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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年3月

第1回角川Twitter小説コンテスト最優秀賞受賞作!!


痴漢をして捕まり、平和な日常を失った「俺」の居場所は、職場の片隅と家庭だけ。身を隠して暮らしていた「俺」だったが、他人の善意をきっかけにすべてが失われていき――。
ツイッター発の新たなる”文学”。


                       (角川書店HPより)


嫌な話だった。
それなりの学歴を持ち、教師としても優秀だった男が、電車内で女子高生に痴漢を
したことで、退職になり、その後はどん底の人生という話。

妻と就学前の娘がいる家庭の長なのに・・・
なんとも情けない顛末。


男性のことはよくわからないけれど、同じような状況の人は幾らでもいるでしょうから
痴漢をしたことの正当性なんて全くない。

改名して、引っ越して別の職場で再スタートを切るが、思わぬところから
過去のことが明るみに出そうな状況に追い込まれていく。


嫌な話なのに、読まずにいられないのは、文章が巧いからかもしれないけれど
あまり人には勧められない1冊だな・・・^^;


5歳の茉莉ちゃんが、この先、幸せな人生を歩めるといいんだけど・・・
それが一番、気がかりです

                          ★★★
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発行年月:2014年2月


 ブラジルで起きた、小さな奇跡!

リオデジャネイロに住む15歳のアリコは、初めて一人で映画を見に行った日、帰り道で不思議な少女に出会う。自由奔放なナーダに魅せられたアリコは、だんだんと仲を深めていくが… 。友情と恋愛の成長物語。

                   (角川書店HPより)


まず、本を手に取って、このカラフルな表紙の絵に惹かれました!
装画は大野 舞さん。

舞台はブラジル。
そこで暮らす15歳のアリコが主人公。
日本人の父親との二人暮らし。
母親はポルトガル人で、母国に帰国後亡くなったらしい。


ある日、アリコは映画館で「世界の始まりへの旅」という映画を一人で見る。
監督は88歳のポルトガル人の男性。
その映画を見たあとで、知らない赤毛の女の子・ナーダに声を掛けられ
誘われるままカフェに同行。
同い年だというナーダは、自由奔放なかんじだけれどなんとなく惹かれるものがある。
その後も急にアリコの前に現れては、いろいろなところに連れて行き
いろいろな人に巡りあう。

そして、ジットという男の子と知り合う。
ジットと親しくなり、好意を抱くが、ナーダは「死んでしまった人だから・・・」と
仲良くすることを反対するような言葉を言われ混乱するアリコ。

ナーダも同じようにジットが好きなんだなぁ~と気づいたら、なんだか
微笑ましい。
同じ子を好きになったら女同士が少し陰湿な関係になるのが常だけど
二人の友情はその後も続く。

そして、終盤、わかった事実。
なるほど・・・・

そして、ナーダの導きで母親の故郷のポルトガルに旅立つアリコ。
そこで出会った母親の親戚たちとの交流。


ラストも素敵だった。


あとがきで、書かれていたブラジルでの著者の思い出話も興味深かった。

角野さんのブラジルでの体験を書いたというデビュー作も読んでみたいな。


                          ★★★★★



発行年月:2013年12月


「いくつになっても心配だけど、遠くから見守るしかないよね」
母親業に終わりはない。だけど、“子供のために生きる私”のままでいいの?
注目作家が、親離れ・子離れを等身大で描く書下ろし長編小説

教育費を捻出するため夫の両親と同居するお受験ママの「淳子(Junko)」
娘には一生続けられる仕事に就(つ)いてと願う専業主婦の「明美(Akemi)」
親の猛反対を押し切り結婚したことを後悔するお嬢様育ちの「紫(Yukari)」

就職、結婚、出産、子育て、嫁姑、実家との確執、職場復帰……
故郷を離れた18歳から40年、3人は悩みを語り合ってきた。
時には口に出せない痛みを抱えながら───

                     (祥伝社HPより)


大学で同級生だった3人の女性が結婚し、子育てをして、子どもたちがそれぞれ
独立するまでを描いた物語。
彼女たちと、ほぼ同年代と思われるので、学生時代の話。
就職時の話には、「ああ、そういう時代だったなぁ~」と懐かしい思いでした。
こういう時代のことを詳しく書けるんだから・・・と著者プロフィールを見ると
1958年生まれで、わたしよりちょっとお姉さんでした(^^)


子育ては、その子その子で違うし、良い人生を歩んでほしいと考えるから
進路選択の場では、つい親の考えも押し付けがち。
でも、最後は、自分で歩む人生だから、自分で納得した選択をしてくれたら
親はそれを応援するだけの方が、楽かもなぁ~。
なんて、この中の3人の物語を読んで思いました。

子育て卒業まで、まだちょっと、わたしは頑張らないといけないな。


                            ★★★
 




発行年月:2013年12月


 幕末の木曽、薮原宿。才に溢れる父の背中を追いかけ、一人の少女が櫛挽職人を目指す。周囲の無理解や時代の荒波に翻弄されながらも、ひたむきに、まっすぐに生きる姿を描き出す、感動の長編時代小説。

                    (集英社HPより)


今は、長野県の伝統工芸品となっている、お六櫛。
それを作っていた父親の姿を小さい頃からみて、自分も作りたいと思っていた登瀬が
主人公。

この時代、女性が技を継ぐのは珍しい。
一家の跡継ぎと期待された弟の直助は突然亡くなってしまう。
生前は、櫛を挽くことより、草紙を描きそれで小遣い稼ぎをしていた。


やがて、短い期間、弟子として父・吾助の元に通っていた実幸が現れ
弟子入りを申し出る。
教えたことはすぐ覚え、元から持ち合わせた才能を吾助も認める。
が、登瀬は、自分が父親の技を継ぎたいと思っていた為、内心複雑な心境。
商売のことにも口を出す実幸だが、伝統を守るためにも実入りのある品も
同時に作らねばという考えは正しいのかも。


最初、やや胡散臭いものを感じていたけれど、実幸なりに、伝統を守ることを
考えての事だったと分かったときにはホッとした。


そして、余所の村に嫁入りした妹・喜和の気持ち。
亡くなった直助が残した草紙に描かれたものを読んで知ること。


口には出さないけれど、胸に秘めた想い・・・じ~んと切なく温かい気持ちに
なりました。


登瀬と実幸も最後は、本当の信頼し合える夫婦になれたんだな~と
思える描写でした。

伝統を作り、それを後世に残していくって大変なことですね。


    
時代背景も絡めながらだったので、どんな時代か想像し易かった。
間違いなく感動作です!!


                          ★★★★★



発行年月:2013年11月


 社内不倫に疲れた30代OL、妻に先立たれた老人、子供に見捨てられた資産家老女、ある一部屋だけを掃除する汚部屋主婦……。片づけ屋・大庭十萬里、物を捨てられない、片づけられない住人たちの前に現れる。この本を読んだら、きっとあなたも部屋を片づけたくなる!

                   (双葉社HPより)



片づけ屋の大庭十萬里が4件の家庭を片づける話。

<ケース1 清算>
妻子ある上司と不倫関係を続けて5年のOL。
家に帰ると何もする気になれず、自堕落な生活。


<ケース2 木魚堂>
半年前、妻が突然、病死し独り暮らしをしている男性。
娘が毎日、家事をするために通ってくれているが、自身は何もしない。


<ケース3 豪商の館>
資産家の78歳の未亡人。
家の中は片づいているが、台所の棚のなかには大量の買い置きした食品。
冷蔵庫のなかには、作り置きされた食品の数々。


<ケース4 きれいすぎる部屋>
どの部屋も散らかっているのに、ただ1部屋だけきれいに片づけられた部屋がある。



訪ねる家の人たちの生活様式を判断し、何故、片づけられないのか?を十萬里が
判断する。
ただきれいに物を処分すればいいというわけではないというのが、おもしろい。

特に一番最後の話は、印象的だった。
長男を事故で亡くした喪失感が、主婦を何もする気になれない気持ちにさせて
それによって、その家の家族たちまで影響する。
子どもを突然、亡くした親の気持ちもよくわかる話でした。

少しずつ、悲しみを抱えながらも前に進もうと動き出したこの家族の姿が最後に
読めて良かった。


ケース3の話では、年をある程度取ったら、要らないものは、どんどん処分して
後で子どもたちが処分に困ることがないようにしておかなきゃいけないなぁ~と
思った。
いつか使うはず。捨てるほどでもないから取っておこう。
なんていう考え方は改めなきゃいけないな~とちょっと自身の持ち物のことも
考えてしまった。


                          ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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