僕の奥さん、咲子が家出して1カ月。
僕は姉の月夜さんと咲子に会いに、新幹線に乗る-----。
温かな気持ちに包まれる表題作他、
切ない恋、禍々しい恋、淡い想い、忘れられない痛みなど、
珠玉の短篇連作集。
(河出書房新社HPより)
5つのお話は、それぞれに良かったと思う。
全部植物に因んだタイトルがついているお話。
・銀杏
・椿
・羽衣草
・欅(けやき)
・昼咲月見草
主人公は主に30代くらいの女性。
最初の話「銀杏」では、大学時代からの友人が銀杏を手土産に訪ねて来て、その友人と会話しながら、自分のもう暫く会ってなくて、別れることになるんじゃないかという恋人のことをあれこれ思い出す話。
なんでもない会話の様子が好き。
「椿」は娘のピアノの教師との不倫の話。
「羽衣草」は、母より11歳下の叔母の亜津子の家を訪問する女性。
小さい頃から、この叔母のことが好きで、年の離れた姉のような感覚で接することが出来る。
叔母のつくる手料理はちょっと斬新なアイデアだけど、美味しいと。
実際、美味しそうだった!
この話が一番好きだったなぁ~。
こんな叔母さん居たらいいな。
塩せんべいにポテトサラダの組み合わせは、試してみたい(笑)
「欅」は66歳で亡くなった叔母の葬儀で疎遠になっていた従姉妹達に会い、叔母や従姉妹達で過ごした夏の日の思い出を巡る話。
「昼咲月見草」は、浩介は妻の姉・月夜と家出した妻を迎えに新幹線に乗り、その途中で思い出す、妻の姉と同じ名前の月夜さんのこと。
その月夜さんはおばあさんで、浩介が予備校生時代、一人暮らしをしていたアパートの真上の部屋に住む人だった。
そのおばあさんから貰った千円札が、ここ一番というときに自分を精神的に助けてくれた。
この話も好きだった。
そして、表紙のイラスト、昼咲月見草の絵が素敵!
装画は波多野 光さん。
波多野さんのイラストももっといろいろ見てみたい!
イラスト集とか探してみようかな?
好きな彼女に会いたくて、1日8ミリずつうごく石と、石と話のできるペットの猿を描いた表題作の他、「ゴリづらの木」「手裏剣ゴーラウンド」など、どこかにありそうで、どこにもなかったお話3篇収録。懐かしくて胸の奥底をぎゅっと掴まれるようなこの短編集が小説デビュー作となる。
父・中島らもを超える物語の紡ぎ手の登場!
(双葉社HPより)
3つのお話がありました。
最初の話は「ゴリづらの木」
自宅の庭にある木の上に出没する少年と15歳の女の子の交流。
親しくなっても顔は見せない。
その少年の秘密を病で臥している祖父が亡くなる直前に話してくれる。
御伽噺話のような不思議だけど、感動するお話でした。
二番目の話は「手裏剣ゴ-ラウンド」
客足もまばらな寂れた遊園地に勤める主人公・林哲哉の元に、忍者の新巻が出現。
林勘助の曾孫の曾孫の曾孫の曾孫なら斬る!と。
家系図を取り寄せるまで、猶予をもらうがその間、遊園地で1日、哲哉を見張る新巻。
忍者が出現という設定が可笑しかった。
遊園地では人気者になったり・・・・
最後はちょっと感動でこれまた良い話でした。
最後は表題にもなっている「いちにち8ミリの。」
村の大きな行事「お石さままつり」。
祠から移動した大きな石を祠に戻すお祭り。
その石は何故動くのか?
人間の女性・美澄(村の中学校で美術を教えている)のそばに行きたいため、苦労して1日8ミリずつ移動している。
そして、美澄の家で飼っている猿の壮太。
壮太と石は会話が出来る。
壮太も美澄のことが好き。
村で権力のある神主の源信が祭りを取り仕切るのだが、そこにはインチキな仕掛け。
どんなに2人(石と猿ですが・・・^^;)思っても美澄には想いが通じない切なさ。
最後は、ちょっと驚きの展開で哀しかったなぁ~。
どのお話も結構、好きでした。
中島らもさんの作品は読んだことないので、その娘さんが書いたと言っても比べようもないけど、
次回作も出たら是非、読みたい!と思いました♪
医師の話ではない。人間の話をしているのだ。
栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、日々を乗り切っている。
そんな一止に、母校の医局からの誘いがかかる。医師が慢性的に不足しているこの病院で一人でも多くの患者と向き合うか、母校・信濃大学の大学病院で最先端の医療を学ぶか。一止が選択したのは、本庄病院での続投だった(『神様のカルテ』)。新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。かつて“医学部の良心”と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、砂山は微妙な反応をする。赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった。
そんななか、本庄病院に激震が走る。
(小学館HPより)
前作の「神様のカルテ」も良かったけど、今度の話の方が感動した!
相変わらず、忙しい勤務医としての仕事。
現実の総合病院の勤務医の実態もこれに近いものでしょう。
主人公・栗原一止が勤める本庄病院。
ここで働く医師たちの志は高い。
そんな病院に一止の大学時代の友・進藤辰也が赴任してくる。
しかし、友は、以前と変わっていた。
勤務時間外の診療は一切せず病院からの呼び出しにも応じない。
受け持ち患者の臨終にも帰宅後は立ち会わない。
何かあったのか?
そこには、結構、深刻な事情があったんですね~。
医師にも家族があって、一人の人間。
家族と患者、どちらも大切であり、どちからを選ぶことは難しい。
辰也の妻・千夏も医師。
辰也が変わってしまったのには、千夏が病院の患者から受けたキツイ言葉が原因。
医師は患者をどんなときにも優先しなきゃならない・・・・・は当たり前のようだけどちょっと酷。
厳しい労働条件下で勤務する医師たちの苦悩が伝わってきた。
後半では病院の副部長である内藤医師が病に倒れてしまう話でしたが、ここでは泣けた。
内藤医師の人間としての素晴らしさ。
それを支えてきた千代夫人も素晴らしい。
二人の思い出話もロマンチックでした。
一止の妻・榛名(通称:ハル)は、相変わらず可愛らしい(^^)
「神様のカルテ」は映画化されるそうですが、ハル役は宮崎あおいさんとか。
ピッタリ!ですね~。
今回も現役のお医者さんだから、書ける話かな?
これはシリ-ズで、暫く続けて欲しいな~。
★★★★
『このミス』編集部が驚愕した話題作です!“死神”と呼ばれる暗殺者のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺される----。特ダネを狙うライター・陣内は、ある組長の死が、実は“死神”によるものだと聞く。事故として処理された組長の死を調べるうちに、他殺の可能性に気づく陣内。凶器はなんと……バナナの皮!?
【死亡フラグ】とは、漫画などで登場人物の死を予感させる伏線のこと。キャラクターがそれらの言動をとることを「死亡フラグが立つ」という。
(宝島社HPより)
次女の購入本にて、わたしも読ませて貰いました。
第8回「このミシテリ-がすごい大賞」の隠し玉だそうですね・・・そういう賞があるのは知らなかった!
本の帯に・・・いったんハマるとクセになる。ウソだと思う人は18ペ-ジまで立ち読みしてください。
なんて書いてある。
この表紙もインパクトあるし、帯文のセンスも良くて、読む前からワクワクする本。
実際、読んでみてもテンポよく話が進みなかなか面白かった。
「死神」と呼ばれる殺し屋が偶然の事故に見せかけて殺人を繰り返す。
それを追う、雑誌記者・陣内と本宮や警察官・御室と板橋、そして殺害された組長の仇討を決めるヤクザの松重。
犯人は誰だを追う段階も面白かったけど、犯人の目星が付いてからも更に面白かった。
しかし、犯人は凄いな・・・・。
なかなか考えられた展開で、予想以上に楽しめた!
ヤクザの松重がすごく良い人なのに・・・・気の毒だった(T_T)
そして、ラストは・・・・・え?ここでお終いですかぁ~!?という終わり方ですが・・・・・
ま、勝手に各自、想像するのもいいかも。
わたしは、バナナを除けると予想しましたが。
著者は、浜松市在住だそうで、同じ市民としては、ちょっと嬉しい。
物語にも浜松の事が出てきました。
そういう意味でも、今後も応援していきたいな。
次回作も期待してます!
とても静かな、食うか、食われるか。最新作品集
見知らぬ女からもらった朝顔の種を育てるうちに
呼び起こされる、先輩医師の記憶。
山の自然のうつろい、生と死を見つめる3つの作品
(文藝春秋HPより)
初めて読む作家さん。
過去作品には映画化もされた「阿弥陀堂だより」などあるそうです。
この本は文芸雑誌に紹介されていたのを見て、図書館から借りました。
表題作の「先生のあさがお」のほか「熊出没注意」「白い花の木の下」の2編の作品が収められていて、その共通の主人公は初老の医師。
信州に住んでそこの総合病院の医師として勤務している。
二人の息子は、独立して家を出て、今は夫婦で暮らす日々。
読みながら、この医師は著者自身の事なのか?
全部が事実とは言い切れないような気もするし・・・・・と不思議な感覚でした。
読んでいると、この医師は、診療に疲れ、パニック障害、うつ病と診断され精神科入院も勧められた過去があるとあるが、これは事実なのか??
まあ、それは置いておいて・・・・
話は、病院でのことや家のこと、奥さんとのことなどいろいろ。
夫婦仲は、結構良さそうで二人で過ごす時間の描写が、のんびり、ほんわかしている。
一緒に温泉旅館に出かける最初の話「熊出没注意」からそんな印象を受けました。
次の話「白い花の木の下」では、患者である老婆から貰った山菜のあるという場所の地図を頼りに夫婦で探しに行く話もほのぼの。
最後の表題作「先生のあさがお」は、かつてお世話になった先輩の先生が育てたあさがおの種を貰い育てる話でしたが、どの話にも共通なのは「死」。
その「死」は、忌み嫌うものでは決してなく、誰の元にも必ず訪れるもので、自然なことだと改めて気づかせてくれるかんじ。
「白い・・・」で夫婦と訪れた山のなかで過去に検視依頼で訪れた場所だと気づく場面は、ちょっとゾッとしたけれど。。。^^;
なかなか渋くて、独特の雰囲気がある物語(?)でした。
著者経歴を最後に見たら・・・1951年生まれとあり、え?意外と若いじゃない?と思いました。
読んでいる最中、この作品中の主人公は70代後半くらいの医師かなぁ~?なんて思っていたので、
やはり、これは、著者自身の経験を元にしたフィクションだったのかな?
映画化された阿弥陀堂だよりも気になるな~。
過去作品も読んでみようかな?
★★★
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記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
