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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年9月


痛くて染みて引きずり込まれる!待望の傑作短編集
冴えない僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい
日常の風景が一転! 思わず二度読み!
痛くて、切なくて、引きずり込まれる……。
6つの物語が照らしだす光と闇
島清恋愛文学賞、本屋大賞ノミネート『自転しながら公転する』の山本文緒最新作! 
伝説の直木賞受賞さく『プラナリア』に匹敵るす吸引力! これぞ短編の醍醐味!
ばにらさま  僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい……。
わたしは大丈夫 夫と娘とともに爪に火をともすような倹約生活を送る私。
菓子苑 舞子は、浮き沈みの激しい胡桃に翻弄されるも、彼女を放って置けない。
バヨリン心中 余命短い祖母が語る、ヴァイオリンとポーランド人の青年をめぐる若き日の恋。
20×20  主婦から作家となった私。仕事場のマンションの隣人たちとの日々。
子供おばさん 中学の同級生の葬儀に出席した夕子。遺族から形見として託されたのは。
目次
ばにらさま
わたしは大丈夫
菓子苑
バヨリン心中
20×20
子供おばさん

                   (文藝文集HPより)



これが遺作となったのか・・・なんだか感慨深いな・・・(/_;)

どの話も、ちょっと闇が見えるような話だったけど、それぞれ良かった。

<バリヨン心中>は、地元の浜松市が舞台だったのは驚き!!
祖母・遠子が語るポーランド人のアダムとの出会い、別れ。
日本に住みたい、日本人になってもいいとまで言って結婚し
息子まで出来たのに、あの東北の震災で、そんなことになってしまうとは・・・。
なんだか切ない話でしたが
アダムは母国に戻り、そこで幸せな家庭を築いたんだな。
<20×20>も<子供おばさん>も知っている人は亡くなることについて
語っている。
自分の亡くなったあとのことも考えたんだろうか?

色々、つい考えてしまう。


過去の作品、未読のものを探して読んでいこう。


                     

                     ★★★


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発行年月:2022年9月


「週刊文春ミステリーベスト10」&「MRC大賞2022」堂々ダブル受賞!
9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?
大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。
タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

                   (講談社HPより)



嫌な話だった。
犯人が気になり最後まで読んだけれど・・・

犯人の自分さえよければの考え方による一連の行動が恐ろしい。

こういう閉じ込められて、じわじわ死の瞬間に近づいていくとか
想像するだけで怖い。



最後、誰か一人を犠牲にすれば・・・・の状況から一転する
一人だけ生き残れるかもの状況には唖然。

一人は脱出出来たのか?
脱出したところで、その後も生き延びることが出来るのか?
生き延びたところで、自分の罪がどう裁かれそれに向き合いながら生きる
ことが出来るのか?


むやみに危ないところには入らないことですね(^^ゞ


評判になっていて、それなりの評価も得ている本書だけど、
わたしは、嫌いだ。
こんな設定でこんな結末の物語は、もう読みたくないなぁ~。
救いのない話があってもいいと思うけど、これは酷い・・・(ノД`)・゜・。



                      ★★☆


発行年月:2019年12月

おとうさんはねえ、ヒモじゃなくてリボンだよーー
「時給かなりマイナス男」の専業主夫・常雄が、
野川沿いの道を3歳のタロウと歩きながら発見した、

新しい“シュフ”の未来。著者新境地!

                         (河出書房新社HPより)




小野常雄とみどり夫婦、3歳の息子・タロウの家族の話。

常雄が主夫で家事全般をこなし、みどりが働く。
常雄は、家族内での呼び名は「妹子」。
小野妹子から連想して、みどりが呼び始めた呼び名・・・^m^


常雄は、タロウの幼稚園の送迎を徒歩でしていて、行き帰りは散歩気分。
1.5kmの野川沿いの道のりを3時間くらいかえて帰ったりしている。
雑草の名前を調べたり・・・・
二人で川の中に入ったり・・・


タロウは良い子だし、こんなのびのびした子育ては理想だなぁ~。

でも常雄が自分を時給に換算して、時給マイナス男というのは、ちょっと嫌だった。
そんな卑下した考え方はしなくていいのに・・・。

みどりもそれでよしとしているのだし、
今はタロウがのびのび良い子に育っているのが
一番大事!

タロウが小学生になったら、リボンの男状態は、変わるのかな?
ちょっと気になる。


なんてことない、ある家族の話だけれど、こういう家族もあっていいな~と思った。



                                    ★★★



発行年月:2017年8月


 「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつての恋人。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。ジェットコースターのように先の読めない展開、その先に待ち受ける驚愕のラスト。前代未聞の面白さで話題沸騰、覆面作家によるデビュー作!

                    (新潮社HPより)




主人が先に読み、「面白いよ」と薦めるので読んでみた。


なるほど。。。こういう面白さか。

過去に恋愛関係にあった男女が30年ぶりにメールでやり取りをして
お互いの過去のことを明かし合うというかんじ。

以下、ネタバレ大いに含みます。
自分の覚え書きとして書くので・・・


淡なる懐かさから、お互いの思い出話をして・・・という段階から
ちょっと衝撃的な告白話へと変わっていく。


水谷一馬の30年間は・・・・・塀の中だったんだ~\(◎o◎)/!
そして、その罪は・・・
なんだか、今、世間を騒がせている幼女殺害事件を思い出してしまう。

そして、この男、危険!
塀から出て、復讐しようとしている(既に一人は済ませたってこと?)。

もうこういう人は一生、塀の中にいて欲しいわ~。



メッセージのやり取りだから、ササッと読めちゃった。
衝撃的ではあったけど、読み終えたら、すぐ忘れそう^^;



                           ★★★



発行年月:2017年9月


 「エベレスト? 女なんかに登れるもんか」 そんな男の言葉に負けん気を発揮、 女性だけの隊で頂きを目指し、 8848メートルに立った淳子。 山頂から彼女が見たものは――。 直木賞作家が田部井淳子さんをモデルに書き上げた、渾身の長篇小説。 ただ、山が好きで、会社勤めをしながら暇さえあれば山に登っていた淳子。山が好きだということをのぞけば、ごく平凡な女性の淳子が、女性だけの登山隊でヒマラヤを目指すことになる。最初の目標はアンナプルナ。「女なんかに登れるはずがない」という言葉に反発して挑戦したが、初めての海外遠征は資金繰り、寝る暇もない膨大な準備、女性隊員同士の嫉妬、軋轢、分裂と大変なことだらけ。登頂は成功したが、苦い物が残った。複雑な思いでいる淳子に「ねえ、エベレストに行かない?」と声をかけたのは、ともにアンナプルナで苦労した隊長の明子だった。成功すれば、女性として世界初だ。山男である夫の正之に「行くべきだよ」と励まされ、淳子は決意を固める。アンナプルナ以上の困難を乗り越え、8848メートルの頂きに立った淳子の胸に去来したのは……。 好きなこと、やりたいことを見つけて、どんなに苦しくても一歩一歩、足を運べば、必ず夢は叶う。山を愛し、家族を愛し、人生を愛した淳子の生き方が、すべての女性の背中を優しく押してくれる。 直木賞作家・唯川恵が、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した田部井淳子さんをモデルに書き上げた、感動の長篇小説。

                     (幻冬舎HPより)




田部井淳子さんから、詳しくお話を聞いて書かれたんでしょう。

ご本人が書かれたかのような物語でした。

淳子の子どものころからの山登りに対する想いが描かれていた。

幼なじみの勇太や、大学の寮で知り合った麗香などが大人になっても
大きな影響を与える存在で在り続けた。

危険な山登りで、滑落事故も目撃したり、山登りそのものが過酷だけど
海外遠征の費用を捻出するのも大変そう。

でも、夫の正之との出会いは、淳子にとって一番の支えだったんじゃないかな?
海外遠征にもいつも「行って来い」と背中を押して、
なかなか言えないでしょ?

エベレストに上るかどうか迷っていた時も「行って来い」と言って
ただし、一人で待つのは寂しいから、その前に子どもを産んでくれなんて・・・・
凄すぎ!


女性だけで隊を作る苦労も知った。
登頂って、隊員皆が出来るわけじゃないっていうのも初めて知った!
同じように苦労して途中まで登っても確実に登れると隊長が判断した人しか
行けないんだ。
命かけのことだから言われてみれば当然だけど・・・・。
そこで、また不満や批判が出るって、やはり女性だけの隊の隊長って
精神的にもタフじゃないと務まらないことなんだな~。

これを読んでも山登り全然、したくない、わたしだけど
山登りする人に対しては前より一層、尊敬の気持ちが沸いてきた。


実際に田部井さんの書かれた書もあるようなので、そちらも読んでみたいな。


                         ★★★
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