様子が綴られる。
大学生の良介と琴美の会話は、ゆる~い。
ダラダラしたかんじがなんとも良い雰囲気で、他人の目で見てる分には、楽しそう。
こんな生活を自分の子どもがしてたら・・・ちょっとカツを入れたくなるけれど・・・。

未来と直輝は、一応、社会人として真面目に働いている様ですが、皆と居るときの様子はやはりダラ~ッとしてる。

途中で加わるサトルは、未来が酔っ払って他所から連れて来ちゃったというし・・・普通じゃないでしょ!?
みんな一応仲良く共同生活を続けているのだけど、どこか違和感あるんだなぁ~。
サトルはそんな皆と表面上は上手く付き合いながら、その違和感を感じてる。
最初からいるメンバ-達はどうなんだろ?

でも、ま、上手く表面上の付き合いを続けて楽しくやれるならそれもいいのか?なんて気楽に読んでいたら・・・・驚きの事実が終盤で判明して・・・・

彼らの繋がりって・・・・気持ち悪いし、怖いし、キライ!!
なんて思った!

このドンデン返しは衝撃的だったな~。


ちょっと映画も見てみたくなった!
e4fb3eb6.jpg

映画では・・・
良介役:小出恵介
琴美役:貫地谷しほり
未来役:香里奈
直輝役:藤原竜也
サトル役:林遣都


DVDが出たらチェックしよう!!



★★★
PR
323bab3f.jpg発行年月:2008年11月


514円が全ての始まりだった。娼婦、妻、友人、嘘、欲、ホテル、アユタヤ、ムエタイ、仕事……目の前を横切るあらゆる光景が危険な結末へと導いていく。吉田修一が到達した最高の「犯罪文学」。
講談社創業100周年記念出版「書き下ろし100冊」第1弾!


            
                       (講談社HPより)

最初から、県の職員の横領事件を元に書かれたものと知らなければ、タイのバンコクを旅行する男の様子を楽しめる内容でもありました。

でも、おとのこ人って、しょうがないなぁ~。
海外でこの手のお金を使うのは仕方ないことなのか??

途中から、横領の経緯みたいな話になって・・・そういう状況だと、ふと公金に手をつけてしまうって事もあるのかな?
なにかそういう事を防ぐ手段は考えられていないのか!?なんて不思議にも思いました。

公社職員の片桐の妻も嫌だな。
出所の怪しそうなお金なのに、一緒になって使っていたら、共犯みたいなもんでしょ!(怒)


多少、懺悔の気持ちがあるのか?とも思ったら・・・・最後にビックリ!
なんじゃこりゃ!?
益々怒りが沸きました!!

片桐には、全く共感する事ないし、呆れるばかりです!

でも・・・物語としては、面白かったかな。

★★★
03c43646.jpeg   発行年月:2009年8月


   僕たちはあの街で出会い、そして別れる。
   次の街へ行くために--------。

彼女が暮らす街まで電車の経路を、ずっと頭の中で考えている。その街に彼女しか存在しないように感じ、その街に自分だけが存在しないような感じ----十年の歳月をかけて書きためた、「忘れられない場所」をめぐる短編集。『パレ-ド』から『悪人』まですべてのエッセンスが詰めこまれた、ファン必須のマスタ-ピ-ス!

                                     
(新潮社HPより)

10の短編集。
ほのぼのしたかんじの作品あり、闇のようなくらいイメ-ジの作品あり。

この著者の作品は、あまり沢山、読んではいませんが、ハ-ドボイルドなものは、まだ未読。
これから、過去作品のそういう類のものも読んでみたくなりました。


でも、この10編では、最初の話と次のがすき。

最初の「日々の春」は新入社員の立野くんをちょっと気になる先輩の私。
ちょっとこの後日談を想像して、楽しんだ。

二番目の「零下五度」は、韓国旅行の女性が旅先で見かけたある状況。
お粥屋の前で自転車に取り付けた警報機を鳴らしてしまうおじさん。
それをお粥屋から覗きに出てきた客と思われる韓国人男性が手助けする。
同じ場所に居合わせただけの全く他人で何ら接点もない二人なのに、ある共通の疑問を持っているというのが面白かった。
こういう話、大好き(^^)

表題作「キャンセルされた街の案内」は一番最後で、ちょっと長い作品。
故郷から東京の自分のアパ-トに突然、住みついた兄。
最初は疎ましく思うのだが、居ると安心したりもする。
「ぼく」は小説を書きながら、今は無人島と化した軍艦島を案内する仕事をすることになる。

「ぼく」の書く小説が、よくわからなかったなぁ~^^;

でも、なんだか不思議な魅力みたいな物を感じた作品でもあって、好きじゃないけど、一番印象に残ったかも。

軍艦島・・・・ちょっと前にテレビでもやってたけど、わたし行きたくないな。
なんだか、不気味なかんじで・・・。
文中にもあったけど、「いるべきものがいない時の恐怖と、いるはずのないものがいた時の恐怖とでは、一体どちらが不気味だろうか?」

う~ん・・・両方不気味だけど、いるべきものがいない方が、わたしは怖い。


ササッと読めて、なかなか面白い本でした。

★★★


9e1018e1.jpg   発行年月:2009年9月


   なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。
   愛しい人々。

   『パレ-ド』『悪人』の吉田修一が描く、
   風薫る80年代の青春群像。


                         
(毎日新聞社HPより)

インパクトある名前。
井原西鶴の「好色一代男」の主人公と同じ名前とか。

インパクトある名前だけど、その暮らしぶりは平凡。
大学進学を機に東京(埼玉に近い)に来た世之介。

家賃4万のワンル-ムマンションに住む初日から、隣の住人と普通に会話して、仲良くなって・・・大学の入学式で隣に座っていた倉持ともすぐ友達になり・・・・
出会う人々を普通に受け入れていく男。

頼まれるとイヤと言えない。
倉持に誘われて成り行きで入ったのは「サンバサ-クル」。

大学生活の様子は、のどかで楽しそう。
これと言った大きな事件は起きず、この物語は、どういう結末を迎えるのやら?と思っていたら・・・・・

中盤あたりで「え?そういうこと?」と驚きが\(◎o◎)/!
なるほど、少し前にこれと同じようなニュ-スがあり、結構、胸が痛みました。
と同時に何か、温かい気持ちにもなりました。
こんな風に行動出来る人がいるんなんて!と。

物語は、世之介の大学生時代(80年代)と、世之介たちが40歳になった現在が入れ替わり語られる形式で進みます。

へ~あの子は、こういう道に進んだんだ~など、思いながら・・・・。

世之介はとっても素敵な大人になったとわかって嬉しかった。

読みながら最後はちょっと切ない涙が出ますが、世之介のお母さんが大学時代、一時、世之介と付き合っていた祥子に宛てた手紙の言葉はジ~ンと胸に沁みました。

平凡な日常の中で、出会った人と人の繋がりも後から考えると、その後の人生に大きな影響を与えていたとわかる。
出会う人によって、その後の自分の生きる道も変わっていくって事なんだと、これを読んで感じました。

「あいつと出会って得した気分」・・・そんな風に言われる世之介、とってもいいな。

軽い青春小説でありながら、強い印象が残る作品でした!


★★★★

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