発行年月:2016年11月
4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。
そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と。
天空の鏡・ウユニ塩湖にある塩のホテルで書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。
ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。
愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか――。
失った恋に翻弄される12カ月がはじまる
(文藝春秋HPより)
映画プロデューサーらしいかんじ。
映像が何となく浮かんでくるような文章。
そういうの好きなので、スラスラ心地よく読めました。
主な登場人物は3人。
精神科医として病院で勤務している藤代俊。
その大学時代の恋人・伊与田春と婚約者で獣医師の弥生。
弥生とは既に同棲3年で結婚式を翌年に控え、式の準備中。
そんなとき、大学時代の恋人だった、ハルの手紙が異国の地から届く。
藤代とハルは、大学時代、同じ写真部で先輩後輩の仲。
そこから、大学時代の二人の様子と現在の藤代の話が交互に語られる。
過ぎた思い出は、あるキッカケで、鮮明に蘇るもの。
藤代とハルの過去の恋愛話は、良かったけど、何で今、手紙送るかな~?
弥生の立場で考えてしまって、ちょっとその辺は違和感。
そしてハルの現在が語られて・・・・・えぇ~それじゃ藤代ますますハルを
忘れられないじゃん!と思ってしまった。
文章とかは好きだけど、この話の展開はちょっと✕だなぁ~。
★★★
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発行年月:2016年1月
お針子の齣江、〈影〉と話す少年、皮肉屋の老婆らが暮らす小さな長屋。あやかしの鈴が響くとき、押し入れに芸者が現れ、天狗がお告げをもたらす。ここは、「この世」の境が溶け出す場所。
(中央公論新社HPより)
長屋に暮らす人々の暮らしぶりは描かれ、そこに起きるちょっと不思議なこと。
お針子の仕事をしている齣江とその隣に住む老婆・トメ。
二人は毎日のように会話している。
魚やの次男・浩三は、齣江の家が居心地よく度々、訪問。
学校の勉強が良く出来て、長男は亡き父親の代わりに魚屋を継いでいるが
自分は中学を受験したいと思って居た。
母親は難色を示していたけれど、祭りの途中、天狗に導かれ行った先で成長した
浩三に出会い、考えを変える。
長屋の人たちの関わりがいい。
和菓子屋の光月堂の主人と娘婿の若旦那との話。
そこに月1回通う魚やの浩一の絡み。
魚やの女将さんとトメ、齣江、女同士の語らい。
浩三と学校の友達・山科君の会話も微笑ましい。
どの場面も良い雰囲気。
そして後半、登場の浩三の通う中学の先輩・遠野の存在が物語を面白くしてくれた。
なるほど・・・・
ラストは哀しいような嬉しいような、でも美しい。
読み終えた後も、静かな余韻が残る素敵な1冊でした。
★★★★★
発行年月:2016年5月
京都の大きな青物問屋の跡取り・若冲は、家業に目もくれず、絵にのめりこんでいた。
「変わり者」の少年若冲が、晴との出会いや父の死、西陣の大火を乗り越えて、「奇想の画家」として世に出るまでの悩み成長するさまを清冽に描く。
近年人気沸騰の若冲も少年時代(江戸時代)は、今とかわらず、少年が周りのおとなたちとぶつかる、あるいは手を差し伸べられつつ、迷い、悩み、自分の進む道を見出していく、というテーマは普遍性があり、読者の共感を呼ぶ。若冲に惚れこんだ著者の、初の単行本。
(国土社HPより)
若冲生誕300年の年ですね。
東京の美術館での若冲展の様子は、ニュースで見ました。
若冲の絵は幾つか頭に浮かびますが、動物がリアルでちょっと怖い。
鶏の絵が特に・・・^^;
でも、考えたらぞうの絵は何か優しげな印象でした。
そして、絵師となったキッカケは、その象だったんですね~。
像が江戸時代の京都に来たとき、若冲少年は象を初めて、驚き、感動して
得意の絵でそれを表現。
象を一緒に見た、晴との出会いと、その後の再会話も良かった!
ある程度は、フィクションなんでしょうけれど、若冲が絵師になるまでの
暮らしぶりが、興味深く描かれていて、面白かった。
児童書なんでしょうけれど、これは若冲を知るには良い本です!
著者の若冲愛を感じました。
若冲が本当にイケメンだったかどうかは????
★★★★
発行年月:2015年10月
みんな遠くへ行ってしまう。本当の自分を知っているのにね――。四年ぶりの長篇小説!
麦彦とヘガティー、思春期直前の二人が、脆くはかない殻のようなイノセンスを抱えて全力で走り抜ける。この不条理に満ちた世界を――。サンドイッチ売り場の奇妙な女性、まだ見ぬ家族……さまざまな〈あこがれ〉の対象を持ちながら必死で生きる少年少女のぎりぎりのユートピアを繊細かつ強靭無比な筆力で描き尽くす感動作。
(新潮社HPより)
小学生の男の子・麦彦と女の子・ヘガティーの物語。
ヘガティーって結局名前、何だっけ?出て来たかなぁ~?
2つの章に分かれていて・・・
<第一章 ミス・アイスサンドイッチ>は麦彦の語り。
麦彦は、母親と二人暮らし。
スーパーの一画にあるサンドイッチ屋さんの店員のおばさんに何故か
惹かれて様子を見に行く。
サンドイッチもたまに買う。
そのおばさんは、まぶたが水色でくっくりした線がまぶたに入っていて
目がすごく大きい。
その目が小さい頃、読んだお気に入りの絵本の犬を思い出させる。
おばさんのことをミス・アイスサンドイッチと密かに呼ぶ。
でも、ある日から店に姿を見せなくなり、辞めたと聞く。
もう一度店に来る日があると聞き、絵を描いて渡す。
<第二章 苺ジャムから苺をひけば>
ヘガティは、父親と二人暮らし。
父親は映画の評論家で、ある日、学校でパソコンを使う授業があったとき
クラスメイトたちが「有名人だから検索すると出てくるんじゃない?」と言いだし
ヘガティの父親の名前を検索。
すると・・・・前妻とのあいだにも一女ありの文を見つけ動揺する。
麦彦とヘガティの関係がいい。
麦彦は優しい相手の気持ちがよくわかる男の子だし、ヘガティも素直で良い子。
第二章では、二人でヘガティの姉に会いにいく。
ヘガティは、あだ名なんだけど・・・その理由も可愛い。
他のクラスメイトたちのあだ名もすごくハイセンス!
最初、外国の話?と思っちゃった。
二人の周りの大人たちもいいな。
小学生の二人が、どんな風に成長していくんだろ?
変わらぬ友情を保ち続けけて欲しいなぁ~。
ほんわかした気持ちになれるお話でした!
★★★★
発行年月:2014年7月
芥川賞作家がセキララに綴った出産・育児記!
35歳ではじめての妊娠。作家の鋭い 観察眼で、
「出産」という大事業の現実と、出産後の夫婦の問題まで率直に描いた異色 エッセイ。
(文藝春秋HPより)
35歳での初産の様子から子どもさんが1歳を迎えるまでを書いた
エッセイでした。
初産ならだれでも感じる不安とか、20年前に長女を出産したときの
ことを懐かしく思い出しながら読みました。
出生前検査を受けたり、無痛分娩を選択した時の心境などは、自分のときと
違うことだったので、興味深く読みました。
出産後すぐから始まる授乳など、母親でなければ感じない感情。
夫に対する不満も・・・・うんうん、そうそう!!と共感しました。
これは、赤ちゃんが生まれたばかりの家庭の新米パパさんに是非、読んで欲しい!
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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