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読んだ本の感想あれこれ。
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61tQiHY1NLL__SL500_AA300_.jpg 発行年月:2012年12月


この世の終わりに踊る時も、きっと私を見ていてね。

ダンサーの幸福は、踊れること。ダンサーの不幸は、いつか踊れなくなること――稀代の舞踏家ピナ・バウシュをモチーフに、舞台を見る者と見られる者の抜き差しならない関係をロマンティックに描いた表題作をはじめ、ミステリからSF、ショートショート、ホラーまで、物語に愛された作家の脳内を映しだす全十九編の万華鏡。


                     (新潮社HPより)


あぁ~楽しい短編集でした♪
長編も好きだけど、恩田さんの短編も好き。
短い話だからこその魅力がある。
え~この後、どうなったんだろ?とかひとつひとつ読むたびに余韻が残るかんじがいい。

前半は、ちょっとミステリ-っぽかったり、サスペンスぽかったり・・・。

好きだったのは、表題作の「私と踊って」と「東京の日記」。
「私と・・・」はパ-ティ会場で退屈な思いをして壁際にいた私に一人の少女が近づいてきて
「私と踊って」という。それから少女と仲良くなって2人は大人になる。
私は新聞社の記者になり、少女はバレエダンサ-として活躍。
だけど、悲しい知らせが届く。
2人の出会った思い出の場所に出向き、そこでかつての自分たちが仲良くいる姿を見る。


「東京の日記」は、外国から来た女性が東京に滞在している間に書いた日記。
最初は普通の日記でほのぼのしているのに、途中からちょっと世の中が異常な事態になっていく。
不思議な雰囲気のまま、日記を書いている外国人は帰国する。
サイバ-テロの首謀者の容疑をかけられたコバヤシさん、この後、どうなったんだろ??

ほかにも犬が飼い主に手紙を送った「忠告」や
飼い主と猫が飼い主の妻を殺す「協力」は、ちょっと怖いけど作品としては面白かった。


もう1回読もうかな?


★★★★★
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51TLNQTE7zL__SX230_.jpg   発行年月:2011年11月


   「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。
   夢が記録されデータ化される時代、
   「夢判断」を手がける浩章のもとに、夢の解析依頼が入る。
   悪夢は現実化するのか? 
   戦慄と驚愕の幻視サスペンス。

                          

                                          (角川書店HPより)


面白かったぁ~!
恩田さんらしい物語でした♪

人類が夢を映像デ-タ化することに成功した。
物語は、夢診断をする男・野田浩章が主人公。

そして、物語の鍵を握る存在はかつて、兄の婚約者だった古藤結衣子。
予知夢を幼いときからみるという能力を持っていたが、交通事故で亡くなった・・・・とされている。
予知夢を何らかの悲劇が起きる前に利用できないか?と自らの夢を研究者に提供することで、悲劇から人を救いたいと思っていた。

亡くなったはずの結衣子らしい人を浩章が目撃。
そして、飛び込んで不可解な事件。

最初から、なんだか不気味なものが潜んでいるような、嫌なかんじ。

正体のわからないものって、怖い。

そして、終盤、舞台が奈良に飛ぶ。
奈良という土地柄は、不思議な話が似合う。

ゾクゾクするような不穏な気配が始終つきまとう物語だったけど、ラストは、ハッピ-エンドと捉えて良いかな?
わたしはハッピ-エンドだとしたいけど。。。。
読み手によって、いろいろな解釈が出来そうな終わり方も、また良いな・・・・。


★★★★★
41HTA1yKUhL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年5月


プラハで飲む黄金のビール、高所恐怖症の韓国登山、スモッグの向こうに霞む北京の太陽。出会えるかもしれない物語のかけらを求め、徹夜明けの目をこすりつつ、今日も作家は旅に出る。著者撮影の写真を多数収録、身体の隅に今も残る旅のイメージをくっきりと映し出す紀行集。おすすめの旅の本を一挙紹介したブックガイド付き。

                     (新潮社HPより)



いろいろな国(イギリス、チェコ、台湾、韓国、スペイン、中国)、いろいろな土地(郡上八幡、伊勢、日光、阿蘇、熊本、奈良)を旅する恩田さん。

飛行機が苦手だそうですが・・・海外にも結構出かけていて・・・
日本国内は、新幹線で行く。

観光の様子も楽しいけど、美味しいものをいただく場面がやはり楽しい。
お酒も相当お好きな様子。
そして、馬刺しが大好きだとか。

後半で登場の熊本の旅で、馬刺しや馬の肉を沢山食べて大満足の様子には驚き!
馬刺し・・・食べたことないし・・・・食べる気も起きないわたしだから・・・・。

熊本の石橋ツア-と称した橋を巡る旅には、興味が沸いた。
国指定の重要文化財の橋、わたしも見てみたい!
特に5000円払うと放水して水路橋として使われているという様子を見てみたい。
誰かが5000円ちょうど、払ってくれてその様子を見られた恩田さんはラッキ-だなぁ~。


写真も多く掲載されているけど、白黒のが多くて
「あ~カラ-ならいいのに・・・」なんて思ったけれど・・・

あとがきを読んだら、恩田さんが今でもイメ-ジとして身体の隅っこに残り続けている場所を書き留めたんだとわかり・・・・・それなら白黒でも仕方ないかと納得。


これらの旅から感じたものをまた作品として読ませて貰える日を待ってます!


★★★★
961e22e7.jpg   発行年月:2005年4月


  イギリスとアイルランドにはちても行きたい。
  だが、飛行機には乗りたくない。

 いよいよ迫ってきた搭乗時間に、廊下を歩いていった私はそこで完全に立ち止まってしまった。
 そこには、大きな窓があった。
 そして、その外には、大量のあの乗り物が蠢いていたのである。
 ひえ―、あんなにいっぱいあの乗り物がっ。
信じられないっ。オ-マイガッ。
空港なんだから当たり前だが、博多でも羽田でもこんなに沢山の飛行機を見たことはなかったのだ。
さ―っと、全身から血が引いて、抜けた。
私は完全に思考停止に陥った。(本文より)
                                         (本の帯文より)

最初に著者も言ってる通り、これは紀行文。
ずっと前から憧れていたイギリスとアイルランドを訪れて、観光も楽しむ著者。

しかし、行き帰りとイギリスからアイルランドに移動するときには飛行機に乗らなくてはならない。
恩田さんは、飛行機に乗るのが怖いのです。

その恐怖感に打ち勝つためにいろいろな作戦を立て実行しようとする様が可笑しかった。
搭乗する前の恐怖も相当なものらしく、
歴史上の偉人について同行者と語り合ったり・・・
家畜について考えたり・・・
なんとか恐怖を紛らわそうと必死でした。

いよいよ機内に入り離陸。
アルコ-ルの力を借りて、寝てしまえばいいと思い、ビ-ルやら白ワインを飲む。
けれど・・・・なぜか酔えず、眠れず・・・・

イギリスとアイルランドの観光の様子は、ま、普通なので、あまり印象に残っていません^^;

でも、面白かったなぁ~。
紀行文なんだけど、旅先の観光の様子は印象薄いのも変だけど、こういうのもいいじゃない?

無事、帰国出来てホッとした様子もいいな(^^)

そして、この可笑しな表題の意味が最後にわかりました。

旅を終えて普通の日常に戻ったとき、ふと蘇る旅でのイメ-ジ。
それが恐怖のあとに得た報酬なんですね!

 
★★★
f066079f.jpg   発行年月:2010年1月


     この家、あたししかいないのに、 
   人がいっぱいいるような気がする・・・・

小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。この家では、時がゆっくり流れている。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語。

   巻末に驚きの書き下ろしサイドスト-リ-が!

                               (本の帯文より)
 
丘の上に建つ古い洋館に一人の作家が住む。
そこを度々訪れるのは、幽霊屋敷に魅了されている人々。
だが、作家はいう「わたしの家では何も起こらない」。

物語は連作方式で、洋館の現在と過去のいろいろなエピソ-ドを交えて進む。
洋館内、またはその近くで起きた不可解な事件。
ひとつひとつのエピソ-ドは、結構、痛ましい。そこで生きていた者がやがて、幽霊と呼ばれる存在になり、人々に語り継がれていく。

文中にあったけど、考えてみれば、今居る、自分の場所にもかつて、生きた人が居ただろうし、その人が残した思いなどがその場に強くあったとしたら、何らかの気配を感じても不思議ではないのかも。

幸い、わたしは鈍感なので、気配のようなものは感じたことないけれど・・・。


巻末のサイドスト-リ-は、期待するほど驚かなかったけど・・・・^^;

なかなか面白い幽霊屋敷のお話でした。

怖がりなので、昼間に読みましたが、これくらいなら夜でも大丈夫(かも?)


★★★
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