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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年12月

坂道と石段と石垣が多い静かな街、夏流(かなし)に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城――夏流城(かなしろ)での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。

                       (講談社HPより)




かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド


へ~こういうのあったんだぁ~。
読みやすくていいな。

恩田さんのお話以外も読んでみたい。



挿絵の酒井さんの絵も素敵。

主人公のミチルが招待された林間学校。
まだ転校してきたばかりで親しい友達がいないミチルに親切にしてくれる
学級委員の佐藤蘇芳も参加者の一人。

他の学校からの参加者を含め計6人の少女たち。


謎の「みどりおとこ」の正体が明かされ、参加者6人に共通していることも
明かされる。

謎が明らかになるまでの過程がミステリアスで美しい。

そして少し怖くて、哀しい。


挿絵も素敵で、これは大人でも十分楽しめた!

<八月は冷たい城>も読まなきゃ!



                        ★★★★★
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発行年月:2017年2月


 直木賞受賞第一作! “恩田ワールド”全開のエンターテインメント長編
錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木・・・・・・。日本各地の旧軍都に発生すると言われる「裂け目」。 錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木・・・・・・。
日本各地の旧軍都に発生すると言われる「裂け目」。
かつてそこに生きた人々の記憶が形を成し、現代に蘇る。
鮎観の一族は代々、この「裂け目」を封じ、記憶の化身たちと戦う“力”を持っていた。
彼女と同じ一族の遼平もまた、同じ力を有した存在だった。
愛し合い結婚した二人だが、息子、俊平を産んだことから運命の歯車は狂いはじめ・・・・・・。

――新時代の到来は、闇か、光か。


                    (KADOKAWA HPより)




「蜜蜂と遠雷」とは、全く違う世界。

特殊能力を持った一族の奮闘。
やってることは凄いことなのに、世間の人には知られずに行う。

裂け目から、わらわら発生する「グンカ」たち。
それに向かう遼平と鮎観。

二人はいとこ同士で結婚、息子・俊平が生まれたが
その息子に異変が・・・。

大阪城では武士たちまで出てきて、何じゃこりゃ?と思ったけど
助太刀で登場のカオルが活躍!

登場人物たちのやり取りが愉快なので、ダークな世界観もユーモアあって
和む。

遼平と鮎観の息子・俊平の今後はどうなるのか?
続きはあるのかな?


まあまあ楽しく読めました♪


                      ★★★



発行年月:2016年9月


 俺はまだ、神に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
著者渾身、文句なしの最高傑作!

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。
養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?

                    (幻冬舎HPより)



厚いけど、大丈夫かな?
音楽も詳しくないけど・・・
曲名、出て来ても頭にすぐ浮かばないし・・・^^;
なんて最初は思いつつ頁を捲ったけれど・・・やはり恩田さんの文章は素晴らしい!
全然、飽きずにどんどん、スラスラ読める。

国際ピアノコンクールの予選から本選までを描いた物語だけど、そこに登場する
出場者たちの人間像がはっきり描かれているので、もう皆を応援したくなる。

一番興味を持ったのは、養蜂家の父親をもち、パリで暮らしていたとき
国際ピアノコンクールのオーディションを受けた風間塵。
音楽家からは多くの尊敬を受けていた故 ユウジ・フォン=ホフマンの推薦状を
持って来た少年。

国際コンクールの進む中で、栄伝亜夜と交流をもつ場面も愉快だった。
日本の滞在先は父親の知り合いの花屋さんで、ピアノを求めて彷徨い、亜夜の
学校のピアノをちゃっかり拝借して演奏しているところを見つかるという出会い。

お互いライバル同士なのに、演奏を聞き、自分にはない魅力を高く評価し合う
関係が微笑ましい。

亜夜とマサルの過去の接点も偶然にしては出来すぎだけど、いい。

28歳のサラリーマン、高島明石の演奏もちゃんと評価されて良かった。


芳ケ江国際ピアノコンクールとなっているけど、この街の鰻を・・とか出て来るので
地元の「浜松」を意識して書かれたのかな?と想像して
それも嬉しかった♪

素敵な物語でした。



                       ★★★★★



発行年月:2014年1月(単行本は2001年7月)

些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作!


一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。
下剤を盛られた子役の麻里花。推理力を競い合う大学生。
別れを画策する青年実業家。
昼下がりの東京駅、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、
運命のドミノが倒れてゆく!


                  (角川書店HPより)



27人と1匹が、東京駅に集結。
それぞれの目的のため。

27人の中でも、地方からインターネットを通じて知り合った俳句好きが集まる会に出席のため上京した吾妻俊策、オーディションを受ける子役の麻里花と玲菜の行動が特に気になり
読んでいました。


結果、ドタバタの割には静かに事は、納まったのかな?

飼い主から逃走する動物が1匹。
これ犬かな?と想像しながら読んでいましたが・・・あらまあ、イグアナ!
犬なら隠して来ないか?^^;


これだけの人物たちに起きることを上手く繋げて東京駅に集結させちゃったのは
凄いね。
人にはそれぞれドラマがあるんだな~。
本文始まる前の一文  「人生における偶然は、必然であるーーー。」
この言葉そのもののドラマですね~。


ああ、楽しかった♪


                       ★★★★



発行年月:2015年9月


 超巨大台風が接近、封鎖された空港。
別室に集められた11人の中に、テロ首謀者がいるという――。
閉鎖空間で推理合戦が繰り広げられる恩田ミステリー、一気読み必至!

                    (中央公論新社HPより)



巨大台風、テロリストと最初から物騒な展開を予測させる言葉。
そして、入国監査を待つ人たち。

そこに並ぶまでに数人の人物の様子が描かれて・・・・
彼らが物語をどう進めるんだろ?とワクワク。

そして、入国監査の際、別室に誘導される彼ら。
身に覚えがない彼ら。何がいけないんだろ??と不安に思いながら・・・

ひとり、入国監査ではOKだったのに、不運にも別室行きになった者あり。

別室に集められたのは男女+男の子で10人。

・小津康久・・・エンジニア
・大島凪人・・・大手出版社勤務、離婚歴ありの40代
・岡本喜良・・・デザイナー
・成瀬幹柾・・・甥の結婚式のスピーチが待っている
・三隅渓・・・海外で働く医師、ガラガラ声
・伊丹十時(トトキ)・・・天文学者
・母と子(聖斗)・・・キヨトは触れた相手がその時、イメージしているものがみえる。
・中年男性・・・人材派遣会社勤務(?)
・中年女性・・・お嬢様育ちで言葉遣いが丁寧


ベンジャミン・リー・スコット・・・アメリカから亡命しようとして日本へ。
匿名で激しい人種差別や悪意に満ちた攻撃を繰り返すものを告発した。
そのなかにはアメリカの上院議員や最高裁判官など世間では「高潔な人格」と
されてきた人々の隠された凄まじい差別意識が暴露される。
スコットの行為は「プライバシーの著しい侵害」であるという弾劾の声が上がり
「国家機密の漏洩」が罪状となってお尋ね者に。


スコットと伊丹十時がイギリスの学校で親友だった。


別室の10人をお世話するのは、キャスリン。
人間にしか見えないけれど、ロボット。

人が沢山出てきて、最初はやや混乱しましたが、途中から慣れて
10人の中にテロリストがいるのか?いるとしたら誰?ということよりも
彼らの会話が楽しくて不思議なかんじ。
キャスリンも結構、愛嬌あるし。


タイトルの「消滅」の意味も最後にわかりましたが、
消滅したら確かにいいかも。
耳栓とデンタルフロスわたしも買いに行っちゃう(笑)。


頁数は500超えですが、楽しく読み終えることが出来ました。
恩田さんらしさも十分あったと思います♪


                            ★★★★
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