発行年月:2013年11月
「あの日、ちょっとだけ意地悪をしたんだよね、朝。春さんに。ごめんね、こっそり食卓にうなぎを出して、仲直りをすることもできない――」「大切なのは仕事ではなくて家族、とりわけ妻の久里子なのだと思い知らされることになった。何回生まれ変わっても、俺、また久里子と結婚する。決めた。約束する」――〈妻を失った夫〉と〈夫を失った妻〉の、それぞれの世界から、ふたりのかけがえのない大切な瞬間を紡ぐ究極の夫婦愛。大切なひとをなくした人に、そして、今、大切なひとがいる人にぜひ読んで頂きたい、人生の愛しさを描き切った書き下ろし長篇。
(角川春樹事務所HPより)
一組の夫婦・春生と久里子。
最初の章は、妻の久里子の一周忌の場面から。
そして亡くなったときのこと。
妻は、病に倒れたあと、あっという間に亡くなったという。
そして、次の章では、夫の春生が亡くなった設定。
春生は帰宅途中の駅で倒れ、搬送先の病院で息をひきとった。
夫婦それぞれが、お互いを喪って思うこと、その後の生活を交互に描く物語。
両者ともそれぞれを思う気持ちは変わらない。
そばに居ないことが寂しく、思い出して、あのときこうしていれば・・・なんて考えたりしている日々。
でも、やはり女性の方が前向きなかんじかな?
同じように喪失感は抱えているのだろうけど、妻の方が明るい。
夫はメソメソしてる。
でも、やはり死は誰にでも訪れるものだし、ある日、突然かもしれない。
毎日を丁寧に生きたいなと思わせてくれる作品だった。
★★★
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発行年月:2013年11月
豊後(ぶんご)・羽根藩を舞台に”再起”を描く入魂作!
どん底を、なお生きてこそ--------
落ちた花を再び咲かすことはできるのか?
襤褸蔵(ぼろぞう)と呼ばれるまでに堕ちた男の不屈の生き様。
生きることが、それがしの覚悟でござる-----
俊英と謳われた豊後・羽根藩の伊吹櫂蔵は、狷介さゆえに役目をしくじり
お役御免、今や”襤褸蔵”と呼ばれる無頼暮らし。
ある日、家督を譲った弟が切腹。
遺書から借銀を巡る藩の裏切りが原因と知る。
前日、何事かを伝えにきた弟を無下に追い返していた櫂蔵は、死の
際まで己を苛む。直後、なぜか藩から弟と同じ新田開発奉行並として出仕を
促された櫂蔵は、弟の無念を晴らすべく城に上がる決意を固めるが・・・。
(祥伝社HPより)
才能がありながら、ちょっとした不運でどん底生活をすることになった
伊吹櫂蔵26歳。
家族もやや複雑で、継母・染子とはそりが合わず、弟・新五郎に家督を譲っての
浮浪者生活。
隙間風が入りこむ廃屋での怠惰な生活を送り、唯一の癒しは、飲み屋でお芳の
料理をつまみながら酒を飲み、ときにはお芳を金で買う。
読みながら。。。。ああ、早くまともになって!と思うのですが、そのきっかけに
なることは、辛いこと。
家督を譲った弟が切腹したという知らせ。
腹違いの弟・新五郎がその前日、訪ねてきて、櫂蔵に告げたことばがじ~んと
蘇ってきて泣けました(/_;)。
新五郎は、櫂蔵のことを尊敬していたと。
弟の切腹には藩の裏切りがあったと知る櫂蔵。
飲み屋のお芳の店で知り合ったもと大店の大番頭・咲庵を家士に、お芳を
妻として屋敷に戻る。
が・・・最初は継母・染子は、お芳を妻とは認めず、女中として屋敷に留まる。
お芳の優しい気遣いに心を開き始めた染子だったけれど・・・・
ああ、またまた事件!!
辛いなぁ~。
井形清左エ門、なんて悪い奴!(怒)。
染子も事件後、動く。
井形の悪事を公にするために・・・。
おぉ~そんな繋がりを持っていたのか!?とややびっくりでしたが・・・^^;
最後は、事の真相が明るみに出て、めでたしめでたし。
けれど、お芳さんは生きていて欲しかったなぁ~。
やはり葉室さんは、実在の人物の伝記がらみのものより、こういう話の方が
いいな。個人的な好みですが・・・。
★★★★
発行年月:2013年8月
歴史の渦と夫婦の深淵。林真理子の新たな代表作!
わたくしは妻でございます。妻なら真実を聞かねばなりませぬ――。
鳥羽伏見の敗戦で江戸へ「逃げ帰った」と伝えられる最後の将軍、徳川慶喜。若い頃から英邁と讃えられた男は、しかし、本当にただの卑怯者なのか。
公家の姫として京から江戸へ嫁いだ美賀子の人生を通して、妻だけが知り得た歴史の真相を描き、幕末史に新しい光をあてる傑作長編、完結!
(講談社HPより)
幕末の日本史を背景に、美賀子の生き様を描いていた。
薩摩と長州が手を結び、徳川を倒そうとしている。
そしてイギリスやフランスは、日本に開港を機に自国の利益を目論んでいる。
いろいろな事が、これから起きると頭のなかで考えていた慶喜。
そして、鳥羽伏見での敗戦で謹慎の身となり江戸から駿河(静岡)に移り住む。
幾人かの側室と美賀子も共に・・・。
そして、側室に次々と子が生まれ、美賀子は「おたあさま」と子等に呼ばれ
徐々に母性をかんじ、子ども経ちと過ごす時間にも穏やかな幸せを感じる。
一方の慶喜は、多趣味で、油絵、写真、鷹を使う猟に夢中になり、村人の家にも気安く
立ち寄ったりして「けいき様」と呼ばれ親しまれていく。
晩年の暮らしは、穏やかで、美賀子との間にも温かい夫婦らしい会話があって
ホッとした。
このままでは美賀子が気の毒と思っていたが、最期はきっと心穏やかだったんじゃないかな?
と想像できる物語の結びになっていた。
美賀子のほかに同じように好感が持てたのが、火消しの辰五郎の娘・お芳。
側室とはちょっと違うかたちで慶喜のそばで世話をしていた女性。
思ったことをハッキリ言うところが気持ちよかった。
お芳の父・辰五郎も慶喜のことをどんなときにも支えて自ら「上さまには男惚れした」と言っていた。
世間的には、戦を放り出し、自分だけ先に逃げた卑怯な者という認識だけど
こうして物語を読んでみると、確かにいろいろな考えがあっての事だったのかな?
なんていう風にも思える。
なかなか面白い物語だった。
★★★★
発行年月:2013年8月
新聞連載時から大きな話題を呼んだ傑作長編!
わしは将軍にはならん。どんなことがあってもならぬつもりだ――。
幕府と朝廷の関係が激しく揺れ動く幕末。京から江戸へと嫁いだ、一人の姫がいた。その夫、家康公の再来とも噂される男こそ、のちに「最後の将軍」となる徳川慶喜であった。公家の姫から将軍の妻となった美賀子の人生を通して、幕末の動乱と人間の深淵を描く、林真理子の傑作歴史長編。
(講談社HPより)
読みやすく面白い。
徳川家15代将軍・慶喜のことよりもその正妻・美賀子の視点で描かれているのが
興味深い。
慶喜との子どもが出産後、まもなく亡くなったのは気の毒でした。
その後、子が出来ず・・・
自分で「・・・女に好かれるのだ」と言い、美賀子との子どもがなくても
その後、側室に子が次々に生まれることに。
現在では、考えられないけれど、この時代では普通のこと。
それでも美賀子は自分の立場をわきまえて、静かに慶喜を見守る。
今まで美賀子の存在すら、知らなかったけれど
とても好感のもてる女性だなぁ~。
さて、下巻も楽しみに読みましょう。
★★★
発行年月:2013年10月
あなたはあなたが連れてきた──サスペンスとたくらみに満ちたハードな愛の物語。
嵐の日、あなたは、行方不明だった弟を連れて来た。あなたに瓜二つのあなた。そして言った、「僕は死ぬんだ」──幸福な結婚生活を送っていると感じていた「私」に、ある日訪れた不可解な出来事。女が男を愛するとき、取り替え不可能なもの、確かなものとは何か。翻弄しようとするものたちに挑む、静かで激しい「私」の物語。
(新潮社HPより)
16歳のとき、両親を列車事故で亡くしたみさき。
その葬儀会場で別の葬儀に参列するために居た夫・新時と知り合い、結婚した。
夫は余命短い病気に罹る。
そして、ある日、夫と瓜二つの弟・盛時を連れてくる。
ホスピスに入所した新時。
盛時はふらっと家にやってきて、食事をしたりする。
夫は自分の亡き後、妻が寂しくないように盛時を引き合わせたのだ。
盛時の性格は好きになれないな。
容姿がそっくりだから同じように好きになれるわけではないのだが・・・
男の人の考えるとことは、よくわからない。
みさきは戸惑いつつも盛時と居ることを拒まない。
そして、夫の同僚・久保の存在も絡んできて、どうなる?と思ったら・・・
ラストはサスペンス?SF?ホラー?
いろいろな解釈が出来そう。
表題の意味も、ちょっとあれこれ考えちゃう。
ちょっと変わってきてなかなか面白かったけれど
評価が分かれそうな作品かもね。
★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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