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読んだ本の感想あれこれ。
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39717cfc.jpg発行年月:2002年12月


食堂は、十字路の角にぽつんとひとつ灯をともしていた。私がこの町に越してきてからずっとそのようにしてあり、今もそのようにしてある。十字路には、東西南北あちらこちらから風が吹きつのるので、いつでも、つむじ風がひとつ、くるりと廻っていた。くるりと廻って、都会の隅に吹きだまる砂粒を舞い上げ、そいつをまた、鋭くはじき返すようにして食堂の暖簾がはためいていた。暖簾に名はない。舞台は懐かしい町「月舟町」。クラフト・エヴィング商会の物語作家による書き下ろし小説。

                                            (筑摩書房HPより)


クラフト・エヴィング商会の本を数冊、読んでどれも面白かったので、その物語作家である吉田篤弘さんの小説が読みたくなり、読んでみました。
たしか・・・映画化されているような・・・。
表題に聞き覚えがあったので、まずはこれを選んだ次第。


つむじ風が巻き起こる十字路の角にある食堂。
名前は特にないけれど・・・・いつしか常連さんから「つむじ風食堂」と呼ばれるようになる。
開店時間は夜の6時。そして深夜2時くらいまでが営業時間。

常連さんたちが個性的で楽しい。
皆、近所に住まう人たち。

主人公の私は・・・月舟アパ-トの七階に住み、人工降雨の研究をしているので皆からは「先生」と呼ばれている。
最近、引っ越して来て、つむじ風食堂に入ったところ、気に入り、常連客の一人になる。

帽子屋の桜田さんから、二重空間移動装置を譲り受けたり、
古本屋ではなんとも奇妙な「唐辛子千夜一夜奇譚」を見つけ、店の主からは300万円で売ると言われ・・・・
果物屋の青年とは宇宙や哲学的な話を楽しみ・・・・

ほかにも舞台女優の奈々津さんとの関わり、かつて父親に連れられて行った懐かしい喫茶店の二代目店主との再会など、登場する人物たちと主人公の「私」の会話が全部、ほんわかするかんじ。

読んでいて、とても心地よい、大人のための童話のような物語でした。

映画化された作品も見てみたくなった!
好きだな~こういう話♪


★★★★★


 
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