この国には古来、「不思議」が満ちていた――京都の旧家で長子誕生の際に行われる謎の儀式を描く表題作ほか、節分の夜に鬼がやって来るという信州の「鬼宿」、長崎に伝わる不老長寿をもたらす秘密の石「崎陽神龍石」など、各地の“伝説”を訪ね歩いて出逢った虚実皮膜の物語。ゾッとするほど面白く、ホロリと沁みる奇譚集!
(新潮社HPより)
日本各地の言い伝えに纏わるお話6つ。
どこまで本当?と思ってしまう。
ノンフィクションっぽく書かれているのですが・・・・。
<第一話 はかぼんさん>がやはり一番、印象的でした。
舞台は京都。白衣袴姿の少年の遺体が川に浮いていたという事件が背景にあって・・・
その地方で行われている儀式に、ビックリ。
亡くなった少年は、その儀式での「はかぼんさん」だったのでは?という推理。
今も何処かで実際にあるのかな?なんて本気で思ってしまった。
<第二話 夜神、または阿神吽神」
金沢の漁師町でのある儀式。
<第三話 鬼宿>
信州のとある地方の節分の夜、鬼宿の家では鬼のための寝床を用意するという儀式。
<第四話 人魚の恋>
青森に伝わる人魚の肉を食べるといつまでも若くいられるという言い伝え。
<第五話 同行三人>
四国のお遍路先で遭った行者は、人が入るべきでない場所に立ち入った人間に神罰が下るのを避けるためのお祓いをするという話。
<第六話 崎陽神龍石>
長崎の不思議な力が宿る石の話。
本当かどうかわからないけれど、恐れや感謝を持って人々が言い伝え通りの儀式を行っていることって日本全国には沢山、あるんだろうなぁ~。
不思議なお話でしたが、面白かった。
さださんの語りには惹きつけられるものがあります。
★★★★
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*単行本は2000年4月(理論社で発行)
小学五年生のミオと妹のヒナコの毎日は、小さな驚きに満ちている----。
『頭のうちどころが悪かった熊の話』の著者の初期傑作。
(ポプラ社HPより)
小学校5年生の頃の女の子の気持ちがよ~く表されていました!
特に下に兄弟の居たひとには、共感できるエピソ-ドが最初の話で出て来て
自分も弟がいるので、お姉ちゃんだから味わう、ちょっとした理不尽さを思い出して
ちょっと懐かしい気持ちにもなりました。
短編連作の形で6つのお話が収録。
表題の「天のシ-ソ-」は4番目のお話。
2ヶ月前に転校してきた男子・佐野くんのことをお友達のエリちゃんと探る話。
放課後、後をコッソリつけて家まで行って、佐野くんのお父さんらしい人を目撃。
何やら作業の途中らしく薄汚れたその姿を見て思わず、笑ってしまった。
そして佐野くんもそんな父親のことを避けるような素振りをしてしまう。
ミオちゃんの優しいところは、そんな風に後をつけていって、笑ってしまったことを悪いことをしたと思って佐野くんに謝るところ。
そして佐野くんも自分も父親を避けてしまったと話し、二人は公園のシ-ソ-に乗る。
どちらの罪が重い?と考えるミオたち。
ほかの話もそうだけど、普通ならそんなに深刻に受け止めなくてもいいんじゃない?というようなことでもミオは結構、思い悩んでしまう性格のよう。
優しい良い子だけれど、このまま大人になると、気苦労が耐えない人になりそうだな・・・。
なんてちょっと思ってしまった。
でも、どの話も好き。
ちょっと切なかったりするけれど・・・・。
この文庫本の表紙も可愛いなぁ~。
★★★★★
「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。
誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。
その原因は……
デビュー作で山本周五郎賞を受賞した実力派作家が「家族」を描く、
待望の第3作。表題作書き下ろし。
(朝日新聞社出版HPより)
表題作ともう一編「キャッチアンドリリ-ス」が収められていました。
表題作のほうは、30歳目前で、一緒に住んでいた男性・向井くんが出て行かれた沙登子が主人公。
イラストを描く仕事をしているが生活は、ギリギリ。
向井くんは、高校時代の同級生で、3年前にバイト先のサンドイッチ屋さんに買い物に来て再会。
それから、沙登子の暮らしが経済的に苦しいのを見かねて一緒に住まわせてもらう形で同居生活がスタ-トした。
向井くんはサラリ-マンで、沙登子へ結婚をほのめかすが、沙登子自身は、その気持ちに
同意できないものがあり・・・・向井くんは出て行ってしまったというところかな?
それから、沙登子のちょっと複雑な家庭環境が語られる。
母親は沙登子が中学生になった頃、出て行った。
父親は浮気を繰り返していて・・・・母親が居なくなってからは父親の姉が母親代わりで育ててくれた。
しかし、伯母のことが煩わしく、20歳で沙登子は家を出て独立。
その後、伯母が亡くなり、弟も家を出た。
伯母の死後、母親の居場所がわかり、再会したのが3年前。
ちょうど、向井くんと暮らし始めた頃というわけですね・・・。
向井くんが家を出てから一人で母親とその再婚相手の暮らす家を訪ねていく沙登子。
母親の再婚相手の男性は気さくで良い感じ。
沙登子の訪問も歓迎してくれて。
母親の家に泊まり、翌日、母親の姉妹たちに一緒に会いに行き、楽しそうな会話のなかで
母親の妹・克子おばさんの言う言葉が印象的だった。
気象予報士の勉強中というおばさん。
クラウドクラスタ-とは、積乱雲のかたまりだそうです。
その下は、突風が吹いたり、豪雨が降ったり・・・・。
沙登子の母親のことを「お姉さんみたいだと思ったよ」と。
自分を捨てて出て行った母親だけど、沙登子は、これからも母親として慕い続けていけそうだな~。
再会出来てよかった。よかった。
向井くんとの関係がちょっと気になるけど・・・・
二編目は、両親が離婚した二人の小学生の話を交互に語る。
同じ塾に通い、マンションが向かい同士。
お互いの境遇が似ていることで、気持ちを共有したり・・・。
こどもって案外冷静な目で見てるものだな。
それぞれにこの先、楽しいことが沢山待っている人生を送れたらいいな・・・。
ササッと読めた作品二編でしたが
それぞれ、良かった!
★★★★
離婚を望む一人の女性の移りゆく心の軌跡
人はなぜ同じではいられないのか。幸福な結婚生活を送る森子。だのに別れを決心した。理由は夫として好きじゃなくなっただけ。そんな理由に納得がいかない夫と森子の平行線の日々は続き……。
(集英社HPより)
結婚して10年の夫婦。
夫は、大学の教育学部教授。
それでも森子は、夫と別れたいと家を出る。
夫は、離婚することには反対で、月に一度の話し合いを条件に別居すりことを許した。
メ-ルだったり電話だったり、二人の話し合いは続くが意見は平行線のまま。
物語は、結婚した当初の10年前の出来事と現在を交互に語りながら進む。
一人暮らしした森子は、空港の掃除スタッフとして働き、同じアパ-トの隣室の大村さん(こちらも一人暮らし?60歳目前の女性)とは部屋を行き来する仲になる。
森子と夫の10年前から別れる前の暮らしは、穏やかで微笑ましい。
読んでいるだけなら何も不愉快さを感じない。
森子自身も決して嫌いにはなっていないと言う。
う~ん。
こういう感情は男性には、全く理解不能だろうなぁ~。
森子の我侭としか思えないでしょう。
でもなんとなく森子の気持ちが分かってしまう、わたし・・・(^^ゞ
表題が過去形の「・・・ありました」でなくて「・・・・あります」というのは
まだ完全に離婚した状況ではないからかな?
ちょっと夫が気の毒ではあるけれど・・・たぶん森子は戻らないだろうな~。
★★★★
理想の女は「浮気を許してくれる都合のいい人」と言い切っていたフリーライターの長谷部は、突如として正反対のタイプに惹かれてしまう。結婚を前提に付き合ってほしいと迫るものの、恋愛は自分の気持ちだけでは成立しないという現実にうちのめされる。婚活中のOL・奈留美は、冷凍食品を温めた夕食を取りながら、合コンで一度会ったきりの漫画家にデートのお誘いメールを送信。今までのそっけなさすぎる返信とたび重なるドタキャンのことは忘れて、最後のチャンスに望みを託す。
(幻冬舎HPより)
上巻で登場人物たちの仕事や性格などのプロフィ-ル的なものが頭のなかにイメ-ジ出来ていたので
それぞれの人物たちがどうやって恋愛のパ-トナ-を見つけていくのか?
その過程が楽しかった(^^)
上巻では登場しなかった、覚本敬彦の兄・祐樹が出てきて、バイク事故を起こして漫画を描くことを休んでいたということで心配だったけれど、奥さんと娘と新たな道に進み始めたことがわかってホッとした。
途中からどんどんカップル誕生!!
え?この人がこの人と?というカップルもあれば、ああ、やっぱり二人は・・・・。
なんていうカップルも。
普通のOLの松尾奈留美が、恋愛のアドバイスをネット上で受けながら、覚本敬彦にめげずにアプロ-チしていく様子も微笑ましかった。
そのアドバイスをする側の「ヌエ」という人物の正体が途中でわかったのも面白かった。
なるほど・・・・そういうわけで的確なアドバイスが出来たんだぁ~(^^)
登場人物たちが漫画家だったり、その編集者だったりで、よく知らない仕事の裏側を知れたのも興味深く
本の表紙(裏表紙も)にある、フカザワナオコさんの漫画「おさきに読みました」も面白かった。
途中の一歩という表題もいい!!
★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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