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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年10月






止(や)まぬ雨はない。
明けぬ夜もない。
少年は、ただ明日をめざす。

父は切腹、所払いとなった天羽(あもう)藩上士(じょうし)の子・伊吹藤士郎(いぶきとうしろう)は、一面に藺草(いぐさ)田が広がる僻村(へきそん)の大地を踏み締める――
過酷な運命を背負った武士の子は、何を知り、いかなる生を選ぶのか?

わたしたちは生きていかねばなりません。死んではならぬのです。
紅(あか)く焼ける空の下篠(しの)突(つ)く雨の中を、元服(げんぷく)前の天羽藩大組組頭(おおくみくみがしら)・伊吹(いぶき)家嫡男(ちゃくなん)の藤士郎(とうしろう)は、父・斗十郎(とじゅうろう)の佩刀(はいとう)を抱え、山奥にある牢(ろう)屋敷に向かっていた。姉・美鶴(みつる)が嫁ぎ、両親や親友の風見慶吾(かざみけいご)、大鳥五馬(おおとりいつま)と送る平穏な日々が暗転したのは20日前。豪商・出雲屋嘉平(いずもやかへい)と癒着(ゆちゃく)し藩を壟断(ろうだん)したという咎(とが)で斗十郎が捕縛されたのだ。切腹が申し渡されたこの日、謎の若者・柘植左京(つげさきょう)に牢屋敷に呼び出された藤士郎に、斗十郎は身の潔白と藩政改革の捨て石になると告げ、介錯(かいしゃく)を命じた……。
  
                 (祥伝社HPより)



読み応えあった!
父親の切腹の場で、介錯役を務める息子の伊吹藤士郎。
武士の生き方って、凄すぎる(;O;)。

父の最期に言葉を交わし、父から渡された刀と死ぬ前に伝えられた言葉の意味をずっと胸にしまって生きる。

親友の慶吾と五馬との関係も素敵だなぁ~と思って居たら
五馬には、別の顔があったことを知る。
ああ、哀しい。
父親の切腹の場面より、こちらのほうに泣けた(;O;)。


物語は、終わったけれど、この後、藤士郎はどうなったんだろ?
藩の行く末はどうだったんだろ?
いろいろ気になることが残った。


藤士郎の父・斗十郎のことももう少し詳しく知りたかったし・・・。


やや消化不良気味な気分ですが、まあまあかな?


                      ★★★




 
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発行年月:2016年1月


 子堕ろしを請け負う「闇医者」おゑんのもとには、今日も事情を抱えた女たちがやってくる。
大店の女将、華やいだ若い娘……
「診察」は、やがて「事件」に発展する。シリーズ第二弾。

                   (中央公論新社HPより)




待ってました!!

シリーズ化するんですね~(^^)

今回話は2章に分かれてはいますが、ひとつの話と言ってもいいかな?

おゑんの元に連れて来られたのは、若い娘・お竹。
梅木屋宗之介の元で働く娘を妻のお江代が連れて来て、堕胎を頼む。
が・・・おゑんはお竹が本当は子どもを産みたいと思っていること。
お腹の子は別の男・十助の可能性もあるということを知る。


お腹の子を産み、一人で育てると決めているお竹は、強い!
そして、そんなお竹の気持ちを優先して力になる、おゑんが恰好いい。
機転を利かせて、誓書をお竹に書かせ、それを30両で売るとは・・・・


梅木屋との関わりを一切絶った、お竹だけど、お江代は、おゑんの元を訪ねてきて
宗之介を殺したと言い、その後姿を消す。
お江代も不思議な人だったなぁ~。

お竹が無事に男の子を産んだときは、ホッとしたけど、その後どうなったんだろ?
ずっと、おゑんの元で暮らして後のシリーズにも登場か?と期待したのになぁ~。


そして、おゑんの事ももっともっと知りたい。
話のなかで少し出て来たけれど、医者だった祖父のこと。
一家に降りかかった残酷な仕打ちをもう少し詳しく知りたい。
おゑんが闇医者になった経緯もそのへんに理由があるのだろうか?


第3弾も楽しみに待ちます!


                          ★★★★



発行年月:2015年11月


 この苛立ち、この焦燥、この憎悪、この執着。

剣呑で歪で異様な気配を纏う、同心信次郎と商人清之介

彼らの中に巣くう何かが江戸に死を手繰り寄せる
今は亡き父と向き合い、息子は冷徹に真実を暴く

心に虚空を抱える同心木暮信次郎
深い闇を抱える商人遠野屋清之介
宿命に抗う男たちの、生きる哀しみと喜びを描く

               (光文社HPより)




「弥勒シリーズ」第6弾ですね。

今回は、同心・小暮信次郎が何者かに刺されるという事件が起きる。
その犯人は、すぐに何者かによって殺された。

信次郎は何故、刺されたのか?
殺された男・徳助は20年前、島流しの刑に処され、生き延びて江戸に戻って来て
いた男。
20年前、まだ幼かった信次郎が恨みを買うはずもなく・・・
父・小暮右兵衛に恨みを抱いていた?

20年前の徳助が犯した罪。それに関与していた右兵衛。
信次郎が20年前の事件と徳助殺しの真相を追う。

そして、商人・遠野屋清之介が再び刀を手にする時が。


登場人物たちが魅力的。
信次郎と清之介の間にいる伊佐治親分も良い。
二人の緊張感ある場も和ませるような存在あり。

このシリーズ、ますます面白くなっていきそう。



                         ★★★★



発行年月:2015年11月


誰のことより、自分のことが分からない

野球部を引退したばかりの渓哉は未来を前に立ち竦んでいた。
モラトリアムの季節を前にした高校生の逡巡を丹念に描く、傑作青春小説。

                   (文藝春秋HPより)



岡山県の高校3年生(岡山は著者の故郷ですね)。
真中渓哉、津中実紀、深野栄美が主な登場人物。

実紀と栄美ははとこ。
渓哉と実紀は、野球部をこの夏の県大会2回戦敗退後で引退したところ。

栄美の家は湯郷でも老舗の1件「みその苑」を経営する。
実紀は渓哉を誘って、栄美の家が経営する「みその苑」の湯に度々、浸かりにいく。
夕飯もご馳走になること多々。

そして、見慣れない女性・青江里香と知り合う渓哉と実紀。

会いたい人に会いに来たと言う・・・それは渓哉の兄・淳也だった。


進路問題、恋愛事情、悩み多き青春時代を爽やかに描いた物語でした!

世の中、こんな爽やかな高校生ばかりだったらいいなぁ~。

表題通りの清涼感溢れる、あさのさんお得意の青春物語でした(^^)


                         ★★★★★



 



発行年月:2014年9月


 相次ぐ死。危険な香りを纏(まと)う謎(なぞ)の男。許されぬ恋。
そんなに一途(いちず)になっちゃあいけねえよ。
こんなに苦しいのに、想わずにはいられない──
少女が大人の女性へ変わっていく季節を鮮烈に描く!

人を想うことは罪ですか──
本所深川六間堀町(ほんじょふかがわろっけんぼりまち)の太物(ふともの)問屋『あたご屋』の一人娘お八重(やえ)は17歳。母は亡くしたものの、父の重蔵(しげぞう)と祖母の久利(くり)、伯母のお竹(たけ)に加え、お付きとなった16歳の女中・おちかに囲まれ、幸せな日々を送っていた。だがある日、“川獺(かわうそ)”と名乗る男に出逢った瞬間(とき)から人生が一変する。初めての恋に落ちたのだ。そしてその日から、人生の日向(ひなた)しか知らなかったお八重の周りには、謎(なぞ)が、死が、災厄が忍び寄ってきた……。

                     (祥伝社HPより)




お嬢様育ちのお八重が恋した相手は、自分のことを「かわうそ」と名乗る謎多き男。
お八重をいつもそばで支える1つ年下のおちかが健気で可愛い。

無鉄砲で世間知らずのお嬢様を、懸命に支え、年は1つ下だけど、
おちかの方がずいぶんとしっかりしている印象でした。

この時代には、成就しそうにない恋愛相手。
最初から切ない恋の話の予感でしたが、やはり最後は切なかった。
「かわうそ」と名乗った男は、この後、どんな生き方をしていくのだろう?
まっとうに履物屋として成功してくれたらいいな。

『あたご屋』の家族が良い感じ。
母親は居なくても、祖母や伯母がその代わりを務めてくれて、おちかたちも居る。


「かわうそ」と名乗る男も、そんな幸せな家で暮らすお八重に段々と惹かれながらも
お八重の幸せを思って、忠告し、自分は姿を消す。
謎多き男だったけれど、人としては魅力あるかんじだった。



数々の殺しの犯人の真相は、ああ、やっぱりね・・・・という感じでしたが
まあまあ楽しめました♪


                         ★★★
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