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読んだ本の感想あれこれ。
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a631db60.jpg発行年月:2002年1月(単行本では1999年)


ここにはないなにか」を探そうとしないで。ここが、あなたの場所。

祖母が遺した古い家に女が四人、私たちは共同生活を始めた。糸を染め、機を織り、庭に生い茂る草が食卓にのる。静かな、けれどたしかな実感に満ちて重ねられてゆく日々。やさしく硬質な結界。だれかが孕む葛藤も、どこかでつながっている四人の思いも、すべてはこの結界と共にある。心を持つ不思議な人形「りかさん」を真ん中にして----。生命の連なりを支える絆を、深く心に伝える物語。


                                           (新潮文庫HPより)

先に読んだ「りかさん」の続編とかで、興味あり読みました。
りかさんは、蓉子の祖母が大事にしていた市松人形。
「りかさん」のなかでは、まだ小学生の蓉子と会話したり、人形なのに、意思をきちんと伝えていました。
今回もりかさんは登場するのですが、話しかけたりはしません。
ただ、存在感は常にあり、蓉子を含めて共同生活する4人の女性の中心にいるも居るかんじ。
いつか話したりするのかな?なんて少し期待しながら読みました。

「りかさん」で小学生だった蓉子も成長し、今は植物染料を考える会のメンバ-として活動中。
ほか3人の女性・与希子、紀久は美大生で
与希子は染織を、紀久はテキスタイルの図案を学んでいる。
そしてマ-ガレットはアメリカから鍼灸を学びに来ている。

性格は違っても、物の捉えかたというか、感性が似ているかんじ。
会話の内容が、なかなか高尚でちょっと難しいところもありましたが、そんな部分も好き。
そして物語のなかで四季折々の自然から受ける感情の変化を表現した描写も素敵でした。

例えば・・蓉子が染物工房の先生・柚木と染料となる柏の葉を採取に行き、
緑が茂る柏の木の群生のなかにいて・・・
「あんまり緑がいっぱいで、息苦しいような・・・・・」という場面。
その感情はちょっとわかる気がする!
そして目の前に風景が浮かんで来るようでした。

柏の葉が喪服の染料になるのは知らなかったぁ~。
「死者を悼む色」・・・・・なるほど、なるほど。

物語中、知らなかった事もいっぱい出て来て、メモを取りながら読みたくなるかんじ。

今回は喋らない、りかさんでしたが、そのル-ツのようなものも詳しく知れて、楽しかった。
ちょっと重いかんじの昔話も交えたり、人間の過去のル-ツを探ると新たな繋がりの事実も出てくるんだなぁ~。
今、近くにいる人も実は過去の何らかの出来事により、お互いがお互いを引き寄せていたりして・・・
なんてちょっと思ったりもしました。

「りかさん」とこの「からくりからくさ」暫く時間をおいて、また再読したい!!

以前読んだ「りかさん」は単行本ですが、文庫本には、更なる関連話が収録されているとか
なので、近いうちにそちらも是非、読まなきゃ!と思ってます。


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