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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2010年10月

プールで見知らぬ女に声をかけられた。
昔、同じ団地の役員だったという。
気を許した隙に、三歳の娘が誘拐された(表題作)。
他、団地のダークな人間関係を鮮やかに描いた十の傑作ミステリ。

                   (幻冬舎文庫HPより)




永嶋さんと言えば、ダークな話。

人間の悪意とか書かせたら巧い作家さん。

これは少し前の作品ですが、短編集。
短編集は初めて読んだけれど、どれも面白かった。(後味悪い話多いけど・・・)


<インターフォン>
市営プールで声を親しげに名前を呼ばれ、以前同じ団地に住んでいたという。
その女に3歳の娘を誘拐された。
12歳の息子が心当たりがあるという。

<妹>
のろまな妹。
ある姉妹に利用される妹に気づいた姉。

<隣人>
何かと口実をつけては家に来る隣人の老女。
度々ある無言電話。

<団地妻>
ヒマな団地の主婦たちのいたづらについ乗ってしまう。

<非常階段>
3年前、団地の非常階段から飛び降り自殺した同級生。

<追い剥ぎ>
同じ団地内に住む怪しげな男についてあれこれ詮索する主婦たち。

<梅見月>
娘婿の様子に不審なものを感じて追跡する老齢の男。
が。。。不貞を働いていたのは娘の方だとわかる。

<小火>
幼いとき、いつも一緒に遊んでいた少女のことを思い出す。
遊びのひとつに異物混入ゲームがあった。

<花笑み>
子どもを死産してから夫との関係がぎくしゃくし、離婚。
夫には他所に女が出来、その女は妊娠。
母は少し前から難病を患い入院中。
今後のことを思い悩み・・・・

<迷子>
女房に逃げられ独り身になった男。
団地の消防委員の役を渋々受け入れた。
団地内の老人が行方不明になったと連絡を貰い、捜索に参加。
捜索のペアは、父親に代わり参加した大学生の男子。


嫌な重たい話が多いなかで、最後の話は、ちょっと新たな人間関係が
築けそうでいい感じ。

しかし、団地のなかのヒマな主婦たちのお喋りは、ロクなものじゃないなぁ~。
嫌だ嫌だ。
集合住宅には住みたくない。


                           ★★★
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発行年月:2015年2月

舞台に魅せられた者だけが知る恍惚と業を描く、中山版オペラ座の怪人!


男役トップになって二日後に事故死して以来、宝塚の守護神として語り継がれてきたファントムさん。一方、新人公演で大抜擢されたひかるを待ち受ける試練とは――? 
愛と運命の業を描く中山可穂版・オペラ座の怪人!

                    (角川書店HPより)




宝塚歌劇団の男役たちの物語。


新人公演で主役の男役に抜擢された永遠ひかる。
20年のキャリアで宝塚トップスターの男役・如月すみれは、近く退団の予定。

そして。。。宝塚にはかつての男役のスター・扇乙矢の伝説が残っていた。
乙矢は、ファンファンの愛称で愛されていた。
トップお披露目公演の日、乙矢が乗ったセリが上昇。
舞台が開かずその間に挟まれ悲劇的な死を遂げた。
以来、乙矢の魂は、劇場の奈落に留まったままだという噂。
乙矢を、ファントムさんと皆が呼ぶようになる。


ひかるの祖母が乙矢の相手役の神無月れい。


ひかるの公演を見ていたその場にファントムが現れた場面は、感動的でした!

度々登場し、すみれやひかるに助言するファントムさんの言葉がなかなか意味深い。
「男役は男役に惚れる」・・・・なるほどね。

男役の方、素敵ですからね~。
退団を控えた、すみれの苦悩は、実際の男役の方が抱える悩みかも。
そんな風に葛藤されるんだなぁ~と思い、今、元宝塚で現在、女優さんとして
活躍されている方たちの顔がふと、頭に浮かびました。


宝塚ファンじゃなくても十分に楽しめました♪


                          ★★★★



発行年月:2001年2月


  医学生時代の友人に誘われた、海へ行ってみようか。心の病を得て以来、一人で電車 に乗るのは十年ぶりである。旧友の海辺の診療所で過ごす五日間の休暇。朝市の老婆 に亡き祖母の顔を見、崖下の洞窟でイワシを焼いて少女と語らう。

                (文藝春秋HPより)



医者である著者の自伝的小説。

神経症うつ病の診断をされて、パニック障害の発作に怯えながらの生活。
想像出来ないがそれは、大変なことだと思う。

ある日、学生時代の友人・松山から自身の診療所兼住居に暫く来ないか?の
誘いの電話を貰い、海に近いという彼の元を訪ねる。
簡単に訪ねられるわけではなく、新幹線に1人で乗るという難題もクリアしなくては
ならない。

そして、なんとかパニック障害も起こさず、海辺の松山の診療所へ到着。

松山の娘(高校生)・千絵との場面が良かった。
千絵は賢い。人の気持ちを汲むことができる良い医師になれそう。

海辺の診療所で過ごした5日間、触れ合った人たちとの間に生まれた
温かい交流が、重たいものをこれからも抱えて生きて行くであろう
医師の癒しとなったかんじ。

医師の妻も明るいかんじ。

うつ病を持つ者には、病気にについて正しく理解し、
温かく見守る人が居ることが一番の薬でしょう。
そんなことを改めて勉強させてもらったような物語でした。


文章が美しく、内容的には重たいけれど、引きこまれて読みました。
ほかの作品も読んでみたいと思いました!


                          ★★★★




発行年月:2008年5月


 あなたと一緒に眠りたい。でも、こんなに幸福なのだから、ひとりで眠るのもわるくない。
どこまでも凛とした、恋の形を描く長編小説

画家の彩夏を、優しく包む大貫。盲目の舞子を、さりげなく支える恭一。1枚の古い写真とマチスの画集が4人を出会わせた。2組の恋人たちの間に、はぐくまれる絆と優しい時間。

                     (講談社HPより)





2組のカップルの話。
彩夏(26歳)と大貫(41歳)。
高校からの同級生カップル、舞子と恭一(28歳)。

イタリアンレストランでそれぞれのカップルが食事していて、そこで出会う。
きっかけはマチスの画集。
そして恭一の顔が偶然、大貫が依然付き合っていた女性の顔に似ていた。


恭一と大貫の元恋人との接点は全くなかったのだけど・・・
最後に偶然の出会いがあって、このカップルの関係は変化するのか???
なんてちょっと不安が過りましたが、大丈夫で、ホッ。

それぞれのカップルが親交を深め、これからの事を考える良い刺激になっていく。
ああ、こういう付き合いが出来る知り合いカップルがいるといいなぁ~。
なんて羨ましい状況でした。

それぞれのカップルが一緒に暮らし始めたキッカケも偶然のようなもの。
暮らし始めた頃は、まだお互いを束縛してまで引き留めておこうとは思わない状況。
でも少しずつ、お互いが大事な存在になっていることに気づく。

盲目の舞子にも視力が戻れば、またそれはそれで楽しいことを共有できる時間が
増えそうだなぁ~とちょっとワクワクする終わり方なのも良かった!


                               ★★★★




発行年月:2006年11月

「ママに秘密、作ってみない?」その言葉に、少女は頷いた――

女優・脚本家、さらには「BS週刊ブックレビュー」司会者としても幅広く活躍する著者の初小説作品。NHK出版ホームページ上で二〇〇五年十月~二〇〇六年八月まで連載され、大好評を博した『結婚写真』を単行本化。また、脚本家デビュー作を大幅に加筆して小説化した『納豆ウドン』も同時収載。 

                  (NHK出版HPより)


先に読んだ『ティン・ホイッスル』がとても良かったので、デビュー作の『納豆うどん』
を一緒に収録した、本書を読んでみた次第。

う~ん、なかなか面白かった!
『結婚写真』は、母親と娘の関係を描いていて、『納豆うどん』では、両親と娘の関係を
描いていた。

いろいろな家庭環境があると思うけれど、そんななかで家族が信頼し合って
それぞれが一番の理解者で居られたら、最高だな~なんてことを読みながら思った。

最近では情報番組のコメンテーターとして活躍している姿を見ているけれど
女優としての彼女は、最近、あまり見ていないので、演じる姿も見てみたいな。
そして、また素敵な物語も読ませて欲しい。

才能豊かな方なんですね~と改めて思いました。


                         ★★★★
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