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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年2月

恋人に紹介できない家族、会社でのいじめによる対人恐怖、人間関係をリセットしたくなる衝動、わきまえていたはずだった不倫、ずっと側にいると思っていた幼馴染との別れ――いまは人生の迷子になってしまったけれど、あなたの道しるべは、ほら、ここに。もつれた心を解きほぐす、ぬくもりに満ちた全五篇。
目次
おつやのよる
ばばあのマーチ
入道雲が生まれるころ
くろい穴
先を生くひと

                   (新潮社HPより)




5つの短編集。

どのお話も大切な誰かとの別れがある。

最初の話から良かった。
<おつやのよる>
94歳の元気だった祖母の訃報を知り慌てて大阪から九州の実家に帰る清陽(きよい)。
恋人の章吾が一緒に行くというのに振り切って。。。

おばあちゃんは、きっと章吾が追いかけて来てくれて喜んでいるだろうな。


<ばあばのマーチ>
庭先でいっぱい並んだ食器たちを叩きながら一人オーケストラをしている
通称・オーケストラばばあ。

香子は恋人の浩明がもっとちゃんとした仕事にとバイトで菓子工場に勤めて
いることをよく思っていない様子。
結婚したら子どもは3人で夫婦共働きで十分な教育を受けさせたい・・・云々。

うん、別れていいよ


<入道雲が生まれるころ>
萌子は恋人の浩斗に別れましょうとメモを残し帰る途中、実家の母から
親戚のおばあさんが亡くなったと報せが入り、実家へ。

親戚だと思っていた藤江さんは、実はなんら関係ない他人だったとわかる。
死亡届を役所に提出しに行って、その人物には行方不明の末に
亡くなったことになっていると。

藤江さんを巡る謎をあれこれ推察する面々。
萌子の妹・芽衣子は、そんな藤江さんを慕っていたのだと萌子に話す。
遺品の処分も芽衣子は頼まれていたという。


藤江さんにどんなことが実際あって北海道から九州まで来たんだろ?
謎は残るけれど、ここでは穏やかに暮らせていたんだろうな。

萌子の気持ちにも少し変化が見られたのも嬉しい。


<くろい穴>
不倫相手の奥さんが食べたがっていると彼が言うので栗の渋皮煮を作る。
作ったことが何度かあるので、その工程の面倒くささがわかって
面白かった。
わざと虫喰いのような穴のある栗を残して彼に渡す。

奥さんが癌で亡くなり亡くなる前、虫喰いの栗を彼がつまんで穴に気づいたら
「自分で責任もって食べて」と言われたと。
奥さんはお見通しだったんだな。
それを聞いて彼と別れることにしたのも偉い!


<先を生く人>
加代は幼馴染のあおいが、最近、冷たいと感じている。
その真相は、老女の澪が偶然会ったあおいを見て初恋の人・正臣にそっくりだと驚き
その人の名前で呼びたいと。
快諾し、度々、家を訪ねていた、あおい。
加代も正臣の妹という設定で一緒に澪さんの元へ行くようになる。


澪さん、少女みたいでかわいいな。

そして、いい子だなぁ~あおいくん。
加代ともずっと仲良しで居られたらいいね~


ほっこりする短編集でした♪



                   ★★★★


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